(特別版)第7４回　『幸せの独り占めはありません』

私の名前は渡若造

渡若造、遂に「喜寿」77歳になりました。
60歳の定年退職時に、＜75歳までゴルフが出来るだろうか＞と考えていました。高額の入会金を支払う際に、見込みラウンド回数で割り算して1回あたりの金額を計算したものです。予想した程の回数をプレーしていませんが、数年先までプレー可能な健康状態でいるのは誠に喜ばしい限りです。
「私の名前は渡若造」のゴルフエッセイを第51回(平成18年8月8日)で完結した際は＜もうこれで続編を書くことはない＞と思い、本当に＜読者の皆様とはお別れ＞と思っておりました。

私は年末からスコアの悪さをボヤキながらラウンドを重ねているので、今年は50Ｒ程度に増えると思われます。ゴルフ以外に卓球を大会出場10回を含む120回程度しているので、平日はほぼ毎日ゴルフボールか卓球ボールを打っております。他には惚け防止に新曲ばかりカラオケで歌っています。しかし、さすがの私も、数年前から午前はゴルフ練習場、午後は体育館で卓球の生活をやめました。過度の運動からくる腰痛を用心しているからです。

私のゴルフは2回目の老化現象(1回目は68歳時)で飛ばない・寄らない・入らないの『３無い』に陥りました。冬季とは言え１Ｗで180ヤードしか飛ばない、感覚の鈍さでグリーン周りで距離感が出ない、ショートパットを強く打てないの繰り返しです。元来飛ばせるゴルファーではなかったが、50歳代に比べ約２０％飛距離が落ちました。従ってパー・オンが極端に減り、アプローチが下手でカップに寄っていないのでパッティング数が増えています。

話題は変わりますが熊本大地震。未だに多くの方が車中泊をし、多くの家屋が倒壊・破損しました。
それは4月14日の出来事でした。私は丁度1週間前の7日に阿蘇に居たのです。20年前の福岡勤務時代に親しくなった九州各地の友人8人と阿蘇で再会していました。
＜お互いにいつまで元気でおれるか分からないので、ゴルフが出来る間に逢っておこう＞と呼びかけ阿蘇に集合していました。崩壊した阿蘇大橋を渡っていました。
翌日の南阿蘇ＣＣでのゴルフは台風並みの荒天で取り止め、濃霧の中を友人の車で福岡へ戻りました。宿泊したホテルは大地震でも無事でしたが、道路が寸断されたので1週間後であれば身動き出来なかったでしょう。南阿蘇は土砂崩れで学生寮が崩壊し死者が出たところです。
また数年前、9人の死者が出た中央道の笹子トンネルの天井の落下事故があり、裁判が始まっています。
私はあの時も1週間前に現場を通過していました。長野県飯田市と山梨県甲府市への弔い外交の帰りでした。仕事で35年前に親しくなった取引先店主の奥様が亡くなったので、線香を上げに伺った帰りでした。
人生には努力だけでは解決できない運(ツキ)があります。私は無宗教ですが、清く正しい生き方をしておれば＜神様は見守ってくれる＞と信じています。

新緑の季節となり、ゴルフ場は芝が生え緑の絨毯まであと一歩の状態になりました。冬季に比べ飛距離が伸び、非力な高齢者でもアイアンショットを打ち易くなりました。
冬季100近いスコアだったのが90近辺まで良くなりました。先日のムーンレイクＧＣ茂原コースでのネット同好会コンペでは、飛ばない私でもＲＴ４０６yのミドルホールを１Ｗと４Ｗで２オン２パットのparが取れる快感を味わいました。
先月の卓球大会では、いつもは75歳以上の部に出ているのですがシニア卓球としては若い66歳の夫婦のチームに入ったので、普段とは違う若い層と対戦しました。中には45年前の日本チャンピオンや大学で鳴らした有名な選手と同じグループでした。シニア卓球は5歳刻みで年齢別に戦います。若い年齢に出ることは許されますが、上の年齢にエントリーはできません。男子ダブルスと団体戦で延べ12試合戦いましたが、誰が見ても優位と思われる相手を3組も破る番狂わせが起り、私にとっては満足感に浸る大会でした。

私の周辺ではゴルフをする人が少なくなっています。続けている人でもスコアは殆どの人が100を超えています。
ご本人が認知症、奥様が重症で介護のため外出できない、或いはご主人の世話で出て来れない女性等が卓球仲間だけで10人を超えているのです。
家内共々健康で、毎日動き回っている自分の幸せを感じずにはおれません。＜これ以上、ゴルフのスコアを求めるのは欲が深過ぎる、幸せを独り占めしてはいけない＞と思う現在の心境です。

私の持ち歌の１つにこんな演歌があります・・・『人生一勝二敗』

若い時には　　　　只がむしゃらに
勝ちを見つめて　　生きてきた
振向きゃあの人　　旅の空
生きてここまで　　来れたのは
俺の小さな　　　　勝ち星だ
そうさ人生　　　　一勝二敗で丁度いい

(作詞　志賀大介　作曲　岡千秋　歌　三門忠司)