ゴルフって楽しいなぁ

2006.08.02
コンペで一緒になった人から紹介を受け、別のゴルフ同好会へも入会した。
自己紹介をネットで送ると見知らぬメンバーから入会歓迎のメールが送られてきた。
出会い系サイトで犯罪多発が報ぜられるが、我々は大人の世界で、ゴルフ愛好家ばかりだからそんな心配はない。車の相乗りの相談を見知らぬ会員とメールでやり取りし、当日初顔合わする。メールのやり取りがあるので、初めて会っても旧知の仲のような錯覚がした。若い人の「出会い系」の魅力を理解出来る。この同好会は、私の予想に反し比較的若い人が多いようだ。定年退職組より現役の人の方が多く、中には40歳代の会員もいる。また、女性会員が多いのが特徴である。ゴルフをしたいが、土・日は高額だし、平日はメンバーが集まらないので、このサークルに入会している。数回の体験では、服装はもちろん、マナーの良い人が見受けられ好感を持てる。
 まったく未知の人とゴルフを通じて、職業・年齢・性別・肩書・腕前に関係なく親しくなれるなんて、ゴルフって楽しいなぁ。

梅雨の合間に泊りがけで田舎へ出かけた。田舎のゴルフ場は一人で来る人が少ない上、最近は「ツーサム」と言って二人きりでのプレーを希望するケースが増え、入れて貰えないことが多い。自分一人だけのプレーは面白くないので、1時間待って相棒が見つからないなら引き上げるつもりでコースを訪ねた。長いゴルフ歴の中で、ビジターで、紹介者なしで、おまけに一人で行くのは初めてである。
当コースは休業日のセルフデーだったが、「たまたま社員がプレーするので一緒にどうですか」と勧められた。社員ならすべて勝手を知っているので歓迎だ。社員さんは、初めて訪れた私に親切にコースを解説してくれる。彼は50歳半ばで素晴らしいショットをする。当たればドライバーショットは私の30ヤード先に飛ぶ。ショットは乱れず上手いので、質問するとハンディは8だった。彼と世間話やゴルフ界の話題など話は弾み、楽しい一日を過ごせた。社員さん78、若造81の成績。
 知らないゴルフ場へ一人で行って、こんな珍しい体験をできるゴルフって楽しいなぁ。

翌日は度々訪れるコースである。ここも平日一人で行くと単独プレーを余儀なくされることが多い。従って非番の社員・退職した社員とのプレーを組んだ。
夜、馴染みのスナックへ行くと、知り合いになったお客が地元名産物を土産にくれた。元社員からは自作の農産物を頂戴した。地方の人は都会では味わえない人情と気配りをして下さる。
 これもゴルフを通じての産物である。ゴルフって楽しいなぁ。

在籍していた会社の代理店の幹部の方と親しくなって30年来のお付き合いをしている。お互いの人柄を認め合っていても、お喋りとお酒だけなら30年間も交際は続かない。 ゴルフがあるから続くのだ。ゴルフって楽しいなぁ。

福岡を去って10年近くなるのに、毎年九州へ遠征している。仕事を通じて親しくなった人達が九州各地にいるからだ。気が合う間柄とは言え、焼酎とカラオケだけなら高い飛行機代を払ってまで行くまい。
 ゴルフがあるからこそ、遠方まで出かけるのだ。ゴルフって楽しいなぁ。

ゴルフは自己責任が基本になっている。ルール違反にはペナルティがつく。
世の中、このような運営ならスムースに行くのではないか。自分に腹を立てたら更に大きなミスを招く。ゴルフは忍耐強い人間を育ててくれる。
 楽しみながら人間修行が出来るって、ゴルフって楽しいなぁ。

ゴルフの楽しみに道具(クラブ)との出逢いがある。
体力が落ちても、技量がなくても、自分に合った道具に出遭えば、ある程度自分の欠点を補ってくれる。こんなスポーツが他にあるだろうか。
 道具探し、道具との出逢いが楽しみなんて、ゴルフって楽しいなぁ。

私のゴルフの全盛期は58歳の時で、3つのゴルフ場へ別個のカードを提出して3つともハンディキャップは10だった。定年退職後は練習場へ通っているのに、技量は落ちるばかりで落胆していた。スコアにこだわらず、『健康ゴルフ』に徹する時期になったかと悟っていた。ゴルフは我流で下り坂一方、ハンディは13まで下がっていたので観念し、今春からコーチについて卓球を習い始めた。欲を出して、硬式と軟式の両方に励んでいる。卓球は動きが激しいから、汗びっしょり。心臓病歴者なので、ニトログリセリンをポケットに入れ、水をふんだんに飲みながらの練習をしている。
ところが、原因不明だが最近突如としてゴルフの内容が良くなったのである。アイアンショットがぶれなくなり、ドライバーショットも年齢の割には飛ぶとお世辞を言われるようになった。久しく出なかった70台も出るようになり、ハンディキャップが上がるかも知れないと密かに思っていたら、所属コースからなんと『ハンディ10』の知らせが届いたのである。卓球がゴルフに役立っているのかも知れない。この年齢でハンディ大幅アップは珍しいことだろう。ハンディキャップだけは全盛期に戻ったのである。
 病気をしても、67歳になっても、上達できるゴルフって楽しいなぁ。

だから、健康である限り、私はゴルフを続ける。そして従来からの仲間だけでなく、今後も見知らぬゴルファーとの出逢いを求めて・・・ゴルフよ、有難う!
私(渡)は、まだまだ若いぞ(若い造う)! 渡若造は、今日も緑の絨毯を闊歩する。
                             ー完結ー


− 私の名前は渡若造 50話 −

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