宮里藍は不動を超えられない・・・女子プロのへそ出しはやめてくれ<その3>

2005.12.26

宮里藍は今年のプロゴルフ界で男女を問わず、最も力をつけたプロゴルファーである。ワールドレディスで北田瑠衣と組んで優勝した快挙の他、昨年に引き続き不動裕理と最後まで賞金女王を争ったのは強烈な印象として残っている。女子プロゴルフ界は宮里以外にも有望な若手が出て、女子プロ人気を作り出したのはファンにとっても喜ばしいことである。宮里藍は実力的には不動裕理に並び、女子プロゴルフ界を背負っているとマスコミは囃し立てている。果たしてそうだろうか?

私はこれには異論がある。確かに成長著しく、力量では不動裕理に並ぼうとしているが、宮里藍には不動がかもし出す女王としての風格がない。その要因は私が非難する『へそ出し』を繰り返しているからである。要するに宮里は品位に欠けるのである。プレー中だけでなく、お茶の間に流れるテレビコマーシャルで、これでもか、これでもかとへそを露出し、『へそ出し』を売り物にしている。何度でも言うが、ゴルフ界にはゴルフ界のしきたりがあり、品位が求められているのである。米国のジャック・二クラウス、アーノルド・パーマー、トム・ワトソン、豪州ではピーター・トムソン等の往年の名選手はゴルフを離れても、社会的地位はすこぶる高く尊敬されている。
残念なことに日本では、ここまでプロゴルファーのスティタスは高くない。しかし、そんな中でもかって下品なゴルファーの代表格のように言われた青木功は、「世界のアオキ」と呼ばれるようになって、言葉も丁寧になり、風格が出て来た。

「坊主憎けりゃ袈裟まで憎し」と言う言葉があるが、私は最近『へそ出し憎けりゃ藍まで憎し』と感じていたら、他でも同じように言っている人が増えつつある。「生意気になった」「彼女のインタビューは面白味に欠ける」「プロゴルファーでなくタレント」との声が聞かれ、その反動で不動裕理や横峯さくらの人気が上昇している。かって、尾崎将司が先輩ゴルファーから同じような非難を浴びたことがあるが、頂点に立とうとする者はこの試練を乗り越えなければならない宿命にある。

彼女はまだ20歳である。彼女本人よりも、父でありコーチである宮里優氏や女子プロ協会幹部がしっかり忠告なり指導をすべきなのである。そして、最も無責任で罪が大きいのはマスコミである。へそ出し写真を掲載し、コマーシャルで何回も流す。テレビ中継では、優勝争いをそっちのけにし、藍ちゃんばかり映している。先輩ゴルファーから冷たい目で見られるように持ってゆくマスコミが一番悪い。誰もが絶賛する華麗なスウィング、アイアンの切れ、パッティングの上手さ。大きく世界に羽ばたく逸材を放っておいてはいけないと私は心配する。

街の中で、電車の中で、へそや背中を出している若い女性に出くわすことがしばしばある。私の周りには「この光景に慣れているので、へそ出しに嫌悪感はない」とか「中高年女性や男性のへそ出しは困るが若い女性なら許される」と言う人がいるのも事実である。しかし、彼等とて決してあの姿が好ましいとは言わない。要するに私が抱く頂点に立つプロゴルファーとしての品格でなく、単なるアイドル、可愛い子ちゃんとしてしか見ていないのである。

「人は見かけによらない」のではなく、『人は見かけによる』のである。
頭を剃り上げ、ピアスをつけるプロ野球選手は多くのファンからひんしゅくを買っている。自社内だけならまだしも、如何なる場でもノーネクタイを通す億万長者が尊敬されているだろうか。葬儀会場に金髪・茶髪で列席すると非難の眼で見つめられるのと同じことである。
私はプロゴルファーであれ、野球選手であれ、サッカー選手であれ、実業家であれ、億単位の年俸を取っている者には品格が求められると思っている。その点で、イチローや松井秀喜選手は日本を代表するアスリートとして高く評価されているし、年齢は若くても一目置かれているのである。
マラソンの高橋尚子は国民栄誉賞を受けた。実績・笑顔・振る舞い・品格から若くても受賞した。彼女はビキニスタイルで走っていない。国民の多くは彼女の受賞を共に喜んだ。
       『世間の常識』とはこう言うものである。

私は宮里藍ちゃんを評価し、日本を代表する女子プロゴルファーに育って欲しいと思うが故に『あの下品なへそ出し』を非難するのである。
宮里藍はへそ出しをやめない限り、不動裕理を超えることはできない。


− 私の名前は渡若造 36話 −

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