ゴルフと卓球とカラオケと

2005.09.28

私の趣味は3つ。一にゴルフ、二に卓球、三にカラオケ(歌)である。

ゴルフは30代に始めたが、ひどいスライスボールだった。河川敷のコースでは、左45度の川に向かって打つと見事にフエァウエー真ん中に戻ってくる有様に、仲間は驚いたり、からかったりしたものである。熱中しだしたのは45歳頃からで、狭いアパートに住んでいたので休日に居場所がなく、近くの練習場へ通い出してからである。

それから、お金も時間も情熱もゴルフに注ぎ込んだが、最高位は58歳時のハンディ10であった。3つのコースへ別個のカードを出して3つとも10であったから、10の実力が伴っていたのだろう。定年後は勤務時代とは比べものにならない程、練習しているのに腕前は落ちる一方である。老化が練習増を消してしまうのです。現在ハンディキャップ12〜13なので、腕前は中級と言っていいだろう。近頃は飛距離不足で救いようがない。テレビを見ていると女子プロは私より1番手小さいクラブで打っているし、男子プロに至っては3番手違う。50歳代に比べ、ドライバーショットで20ヤード飛ばず、嘆くばかりである。この先が思いやられる。

卓球は急性心筋梗塞発症半年後から始め2年半になる。腕前は中級だろう。50年以上前の中学2年時に、高校生から特訓を受けたその遺産がまだ残っている。当時の、田舎の中学の県大会では団体戦では優勝、個人では同僚に次いで2位だった。現在はスモールボールとラージボールの両方を欲張ってやっている。両者のルールは殆ど同じであるが、スモールボールは世界基準で、直径40ミリでスピードが出る。従って、上級者同士でもゲームでは、なかなかラリーが続かない。ラージボールは直径44ミリで柔らかくスピードが出ないので、比較的ラリーが続く。ラージとスモールではラケットの板もラバーも異なります。
ラージボールは動きの少ないシニア用に開発されたのだが、世界レベルの大会まであるそうである。
卓球は70歳を過ぎても元気で上手な人が大勢おられる。また、女性は長年プレーしているので、上手な人が多い。
私と上手なオバチャン達とはよい勝負なので、彼女達と楽しくゲームをやっております。

ゴルフは自分だけのスポーツなので、同伴者が上級者であれ初心者であれ、自分のペースを乱さなければ出来・不出来の差は小さい。卓球は相手が格下だとラリーが続かず面白くないので、自分より上級者を相手に選択するのがゴルフとの大きな相違点である。

しかし、ゴルフと卓球には共通点があることに気がついた。
それは、プレーを3つに分けて考えることが出来ることである。出だしと中間とフィニッシュの3つである。
ゴルフはティショット、アイアンショット、グリーン上(グリーン周りのアプローチとパッティング)の3つ。
卓球はサーブまたはレシーブ、ラリー、そしてスマッシュの3つである。

ゴルフも卓球も、まず出だしが良くないと勝負にならない。ドライバーが真ん中へ飛ばないとホール攻略は難しくなる。サーブを低く出し、相手に打ち込まれないようにしなければならない。レシーブはその逆で、相手のカットサーブを低く返球する必要がある。これを卓球用語では「突っつき」という。強豪相手の場合、最初のレシーブが上手く対応できず、簡単にスマッシュを浴びてしまう。最後のパッティングをパターの芯で打てなければ満足感に欠けるし、チャンスボールのスマッシュを失敗すると万事お終いである。

私のカラオケ歴は浅い。私は学校のテスト以外に歌ったことがないくらい歌うことを避けていた。営業にいた時、宴会に出席してもカラオケだけは逃げていた。退職後、老人いこいの家へ新聞を読みに立ち寄るようになり、管理人に勧められて入ったのがカラオケ教室だった。私は歌えなかったが、演歌を聞くのは若い頃から嫌いではなかった。教室では新曲の演歌中心に年間40曲を習う。先生は「新曲を覚えるのはボケ防止に役立つ」と仰るが、まさしくその通りである。演歌一つでも、よく歌詞を見ると知らない漢字(当て字が多い)や言葉が出てきて、ボケ防止以上に勉強になることがある。
私の歌唱力は初級だと自己評価している。元プロ歌手からこんなことを聞いたことがある。
歌を上手そうに聞かせるには、最初の出だしを感情込めて上手く入ること、中間は適当に歌って、最後をピシッと決めるのがコツだと・・・また、歌詞の頭は遅れ気味に入るが、最後の部分を遅れず伴奏に合わせて歌えとも・・・

カラオケもゴルフも卓球も同じではないか。考えてみれば、演説にしろ、挨拶にしろ、会議での報告であれ、レポート書であれ、すべてに共通している。『出だしと締めはビシッと決める』。中間は程々でよい。
最近、ときたま、カラオケボックスへ歌好きな友人と出入りするようになった。
遊び・楽しみだから気軽に適当に歌えばよいのだが、競争社会に長くいた習性から採点付きで歌うことがある。
私は、声量・ビブラートで高得点が出るが、音程・抑揚で高い点数をとれず、初級の欠点が如実に出てしまう。
体験から言えば、最低でも5回以上歌った曲でないと高得点を取れないのである。これは友人も同じで、覚えたての新曲は良い点数が出ず、何十年と歌っている持ち歌には高得点が出る。当たり前のことですね。
そして、コンピュータが採点するから、歌詞の頭を伴奏に遅れず合わせないと評価されない。個性的な歌い方は、「採点付き」では良くないのです。だから、売れっ子のプロ歌手でも100点は取れません。

ゴルフも卓球もカラオケも、「継続・反復」「情熱・研究心」が肝要である点で共通しています。これ、趣味であれ、スポーツであれ、学問であれ、仕事であれ、万事同じだと再認識しました。
『反復に勝る学習なし』『継続は力なり』『好きこそ物の上手なれ』『工夫は技量を補う』等、聞き慣れた言葉です。
ゴルフ上達の秘訣は、この皆が知っている言葉をどれだけ実行するかにかかっています。


− 私の名前は渡若造 31話 −

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