応援したいプロゴルファー

2006.05.09
ゴルファーなら誰しも贔屓の応援したいプロゴルファーがいる筈だ。しかし、何故応援するようになったのか、その原因は頗る単純な理由が多い。
私は、しばしばゴルフ場やその近辺で有名人に出会った体験がある。
神奈川の大相模カントリーでは会員だった植木等さんと出会うのは当然として、森進一さんが昌子さんと結婚する以前に一緒になり、浴場まで同じだった。福岡ではANAのコンペで元西鉄ライオンズの稲尾和久さんや関口さんと何度も出会ったことがある。福岡の古賀ゴルフでは引退後の田淵幸一さんと並んで練習したことがあるし、王貞治さんと二人きりで浴槽に浸かった体験まである。金井清一プロには練習場で度々見かけている。

出張で常磐線の特急に乗ったら、日吉久美子プロに出会ったことがある。また、古賀ゴルフではしばしば高須愛子プロを練習場で見た。彼女を見ていると、ドライバーなら200ヤード先にある看板に左右10メートルの幅の中に打つし、バンカーならライが良ければ3メートル範囲内にすべて寄せる。プロは凄いなぁと感嘆したものだ。東海道新幹線では読売カントリーのワールドレディスの帰途途中の稲葉真須美プロの隣座席で京都まで行ったことがある。樋口久子プロには声をかけたことさえある。そんな出会いがあるだけで、いつもスポーツ新聞を見て、彼女達の成績を気にしたものである。

福島晃子プロは、私の息子と幼稚園が2年間同じクラスだったので注目して見ているが、飛ばし屋の割にはもう一つ成績が伸びない。以前、大迫たつ子がアイアンの打ち方を改善しない限り伸びないと解説していたのを思い出す。そう言えば、福島はショートアイアンを左に外すミスが多い。

現在、男女とも断トツの人気選手がいないのは寂しい限りだ。賞金王の片山晋吾と不動裕理はミスの少ないゴルフで、アイアンの切れがよい点や身体が大きくない点で共通している。地味で派手さがないところまで似ている。人気の点では物足りないが、アマチュアーゴルファーのお手本として見るなら大いに参考になる。

日本のゴルフ成長期には、尾崎将司と青木功の注目度は目を見張るものがあった。青木はオリエンタルマジックパットの異名をとるパッティングの名手で、10メートルくらいのパッティングなら簡単にカップインさせた。尾崎は飛ばすだけでなく、小技の上手さが光った。彼は派手な服装と謙虚さのないインタビューで反感を抱く人が大勢いたが、プロとしては破格の存在価値があった。トーナメント会場で直に見る尾崎は威風堂々として、緊張感と威圧感があった。弟の健夫、直道も人気があった。

こんなことがあった。福岡の芥屋ゴルフの近くの割烹旅館に行った時、乗り合わせたタクシーの運転手は「KBCオーガスタ(当時の名称)で尾崎3兄弟はこれから行く旅館でドンチャン騒ぎを起こし、旅館ではあんな品のないゴルファーは二度と来て欲しくないと言っている」と話すのである。私はファンでもあるし、日本の代表的なゴルファーがこれではまずいなぁと思っていた。当夜の宴席で、私達についた仲居さんに聞くと「とんでもない。3兄弟についた仲居は私ですが、3人とも朗らかで品が悪いなんてとんでもありません」と言うではないか。自分の好き嫌いの先入観で話を作り上げることがあるので、それ以来、私は複数の意見を聞かない限り、一人の話を鵜呑みしないようにしている。

テレビでトーナメント中継をよく見るが、テレビでは芝目はもちろん、グリーンの傾斜が分からないので、その難易度が分からない。またライをアップして放映することが少ないので、ミスショットの原因をテレビでは読み取れない。従って、スコアと服装とか振る舞いだけしか見ないことになってしまう。

最近の私は、服装とプレー終了後の挨拶の仕方に注目している。
男子では茶髪か否かくらいしか差がないし、終了後の挨拶も脱帽して丁寧に握手する選手が大半である。男子プロ協会の指導は喫煙を除いて行き届いている。女子に至っては問題が多い。私も人の子、美人でスタイルが良くて、可愛い子チャンがいいに決まっているが、これは天性に起因するところ大の問題である。今日の女子プロは、短い股下パンツに下着なしウエアの「へそ出し」が若手に流行している。これだけで私は嫌悪感を抱き、応援する気になれない。残念なのは女子プロ協会が放任しているので、有望若手選手やアマチュアー選手までへそ出しをしている。ウエアの外出しは殆どの選手がやっている。私の基準で合格なのは、台湾・韓国とベテラン選手の一部だけである。終了後の握手も先輩が脱帽しているのに、若手がサンバイザー着用のまま挨拶しているのを見るとガッカリし、そんな選手には応援したくない心境になっている。こう見ると、優勝回数だけでなく、練習の虫と呼ばれる不動裕理の偉大さが目立つ。

先日、世界卓球選手権試合がドイツで開催され、日本の女子は3位タイの結果に終わった。私は卓球をしているので、毎晩テレビ観戦した。準決勝は日本対香港だった。
試合が始まって唖然とした。日本チームは水玉入りのピンク色のシャツだが、裾がワイシャツの下部のような切込みがあり、パンツの上に垂らしている。これを見て即座に、『今日は日本の負け、こんなユニフォームを着用する日本に勝負根性が見えない』と思った。対する香港は、黄色のシャツをパンツの中に入れ、黒髪でキリリとした顔つきである。日本はエース金沢咲希が2連敗、福原愛も肝心なゲームで敗退した。

こんなことに価値観をおく私は時代遅れのオジンなのか?と思い巡らすが、私の周りでは圧倒的に同意見が多いし、結果と因果関係があると言い切る人さえいる。
     若い人はどう見ているのだろうか? 案外、心あるゴルファーなら若者であっても賛同して頂けるような気がする。


− 私の名前は渡若造 45話 −

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