(特別版)第71話『上には上がいるものだ』

私の名前は渡若造


花屋のオッチャンから「スーパーシニア老人」とおだてられ、自分でもその気になっていました。ゴルフの世界でも卓球の世界でもカラオケであっても年齢の割には私は若造?の振る舞いが出来たからです。80歳までスーパーシニア老人を目指すぞ!の意気込みを抱いておりました。ところが気持ちは若くても身体は老人です。
卓球のやり過ぎで、右腕で車のハンドルを握れない程の激痛を味わい、そのためゴルフラウンドは2か月間、卓球は1か月半休む羽目に陥りました。仕方なくエントリーしていた卓球の大会を2つ棄権し、ネットのゴルフ同好会コンペも取り止めました。身体は駄目でも頭と口は達者ですから時間を持て余し、昼間はカラオケボックスに通い新曲演歌の練習をして過ごしました。

2か月ぶりのゴルフ遠征が迫ってきたため、先日多摩CCに久しぶりに行くと前キャディマスターから「渡さん、卓球ばかりやっておらずゴルフに精を出して下さいよ」とハッパをかけられた。当日の同伴者を聞いてびっくり。何と92歳と88歳の男性なのです。お二人はレディスティ(赤マークティ)から打って100ヤード飛べばよい方です。
2人は月に2回来ているそうでした。92歳の方は娘さん(と言っても初老でしょう)の送り迎え、88歳の方は目黒から電車とクラブバスで来ています。数年前まで自家用車で来ていたが息子さんに運転を止めさせられたと言っていました。歳を取ると周囲に注意がいかず、グリーンでは他人にお構いなくドンドン勝手にパッティングしていました。
スコアは幾つか知らないが、この年齢でゴルフ場に月2回も来れるとは何と素晴らしいことでしょうか。多くの男性はあの世に逝っているか、他人のお世話で生きているか、どちらかでしょう。当然私もそうなっています。
縁あって私の同伴者は51歳と若いが家庭の事情で退職し、昼間はゴルフクリニックに通い、大学入学の準備中と意欲満々でした。この3人の元気さ、前向きな生き方に感心し、負けておれないぞ!と思ったのは言うまでもありません。

本当に人の出逢いは奇なものです。加賀屋ホームページを見て、渡若造ファンと言う方と今年出逢いました。彼から名門の鶴舞CCの東西コースを踏破しようとのお誘いを受けたのですぐ快諾しました。その日がやって来たので2年ぶりに鶴舞を訪れました。もう一人の同伴者は彼が加賀屋所縁の会で知り合ったという0さんです。世にも珍しい加賀屋ゴルフの面倒見のいい○○会は新しい輪を形成しているのです。時間があって、資金があって、ゴルフ好きの人達が集まってゴルフ旅行を頻繁にしているとは何と恵まれた環境の集団かと羨ましく思いました。世間にはいろんなグループがあるものです。
一日目の夜は茂原に泊まり、私が知っている料理屋に行きましたが、Oさんは「こんな好い飲み屋があるなんて一人でもまた来たい」と大変喜んでくれました。
席上、加賀屋ゴルフが話題になったことは言うまでもありません。「加賀屋のM社長は数多い会員権業者の中で文句なしにゴルフラウンド数が多い。力量も回数もさることながらあの強靭な体力はたまげたものだ。ゴルフを終えれば必ず会社に帰るのは東京では珍しいだろう。」「あれはゴルフと仕事が一体になっていることとオーナー社長だからできることだ」「あの人脈の広さは凄いね」「データはないが、恐らくお客様の紹介による取引ウエイトがずば抜けて多い筈だ」「加賀屋のホームページの魅力はお客さんと一体になっていることだ」「お客さんがあれだけ原稿を出すのは稀有だ」「これを加賀屋ファミリーと呼ぶのだろう」「入会後に面倒を見るやり方は他にないから可能な限り続ければいい」「加賀屋のお客さんは若くてゴルフのレベルが高い」「ゴルフがヘボな普通の人にも書いて貰いたいね」等々でした。
料理屋の後は馴染みのカラオケ店で歌った。私は例によって新曲の演歌、お二人はグループサウンズ華やかな頃の曲でした。私は沢山飲み食いできなかったが、若くて頑強なKさんは随分飲みましたなあ。ゴルフ場で、料理屋で、カラオケ店で、その上コンビニでビールを買って帰りました。若いって羨ましい。

さて肝心のゴルフですが、井上誠一設計の鶴舞には予想通り歯が立ちませんでした。2日間とも好天に恵まれたのに、長い距離・グリーン前のトリッキーな樹木・傾斜のあるグリーン・バンカーの多さ等完全に負けました。私のパワーではRTでも飛距離不足で、1打ミスをするとダブルボギーになってしまいました。自分としては悪くない内容のプレーでしたが、目標のスコア90は空しく消えました。コースの手入れは良いし、コース設計の良さから上級者にとってはたまらないコースだと思います。もう若さは取り戻せないし、かと言ってゴールドティから打つのは癪だなあと思う鶴舞CCの2日間でした。意味のない平均スコア(第19話参照)は0.2悪くなり、今年の平均は89になりました。

自宅に帰ると昔の勤務先時代の親友(私より年長者)でありゴルフのライバルだった人から喪中葉書が来ていたので、電話で長話をしました。
亡くなったのは奥様のご尊父でした。彼は73歳の時に30歳若い女性とゴルフを通じて結婚したので、義父であっても年下なのです。彼は82歳なのに未だに東京まで出勤しているだけならまだしも、ゴルフのスコアが100に近づいたからとプロのレッスンを受けているのです。そして大学時代は全日本レベルだった卓球の指導を週1回やっているのです。
世の中には上には上がいるものです。健康であるだけでなく、前向きなのです。渡若造も負けておれません。

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平成27年11月20日  渡 若造