実るほど頭を垂れる稲穂かな

2005.05.25

私はゴルフ場へは、以前から仲間と一緒に行くより、一人で行くことの方が多い。
その理由は、知らない人とプレーして、若干の緊張感と知り合いが増える楽しみのためである。
一人で行っていると、「我々の仲間に入らないか」としばしばお誘いを受けるが辞退している。特定のグループに入ると回数が多くなり過ぎることの他、天候が悪い時でも断われないからである。自由気ままに、天気を見て出かける喜びを満喫したいのである。
一人で見知らぬ人とプレーしていると、いろんな人が居るものだと感心したり、反面教師として自分はああいう振る舞いだけはしないと気を引き締める場面にも出会う。
一般例として歓迎しないのは、シングルハンディ3人組とレディス3人組の中に入れられることである。
理由は、ビビッテしまうとかプレーが遅いとかではない。共通しているのは、両方とも自分達だけの世界にはまり一人で参加している者を輪の中に入れないからなのです。プレー中はもちろん、食事の時の会話も私を疎外し、輪に入れようとしない共通の欠点があります。これでは何のためのゴルフ倶楽部か分からない。ゴルフを通じて見知らぬ会員同士が親しく交流する本来の目的に外れてしまいます。
 お願いしたいのはシングルハンディ保有者、特にクラブの代表選手やそれを目指す研修会のメンバーは単にゴルフが上手い、スコアが優れているだけでなく、人間的にも魅力ある人であって欲しいのです。少なくともゴルフ場では年齢に関係なく、ハイハンディ者からみれば『羨望のゴルファー』であって欲しいのです。彼等に共通する欠点はスタート時点での挨拶が横着なことである。帽子を取って、名前を名乗って、にこやかに挨拶すればよいだけなのです。ましてや年長者に対しては丁寧であるべきだ。会話の中に一人で来た人をも入れる配慮が欲しい。
この点で婦人方は大きく見劣りする。但し一般的な事例を述べているのであり、例外的にそうでない人もおられるので、配慮を心がけておられる方はお許し願いたい。

沖縄でトップアマとして名をはせたN・Sさんと初めてお会いしプレーしたことがある。場所は大京カントリ―クラブであった。確かNさんは当時46歳であった。彼はプロが大挙押し寄せる前の大京オープンの優勝者であり、アマのコースレコード保有者として名を残している有名な方である。縁あって同伴プレーしたことがあるが、アンダーで回るその腕前もさる事ながら、物腰低く丁寧な言葉使いに感服した。彼のハンディはプラス2だったと記憶するがトップアマはこうでなくちゃいけない。代表選手が品格を疑われるようでは、その倶楽部の会員も肩身が狭い。あるゴルフクラブでクラブチャンピオンは若い人だったが、マナーの良さ、人柄の良さを会員やキャディは異口同音で称賛していた。そのクラブの会員は大きな誇りを持った。私も彼の姿を見て、尊敬の念を抱きながら見つめたものである。
ゴルフの上級者はプレーだけでなく人間的にも立派であって欲しい。せめて『ゴルフ場では紳士』であって欲しい。                       
一方、ゴルフが下手な我々は、せめてマナーや態度を非難されることがないよう心がけたいと思っている。


− 私の名前は渡若造 18話 −

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