当てにならない平均スコア

2005.03.16

アマチュアーゴルファーの殆どの人が、自分のゴルフのスコアを手帳に記録し、平均スコアが上がった、下がったと一喜一憂していると思われる。回数の多い人はパソコンにインプットし、スコアを計算している者までいる。
中にはゴルフを始めて以来の、全スコアカードを保存している人までいる。
私もご多分に漏れず、年間毎にデータを算出し、良いスコアが出た時にはいくら平均スコアが下がったか計算結果を楽しみにすることがしばしばある。しかし、これは余り意味のないことだと思っている。
PAR72のコースであっても、距離の長さ、バンカーの数、グリーンの大きさや傾斜度、砲台グリーン、芝の状態、ノータッチプレーかどうかなどによって大幅に難易度は異なるからである。
また、自分に適したコースであるか、苦手にしているコースかによってもかなりの差が出る。
もう一つは天候である。雨や風であれば、気候温暖の無風状態でプレーするのとは比較にならない困難度が増す。
私の場合はコースの長さが大きく左右する。バックティかフロントティかで、かなり差が出る場合が多い。

殆どのゴルフ場では「コースレート」が表示されているが、これはハンディ0の人がラウンドした平均値であるので、アベレージゴルファーにとっては参考にはなるが、自分にとってのコース難易度を示すものではない。
「スロープ・レート」というのがあるが、これは世界共通のマニュアルによってコースを細かく査定した数値だそうである。このスロープ・レートを表示しているゴルフ場にお目にかかったことはないが、コースレートよりスロープ・レートを表示すべきだろう。よく平均スコアの比較を仲間とするが、条件が異なるので意味のないことではないか。
私の経験から言えば、コースレートの差を足すだけでは駄目である。
ハンディ0の人はコースレートの差を加味すればよいが、アベレージゴルファーはコースレートの差の2倍〜3倍を加算する必要がある。

身近なところで考えてみよう。
加賀屋ゴルフの社長は『独りごと』で昨年の平均スコアは84.5と報告されている。これに対して私の昨年の実績は86.1である。社長は年間130〜140ラウンドを殆どバックティから打っている。私は年間50ラウンドだが、大半はフロントティでバックティは数える程度しかやっていない。また社長は雨の日も風の日も予定とおり決行しているが、私は悪天候の日のプレーは殆どない。従って、一緒にプレーすればハンディキャップの差以上の差がスコアに出る。これはスロープ・レートが加味されていないからである。

ついに3月13日、待望の顔合せが実現した。メンバーは芝先案内人さん・BUNちゃん・加賀屋ゴルフ社長と私である。芝先案内人さんとBUNちゃんとは初対面である。場所は江戸崎カントリークラブ。
当日は半年ぶりに5時に起きて江戸崎まで走った。ほぼ1年ぶりに見る日曜日のゴルフ場はゴルファーでごった返していた。2時間以上前に到着したので、朝食をとり、新聞を読み、練習場でボールを打って彼等の到着を待った。
私と20〜30歳も若いが、年齢差を感じさせない、お二人ともしっかりしていて落ち着きがあった。社長は従来からハンディ7だし、BUNちゃんは熱意が実りこの度改訂されたJGAハンディが8になったとのことだった。芝先さんと私はシングルハンディに遠く及ばない。
このメンバーだから当然フルバックティである。初めての江戸崎、フルバックティは6901ヤード、コースレートは71.7。私は目標を90にした。が、とにかく距離があるのでパーオンは2つだけで、バーディ1つにパー2つ、第3打のミスでダボの連発。95叩いて、予想通り今年のワースト記録を更新した。長いのでどうしても飛ばそうと力み、リズムを崩してしまった。他の3人も原因は分からないが、実力からしてミスショットが多かった。

翌日は、社長とセントラルゴルフのNEWコースへ行った。このコースは苦手でいつも風が吹いており難しい。
社長が一緒なので初めてのフルバックティに挑戦した。後半シャンクが3回も出て、池ポチャ4回、ボール紛失5個と無残な結果でワースト記録をまた更新する98であった。6817ヤードでコースレートの72.0は素人老人にとってはきつ過ぎる。友人は「老人にはその距離は無理でその成績は当然だ」と言う。
つまらないミスが多かったので5打近く減らすことは出来たと思うが、目標90は厳しい。
残念だがこれが実力である。私のライバル仲間も無残にも大幅に100を超えていた。
要するにスロープ・レートを勘案しないハンディキャップや平均スコアは意味がないと言うことである。
この2日間で『意味のない平均スコア』は1.7悪くなり、86・9になってしまった。
だから、平均スコアで一喜一憂するのはやめよう。


− 私の名前は渡若造 19話 −

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