格安航空券利用の福岡ゴルフ旅行顛末記

2004.06.30

息子がセットしてくれたパソコンを利用するようになって間もなく1年になる。
パソコンの理論を知らない上に説明書がないのでトラブルに直面すると困るが、メールとインターネットを毎日利用しており、便利なものだと感心している。

 インターネットを利用してゴルフクラブを10本近く購入したが、それ以上に便利なのが格安パックツアーの購入である。数多くあるパックツアーの中から予算に見合ったものを選ぶ。前金での支払いだが、旅行代理店に足を運ぶ必要がない上、格安なのである。私は海外を含めて度々利用している。

 この度、知人に誘われ5年半赴任していたことがある福岡へゴルフ旅行に行くことになり、宿泊パックを探したら、羽田・福岡往復の航空券と1泊ホテル宿泊がついて、なんと21,800円であった。しかもホテルはニューオータニである。福岡においては最高級クラスのホテルである。航空券は安売りのS社利用であった。
 航空券は日航・全日空とも繁忙期で片道33,000円。2ヶ月前に『指定日5日間限定/月』のスーパー特割でも片道11,000円もする。高級ホテル1泊が丸々おまけの勘定になる。驚きだ。しかし、これは乗客を不信に陥れる。11,000円未満と繁忙期33,000円ではあまりにも格差があり過ぎる。航空業界の非常識さは一向に改まっていない。

 S社の羽田空港での受付カウンターは、日航と全日空が正面に大きく構えているので、一番端にひっそりあると思いきや、端には違いないがカウンターは広く設けられている。ANAのポイントカード機が置いてあるから、ANAと共通なのだろう。確か機体の整備をANAに委託しているとは聞いていたが、ポイントカードも同じなのか?新しい会社だから係員は若い人ばかりだった。
 搭乗手続きでゴルフバックを預けたら、『運送中に破損しても損害賠償を請求しない』と署名させるではないか。おかしいと思ったが、破損することはない筈だし文句を言っても始まらないので署名した。『ゴルフバック取り扱い注意』の赤い札を取り付けられた。これまで何度も搭乗し、バックを預けているがこんな経験はなかった。
案内の若い子に「S社は安売りなので損傷があっても賠償しないのか?」と尋ねたら「各社すべて同じ扱いです。我が社はトラブルにならないよう真面目に説明し、署名を戴いておりますが、丁寧に扱いますから。」との答え。エライ!

 福岡空港には友人が出迎えに来てくれ、その日私は海の見える志賀島国民休暇村に宿泊した。長崎・佐世保の小学生の団体と一緒だったが、小学生は珍しく礼儀正しく気持ちよかった。
 翌日は九州随一の名門『古賀ゴルフクラブ』でプレーした。3年振りである。開場以来の84歳のメンバーと同伴したが、お元気そのものでショットは安定しており、スコアも100を少し超えた程度は立派。このコースは日本オープンでも狭いフェアウェイと小さなグリーンで優勝は1アンダーだったと記憶している。我々はレギュラーティから打つが、5,889ヤードと短いのにコースレートは69.9もある。これが本当のあるべきゴルフ場だと思った。私の成績は45/41だった。支払いは、高姿勢の古賀もメンバー優待券を利用して14,400円(キャディ付き)と安くなっていた。因みにメンバーの年会費は7万円だそうな。ウーン!当日は経営を心配するくらい空いていた。スタートはすべてアウトからでインからはしない。夜は玄界灘の刺身をふんだんに食べ、馴染みのママを訪れ3次会では歌を歌った。

 3日目は日本ゴルフ振興(会社更生法適用)グループの大博多カントリークラブ。
このクラブの代表選手はアマ界でも強く、常に上位にいる強豪である。古賀ゴルフと違い、薄利多売の典型でパブリックの雰囲気が漂う。フロント、練習グリーン、食堂などゴルファーがごった返していた。しかし、以前に比べグリーンはよく整備され良かった。私の成績は44/40である。セルフだが昼食付きで8,500円と安い。

 終わって直行した福岡空港では、生ビールを大ジョッキで飲んだ。美味しかった。ここではS社のカウンターは羽田を上回る広さであり、3大航空会社になっている。
機内で「安いから新聞はないのですね」と尋ねると「読売ならあります」と持って来た。お菓子も出るし、なんら大手と変わらない。乗務員はビックリするほどの若い男性もいた。
 一度トイレに立ち、着陸前にもう一度・・と思っていると「高度を下げたのでシートベルトを固定せよ。トイレは使用禁止」のアナウンスとなった。まだ着陸35分前なのに。
 10分くらい我慢したが我慢できなくなったので、やむをえず、トイレに向かったが乗務員はマニュアル通りに頑としてトイレ入室を許さない。無視して入り着陸後に連行されるか、膀胱炎になるか、それとも漏らしてしまうかのいずれかである。
 私は席で腰を浮かせたり、足を突っ張り、下腹に負担をかけないようにしたが、本当に苦しかった。油汗が滲み出る。飛行機は全く揺れることなく安定飛行だった。
 何故、35分も前から禁止するのだ。理由はともかく、突然でなく事前にアナウンスすべきではないか・・とここでもお客様無視の航空業界に腹が立った。
 着陸し、滑走路を徐行の段階になってトイレに走ったが、我慢のし過ぎで出ないのである。完全な病体である。羽田に着いてから3回もトイレに寄り、チョロチョロと文字通り少しだけ排尿した。チョロはゴルフもオシッコも良くないのだ。

 今回の旅行は楽しかったが、とんだ目に遭い『トイレは着陸40分前までに終える』との最大の教訓を学んだ。
 宿泊パックは格安だったが、夜の浪費があり総額7万円のゴルフツアーでした。


− 私の名前は渡若造 3話 −

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