おのれの実力を知れ

2006.02.15
宮里藍が沖縄オープンに、ミッシェル・ウィがソニーオープンに出場するとのニュースが大きく報道されたが、私はこれを聞いて「何を狂ったことを考えているのだ」「男子ツアーを舐めているのか」「これはお笑い者だ」と不愉快な気持ちになっていた。2人共、女子ツアーで成長著しく、好成績であっても男子と女子はレベルがまるで違うからです。男子プロのドライバーショットは280ヤード前後に対し、女子プロは230〜250ヤードに過ぎない。アイアンなら少なくとも2番手は違うだろう。かと言って、女子プロがアプローチやパッティングの小技が男子より優れているかといえば違う。これも男子プロの方が上手なのである。女子がウッドクラブを持つ場面でも男子はアイアンを握っている。どちらの難易度が高いかは、ゴルファーならすぐ分かるだろう。
案の定、予選の結果は宮里が最下位、ウィは117位と惨憺たる成績であった。彼女達が女子ツアーで圧勝し、女子ツアーでは敵なしになったのなら、男子ツアー出場を理解できる。現実はまだまだ、この域に達していない。
2人共、まだ子供である。コーチなり、マネジャーなり、協会幹部が適切なアドバイスをしてあげなければならない。話題作りのマスコミや商業主義をたくらんでいる者のおだてに乗ってはいけないのです。将来性ある逸材を大事に育てなければならないのです。

私達、ど素人の世界を考えてみましょう。70歳前後の老人が30〜40歳代で練習を積んでいる人達に勝てる訳がありません。ハンディを付けるなり、ティグランドを別々にしなければ勝負にならないのです。
毎年、私にもクラブ選手権出場の案内が来るが「出場する域に達しておりません」と書いて『不参加』の返事を出している。クラブ選手権は全員スクラッチ競技ですから、ハンディがないのです。
先日、卓球でも遊びのゲームで、対戦相手から「一緒に対外試合に出ませんか」とお誘いを受けたが、丁重に辞退しました。私の実力では対外試合に乗り込む程の域に達していないからです。ど素人の世界だから、楽しむ目的で出場する人もいるし、この考え方を否定はしません。しかし、プロは高い観戦料を取っているのである。出場することに意義があるとか、男子の中で楽しんで来ます・・・なんて言葉は通用しない。プロは厳しいのです。

我々アマチュアーのゴルフでもよく観察するがよい。林の中にぶち込んでしまった時、僅かな隙間を狙ってショットすれば、殆ど失敗し大叩きした体験を誰しも味わっている筈だ。1打ペナルティのつもりでフェアウエーに出せばよかったと幾度後悔し、反省したことか。観察していると、上級者程、確実にフェアウエーに出し、下手な人ほど隙間を狙って失敗しているのです。危険なチャレンジが許されるのはホール・マッチの時くらいでしょう。
ストローク競技では危険な賭けは取るべきではありません。

ミスショットした時は、『素直に謝り、1打のぺナルティ』を受け入れることです。
これ何かに似ていませんか?

つい先日も、どこかの国の政党の幹事長が「党として応援したのでなく、個人で応援した」とか、首相が「選挙支援と犯罪は関係ない」と強弁し、国民から猛烈な批判を浴びました。また、どこかのホテルの違法改築における社長会見で、「どうってことない改築だ」とシラを切り、後日泣いてみせる醜態ぶりはお粗末でした。最初から、人物を見抜けなかったとか、違法改築を謝罪します、と1打ペナルティの対応をしておけばよかったのです。
今回、私達は『自分の実力を知る』『過ちを犯せば素直に謝罪し、ワンペナルティを受け入れる』ことの重要さを学びました。


− 私の名前は渡若造 39話 −

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