2008年08月01日

会員権価格の高低を決する要因とは?

 先々週末、関東地方が梅雨明け宣言したと思ったら、茹だるような暑さが都心を覆うようになりました。
 ビルの合い間を歩いていると熱風があちこちからやって来て、気分が悪くなり、ついには吐き気を感じる時もあります。
 ゴルフ場は照り返しで更に温度は上がっていると言われていますが、都心を歩いているよりゴルフ場にいるほうがずっと楽に感じるのは私だけでしょうかねぇ。

 ところでゴルフ会員権って価格がマチマチですよね。1000万円以上の価格のものもあれば、10万円以下の会員権というのもゴロゴロしていますよね。この違いって一体何処から来るんでしょうか?
 そこで今週は、会員権価格の高低を決する要因とは何か?について書いてみようと思います。

 最近私は、7月4日号及び7月18日号(袖ヶ浦が抜けていました、ごめんなさい、訂正済み)の独りごとで1000万円超のコースは14コースしかなく、では、会員権相場500万円超のコースを含めても関東で34コースしかないと書きました。
 再度、ここでそのコース名を列挙すると、小金井・桜ヶ丘・東京よみうり・よみうり・磯子・相模原・戸塚・箱根・本厚木・レイクウッド・武蔵・我孫子・鷹之台・大利根、多摩・府中・厚木国際・平塚富士見・横浜・狭山・飯能・日高・袖ヶ浦・キングフィールズ・千葉カン・中山・藤ヶ谷・茨城・大洗・筑波・龍ヶ崎・小山・葛城・富嶽の34コースです。

 この34コース中、昭和45年開場のレイクウッドと昭和51年開場の葛城、昭和60年開場のキングフィールズ、昭和61年開場の富嶽以外はいずれも昭和40年以前の開場で、開場後40年以上を経ている歴史のあるコースであります。
 歴史があるから全てが名門コースとは云えませんが、やはり歴史と言うものは名門を作り上げる重要な要素であると云えるでしょう。
 そして、歴史のあるゴルフ場は、競技会の数が圧倒的に多いのでメンバーさん同士の交流が多く生まれ、より親密化し易いことから、クラブライフはより充実しますので会員権価格も高くなってくると思われます。

 また、桜ヶ丘・東京よみうり・よみうり・磯子・戸塚・レイクウッド・多摩・厚木国際・平塚富士見・横浜・キングフィールズ・葛城・富嶽は預託金制ゴルフ会員権ですが、それ以外は株主制(社団法人制を含む)ゴルフ会員権です。
 例えば、これは実質あり得ないことですが、日本のプライスリーダーである小金井がもし解散したとしたならば、あの小平市の約15万坪の土地の約99パーセントが自社所有地ですから、その資産を売却して株主(メンバー)で配分すれば、相当の金額となります。ちなみに小金井の総発行株数は543株であります。
 が、同じ株主会員制のゴルフ場でも、例えば赤羽は北区にありますが河川敷コースで全て借地である為、土地と言う大きな財産がないわけですから解散しても相当の配当はありません。上記の34コースでも大洗も赤羽と同様ですし、箱根も自社所有地は35%となっています。
 このように、株主会員制の全てのコースでこの小金井のような計算方式は当てはまりません。また、自社地100パーセントを持つ株主会員制ゴルフ場であっても、ゴルフ場毎にそれぞれ違いがありますので、全ての株主会員制ゴルフ場で小金井の計算方式を当てはめることは困難であります。
 が、少なくとも株主会員制ゴルフ場のメンバーになれば各メンバーには必ず決算報告書が送られてきます。更には、株主総会に出席して、株主としてそのゴルフ場に意見を申し上げることは出来ます。
 また、預託金制のゴルフ場でも上記に上げたゴルフ場には、桜ヶ丘には京王電鉄、東京よみうりやよみうりには読売グループといった日本でも名立たる企業がついていますし、自社地70%台のレイクウッド・平塚富士見・横浜・キングフィールズを除けば、あとのコースのほとんどが100パーセント自社所有地もしくはほとんどが自社所有地となっているコースばかりです。
 会員権価格形成においては、株主会員制ゴルフ場と母体会社の信頼性が大変高いコースであることが大変重要な意味を持つ事が解ります。
 私の入会しているコースで言うと、江戸崎は株主会員制ゴルフ場ではないし、また、高額コースでもありませんが、毎年決算報告書が送られてきて、年に一度は会員総会も行われているコースです。
 このように、決して相場が高額となっていない預託金制ゴルフ場でも、江戸崎のような形態を取っているコースは決して多くはありませんが、少なからずあるようです。

 また、土地の価格もそうですが、都心に近いコースの会員権の方がより高額になります。
 日本橋(日本の道路の拠点)から半径50キロ以内のコースが高額になる要素が高いと云えるでしょう。また、日本橋から50キロ以内は東京への通勤エリアでもあり、電車の便が良いということもあり人気が出やすいのも要因でありましょう。
 そこに、更にインター(クラブバス発進地)から近いという利便性が加われば、より点数を稼げるはずです。また、人口密集エリアから近いかどうかという事も重要なファクターとなるでしょうし、道路が混む・混まないも大事です。

