検査入院しました・・・健康であればこそ<その5>

2006.03.13
沖縄から帰って数日後の夜中に胸が痛くて目が覚める事態が起こった。急性心筋梗塞で運ばれた前回にも同様の症状が起きていたので心配になり、前回お世話になった大学病院を受診した。胸部レントゲンと心電図は異常なしだが、医師は「病歴があるので、これだけで心配ないとは言えない。直ぐ入院検査を受けるよう勧めます。ニトログリセリンは常時携帯し、異変があれば検査前でも救急車で来ること」との指示に怖くなった。それからは卓球もゴルフもすべて取り止め静養したが、時間を持て余した。

入院は検査を含めて今回で4回目なので要領は分かっていたが、改めて検査の説明を受ける。<心臓カテーテル検査と言って腕の血管にカテーテルという細い管を入れ、心臓の様々な状態を診る検査です。ごく稀に、血腫・出血・塞栓症・腎機能悪化・心臓や血管の損傷が起こる可能性がある。死亡率は0.1%未満>との説明を受けても、該当すれば本人にとっては100%なので恐怖心が起きる。
3年ぶりに会う看護婦は大幅に入れ替わっていた。見覚えのあるA子さんと話す。「来たくないのにまた来てしまったよ」「今回は検査でしょう?悲観することないわよ!」

初日は採血・採尿とレントゲン撮影・心電図のみ。2日目車椅子で看護婦に連れられて手術室へ行くと検査担当医師が「手術室が綺麗になったでしょう。カテーテル検査は3年ぶりと空きましたねえ」と仰る。自分は3年しか経ってないのに検査か・・・と思っているのだが、頻繁に検査を受ける患者が多いらしい。管から造影剤を流して写真を撮る。部分麻酔をしているので痛くはない。いつものことだが、手術後に止血のために腕を縛る。これが5時間で最初の3時間は強く縛るので、痺れを通り越して痛いのである。今回も麻酔が切れた1時間後から猛烈な痛さ。若い女性研修医に緩めてくれと懇願するが聞き入れられない。拷問に近い3時間であった。

ベッドの右隣は心筋梗塞の手術後でトイレにも行けず、24時間看護婦に世話になっている患者で夜中も何度も看護婦を呼ぶ。左隣は動脈瘤の手術後で痛い!痛い!と何度も叫ぶ。私は、スポーツ禁止を言い渡されると人生お終い、異状が見つかると再入院で6ヶ月間棒に振るのか、と心配しながら持ち込んだカラオケ教室のテープを復習して聴いていた。夜は両サイドがうるさいし、睡眠薬を飲まないのに、何故か9時から熟睡できたのは不思議だった。

検査結果は最高の回答でした。<3年半前に埋め込んだステント(金属の細い管)は正常だし、他の部分も血液は順調に流れています。スポーツ可、運転可。夜中の痛みの原因は分からない。心臓の痙攣かな? 治療は従来どおりの薬を続けて下さい>と。

リハビリルームで世話になった理学療法士に挨拶に行くと、看護婦B子さんに会う。「看護婦さんはずいぶん入れ替わったねえ」「若い子はきついから辞めてゆくのよー」「あなただってまだ若いじゃない!」「私はもう年増よっ」「いや、まだまだ若いよ」「良かったようー。検査結果は運動よし、お酒よし、悪いのは度が過ぎるオンナ関係だけだってよ」「夜、度が過ぎないようにねッ」「俺、前立腺80%削ったから元気ないよ」「何言ってんのよ!まだまだ出来るでしょッ」
こんな身体では、私若いぞ(渡若造)の名前を渡老造(ワタリオイゾウ)に代えなければいけないと思っていたが、気持ちだけは若いから、渡若造でいいかと考えながら帰宅の途についたのでありました。

翌朝、早速ゴルフセンターに行くと、社長をはじめ数人から「暫く来なかったなぁ、入院しているのかと心配していたよ」と声をかけられた。3週間ぶりに打つ球は芯で捉えたいい当たりがした。
ゴルフは、腰を動かさず、ゆったり、軽く振るのが基本だと再確認しました。

なお、40話でお伝えした宝くじの抽選結果は600円の当選に過ぎなかった。
 これには理由がある。入院前に夜間、駐車場の私の車が追突事故に遭い、かなりの被害を蒙ったのです。『2度あることは3度ある』の格言がありますが、宝くじ抽選の前に3度目の当たりが入ってしまったのです。従って、宝くじは4度目になってしまったから大当たりしなかったのです。残念!

 2週間の静養と健康保険を使った検査料78,380円は高い買い物ではないと思いたい。多くの友人から『年齢相応に行動しなさい』と忠告を受けたので、今後は休み休み活動するつもりです。ご心配をかけました。


− 私の名前は渡若造 42話 −

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