外資系のゴルフ場運営を論評する

2006.05.26
ゴルフ練習場仲間から、連休明けにゴルフツアーを企画して欲しいと催促され、いつものように、私が格安でコースが程々に良いゴルフ場を選んで実行した。
今回は、茨城県の那珂インターから25分の水府でプレーした後、栃木県に移動して赤湯温泉のある関東国際のロッジに宿泊・プレーするプランである。出発から3時間を要した水府CCは連休明けにも拘らず低料金の魅力か、お客は130名も入っていた。コースはアップダウンがあるが、グリーンの手入れは良い。但し、距離が短い(BT6731y、RT6297yとあるが実態は短い)ので飛ばし屋には物足りないだろう。私の成績は42・42。
関東国際はBT6881y、RT6380y(南コースはもっと長いが閉鎖中)もある本格的コースで、プロ競技をも実施したことがある。ハウスの浴場は珍しい赤湯温泉である。ロッジは古いが内装をやり変えたので綺麗であった。追加料金なしで0.5Rさせてくれたので大満足。私は42・42・43と成績も満足であった。今回のツアーの最大の特長は低料金だったことである。1泊、2セルフプレー、4食付で何と17,000円、アコーディアの会員なら14,500円。少しビールを飲んで、交通費割勘を入れ総額20,000円強は同行者も喜んだ筈である。このツアーはアコーディアゴルフの『カジュアルフリープラン』による。

日本のゴルフ場の倒産は一山越え、大半が外資系2社に買い取られた。世界の巨大金融会社のゴールドマン・サックス(運営会社はアコーディアゴルフ)と同じくローンスター(パシフィックゴルフ)が94社ずつ運営している。今回は外資系ゴルフ場の特徴を論評したい。ここでは体験の多いアコーディアゴルフ中心に語ります。

最初に長所を言うと、@グリーンをはじめコースの手入れは良い。 Aピンの位置を示す旗の色が統一されているので分かりやすい。後ろが青、真ん中が白、前が赤となっている。B食堂・トイレ等内装をやり変えているので綺麗である。C掃除が行き届いている。D従業員教育がなされており、従業員から挨拶の声がかかる。Dグリーンの芝を何ミリにカットしたか、グリーンの速さが表示され、プロ気分にさせてくれる。E全国共通のポイント制で割引がある。F商品販売に力点が置かれ、売価は市場価格になっている。
次に改善を要する短所を述べます。@倶楽部会員のメリットが殆どなく、会員を無視した運営がなされている。高額の入会経費切捨ての件は別としても、3〜5万円強も年会費を徴収するのにプレー費はビジターと若干しか変わらない。平日なら1000円と変わらないのは酷すぎる。アコーディアの会員へのメリットはあるが、倶楽部の会員でなくてもなれるので、倶楽部会員のメリットとは言えない。この件はわざわざ支配人と面会し、「会員にメリットがある施策を考えて欲しい」と申し入れているのに何も変らない。支配人には発言権がないのであろう。A経営優先だから、低料金化で客を入れるので平日でも混雑している。休日ならハーフ3時間はざらである。B低料金化に伴い、パブリック化しており、ゴルフ倶楽部の雰囲気がなくなった。ゴルファーの服装は随分乱れたし、倶楽部として正す姿勢が見られない。C新しい経営陣になって日が浅いからか、組織体として機能していない。例をあげれば、料金の誤り。70歳以上者に対する税金免除を申請しているのになされていないことがあったし、インターネットの表示料金以上に取られたことが複数回ある。ロッジ宿泊の連絡がなされていない。スタート時間の指示が人によって異なる。

パシフィックゴルフも同様だと思う。福岡県の大博多カントリーには何度も行っているが、あの大混雑ぶりはパブリックそのものである。ビジターとして低料金は歓迎だがハーフ3時間は興冷めになる。

外資系ゴルフ場の会員は、基本的な不安感を抱いている。殆どの債務を切り捨て数十億円で買い取ったゴルフ場を低料金化で客を入れ、利益を出した暁には高値で売却して引き上げるのではないか、との大きな危惧があるからだ。金融会社は本来そういう会社だから、ライブドア・楽天・村上ファンドと本質的には同じではないかと心配するのである。
この会員が抱く心配の行く先は誰にも分からない。外資親企業の『まごころ』を祈るような気持ちで見守るしかなす手がないのである。


− 私の名前は渡若造 46話 −

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