 上記の歴史・経営の信頼性・場所の3点が、当該会員権価格の高い・安いを決定づける最も重要な要因となります。

 また、コースレイアウトによっても会員権価格は大きく異なります。日本のゴルフ場は、林間コース・丘陵コース・山岳コース・河川敷コースと大きく分けて4種類に分類されますが、上記34コース中半数以上が林間コースであることを見ても分るように林間コースの会員権価格は高い傾向にあります。
 ただ、コースガイドを見ていて私が思うことは、林間コースか丘陵コースか、また丘陵コースと山岳コースかの判断基準は人それぞれに違いがあり、思わず疑問符をつけてしまう事もありますので、コースガイドを鵜呑みにしてコースを判断するのは感心しません。
 また、一般的には、アップダウンが少ないコースの方が多いコースに比べて会員権価格は高くなっている傾向にあります。
 従来、トーナメントコースの場合は知名度が上がり、人気が出やすいことから会員権価格がこれまでは高めな傾向にありましたが、最近はトーナメントコースだから相場は高くなるという神話は崩れがちであります。

 また、メンバー数の多い少ないによっても会員権価格は大きく変わって参ります。メンバー数が多いコースは必然的に市場に多く売り物が出てくるので、少ないコースに比べて価格は上昇しづらい傾向となります。
 但し、今回の主旨からは外れますが、クラブライフを考えるのであれば、メンバー数が少なすぎるコースはメンバーさん同士の交流も少なくなり、どうしてもパブリック的な運営になりやすいので、適度のメンバー数があった方が私は宜しいように思います。

 また、メンバーさんの質と言うのも重要な要素の一つとなるでしょう。当然のことながら、高額コースのメンバー層は富裕層が多くなり、そこに入会されようとする方々も必然的に富裕層の方々が多くなるはずです。また、入会条件が厳しい高額コースに入会していることで、自ずとステータスが上がる事から、ご入会を考えられる方もおられます。

 また、メンバー中心の運営がキチンとなされているかによっても会員権価格は大きく変動して参ります。最近、メンバーが同伴しなくもプレー予約が取れるコースが多くなっていますが、平日ですらメンバーが同伴しなければプレー出来ないコースなどはどうしても会員権価格は高額になります。

 また、会員権相場に対して適正な名義書換料であるかも重要なファクターであります。名変預託金は退会時に戻ってきますが、名変料は払いっぱなしで戻って来ない料金であります。その為、現在のような相場展開になって来ますと、名変料が適正かどうかでも会員権価格は大きく変動します。

 以上が、現在の会員権価格を決定付けている要因であろうと思われます。
 ただ、上記で述べていませんが、今後これからの会員権相場を占う上で重要になって来る、と私が考える要因があります。それは何か?をここで述べてみます。
 
 ゴルフ場の場合、年月が経つほど木も大きくなり風格が漂って参りますが、ことクラブハウスに関してはマンション等と同じように新しいほうが気持ちが良いに決まっていますし、また、ゴージャスな方が良いと思う人は多いのではないでしょうか。
 ゴルフをしに行くのだから、クラブハウスなどはそう問題ではないという考えの男性プレーヤーの方は確かにおられます。しかしながら、女性プレーヤーの場合はどうでしょうか。女性プレーヤーはハウスがオンボロ的だとそれだけで敬遠される方も多いのではないでしょうか。
 今の世の中、何処の世界を見回しても女性に受けないモノは流行りませんし、ゴルフ場においても、今や、女性プレーヤーなくしては経営がおぼつかない状態となり得るゴルフ場は多いのではないでしょうか?
 各申す私も、どうせなら、クラブハウスが新しく施設が良いところでゴルフをしたいと思っています。ましてや地震国日本、もしかしたら耐震強度に問題があるクラブハウスがないとも限りません。
 上記の34コースでも、小金井や戸塚、武蔵、狭山、袖ヶ浦、藤ケ谷、龍ヶ崎などは、すでに新しいクラブハウスに建替えられています。これから建替えをしなければならないであろうコース(負担金があるかもしれない)と既に建替えが終わったコースとでは、会員権価格に違いが鮮明に出てもおかしくないと私は思うのですが、現時点ではあまり大きな差異が見当たりません。
 このようなことを考慮した場合、あれっ、数年前にメンバーさんが建替えの費用を拠出し建替えられたコースなのに、現在の相場はこの事を考慮していないんではないかい?とおもわず思ってしまうコースがいくつか出てくるのですが、、、、、。
 この点について、皆さんは如何お思いですか?
 同様に、元々ハウスが立派なコースについてもこの事は云えると思うのですが、今のところ、目立った評価の違いは出ていません。私は考慮されて然るべきと思うのですがねぇ。
 無論、それ故、経費が掛かり過ぎて経営を圧迫するようなコースやどんなに優れた立派なハウスを持っていても、経営者サイドがメンバーに目を向けないHのようなコースは別ですよ!

 また、ゴルフ場の評価をする際、メンテナンスに関する部門がすごく大事になると思いますが、現在の会員権相場を見回した時、メンテナンスに関する評価が盛り込まれているとは思えません。
 メンテナンスと云えば、特にグリーンはゴルフ場にとって命であります。ハイクオリティーなグリーンでパットが出来る事がゴルフの最大の醍醐味であり、ゴルフでの最高の見せ場であります。
 そのグリーンをはじめとするメンテナンス部門の評価が会員権相場にあまり反映されていないのが、私には残念でなりません。
 ただ、芝は生き物の為、常に高品質を保つのは難しく、評価をするのが難しいから反映され難いのだと思いますが・・・。
 
 以上、今週は“会員権価格の高低を決する要因とは何か?”についてと、これからの会員権相場を考える上で、考慮されて然るべきと私が感ずる要因について触れさせて頂きました。