専門家でも分かれる見解・・・ゴルフルールは難しい<その4>

2005.11.29

ゴルフを始めて30年、時々、ルールの解説書を読んでいるのに、ラウンド中にどうすればよいのか分からなくなり、ペナルティがつくのかどうか分からないことにしばしば出くわす。そして、私だけでなく同伴者も確信を持った見解を言えない。最近、体験したケースを勉強してみよう。

ケース@ 初心者の同伴者がグリーン上でボールをマークする際、ボールの前にボールマーカーを刺した。同伴者の一人は、グリーンの改善に当たるのでペナルティがつくと主張した。
私は、ボールの後ろにマークするのが好ましいが、直ちにペナルティではないと思った。どちらが正しいのだろうか。ルールには、マークの方法やボールマークの形状に厳密な規定はなく「拾い上げる球の位置は小さな硬貨その他類似のものを球の真後ろに置くべきである」と勧めている。

静岡・Fカントリーのキャディマスターは『球の前や横におくとペナルティがつく』と明確に仰る。私の通っている練習場のレッスンプロは『自動的にペナルティではない』と言う。東京・Tカントリーでルールに詳しい人と呼び出し聞いてみた。結論はレッスンプロと同じで、『浮き上がった芝を押さえる目的で置けばペナルティだが、そうでなければペナルティはつかない』との回答だった。

ケースA グリーン上でパッティングしたがカップにけられ、カップ横に止まった。彼はカッとなってパターの背面で打ちカップインした。これは許されるのだろうか。確か、木の根元にある球を右打ちでは打てないとき、左打ちでクラブの背面で打つ場面をテレビで見たことがあるが・・・

上記Fカントリーで聞くと『パターの形状による。キャッシュインパター(T字型)は許されるが、2ボールパターのように背面が丸いものや凹んだパターはペナルティがつく』と言う。
レッスンプロとTカントリーでは『許される』とここでも見解が分かれた。

ケースB 1クラブレングスまたは2クラブレングス以内にドロップする時、どんなクラブを使ってもよいのか? この際、雑誌でフェアでないから打つクラブで測定すべきとの主張を見た記憶があるが・・・

3者とも回答は同じで『どのクラブで測ってよい。但し、何回か計測する場合は同じクラブを使う』であった。

ケースC セルフプレーの時、グリーンの手前に同伴者は使わないクラブを置いたが、別の人がシャンクしてそのクラブに球を当ててしまった。置いた人にペナルティがつくのか、打った人にペナルティがつくのか?分からなかった。

3者とも『自分のクラブに当てたときにペナルティがつくのだから、他人のクラブに当てても、どちらにもペナルティはつかない』で一致していた。

この原稿を送る際、ケース@とAについて正解をはっきりさせたいと考え、私はk出版社にお伺いの手紙を出した。何故なら、『ゴルフルール早わかり集』の末尾に「内容に関する質問は日本プロゴルフトーナメント振興会に直接出さず、k出版社宛に手紙で出せ」と書いてあったからである。
返信が来たので期待して開封したら何と「お申し越の件は、当編集部はその任でなく、応じかねます」とあり、ガックリだった。日本女子プロゴルフ協会といい、k出版社といい、熱心なファンの声を無視するのは、私には解せないことである。同時に商売が下手だなぁ、と思う。

どうしても結論を書きたいので、権威ある人に聞こうと面識のあるkGA(関東ゴルフ連盟)の競技委員を務めておられるS・Оさんに問い合わせた。彼は関東地区で開催されるプロの競技や公式のアマチュア大会の競技委員として活躍しておられる人である。
ケース@では、『ライの改善と疑われる行為はすべきでないが、浮き上がった芝を押さえていない限りペナルティはつかない』との回答。ケースAでは、『どのクラブでも正しく打てばカップインは認められる』であった。

ゴルフルールは難解だ。私は分からない場面に出くわした際は、直後に専門家に確認して、1つ1つ憶えている。ゴルフのルールを勉強すると、ゴルフの奥行きが深まるだけでなく、ボケ防止にも役立つことは間違いない。4つのケース、勉強になりました。


− 私の名前は渡若造 34話 −

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