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松山選手はメジャーに勝てるのか? オーストラリア支局長メルウェイ

 

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去年から、海外に行っていたり、忙しくしていたので、今シーズンは、スポーツベットを休んでいました。海外からは賭けることが出来ないこともありますが、こちらにいた間、数試合やりましたが、研究しなくては、当たりません。
もう4,5年になるのでしょうが、全英OPに松山選手が初出場した際、友達が賭けるというので、応援も込めてTop10に200ドルを買ってもらいました。
松山選手は最終日に追い込んで、私は的中した際、3000ドルを手にしました。そのお金でアカウントを作って始めましたが、その年、残りの数試合で18000ドルを勝ち、翌年はトータルで42000ドルを勝ったので、心配になってしまい、会計士に申告しなくても、大丈夫かと尋ねたほどでした。
次の年は、55歳になってシニアの試合で忙しくなったこともあり、研究不足で、思うようには、勝てなくなってしまいましたが、それでも、トータルでは、毎年プラスです。
 
私個人としては、意見もありますが、私はプロでもないし、俳優Kさんのボクシング解説のような、恥知らずなことは出来ません。従って、技術論やメンタルを、どうのこうのということではなく、あくまで賭けの対象として見た選手たち、傾向、スタッツなど、普段、私が目にしている部分から割り出すデータをもとに、検証をしてみようと思います。
良く3日目を称して、ムービングサタデーといいますが、私からみると、そんなものはありません。強かった頃のタイガーは、初日から抜けてしまい、日を追うごとに離してしまう。こんな選手は滅多にいるわけもなく、日々のスコアの変動を見れば、毎日がムービングデーです。ゴルフ場の設定も、バーディー合戦にはなりずらいので、上位選手のスコアが拮抗しやすくなっています。
 
全英OPの3日目は、午前中の選手を見て、スピースなら、少なくとも5アンダーでは来るだろうと予想しました。その計算で行くと、スピースは11アンダーになりますから、最終日に松山選手が戦えるスコアを想定すると、7アンダーは最低でも必要だろうと考えました。メジャーは特に設定も難しいので、この数年のデータからいっても、最終日の大逆転は難しく、ある程度のところに、3日目を終えてつけていないと勝てません。初日、松山選手は2アンダーでスピースとは3打差。2日目は2オーバーで6打差になりました。初日の17番の短いバーディーパット、2日目の17番ダボなど悔やまれますが、結果的にそうなってしまったのだから、仕方がありません。しかし、結果的にそうなった以上、3日目は最低でも7アンダーを出す必要がありました。
結果は4アンダー。悪いスコアではないし、かすかに可能性を残しているスコアだとは思いますが、賭けを考えると、既にチャンスはないと私は判断しました。
 
今回、暫くぶりのスポーツベットで、私は3人を選択。スピース、ラーム、松山選手の優勝、ラーム、松山選手のTop10に賭けました。
スポーツベットには、面白いルールがあり、優勝者に賭けた分については、キャッシュアウトといいますが、何時でも、自分の賭けた選手には可能性がないと判断した場合、その選手のスコアにもよりますが、賭けを取り消して、お金の返金を受けられるシステムです。
私でいえば、3人とも対象になります。ちなみに、3日目の時点でラームは、スコアが悪く、優勝の可能性がないと判断されてしまい、適用すらありません。スピースをキャッシュアウトすると、優勝13倍のオッズに対して、9倍で返金です。つまり、10ドル買っていたら90ドルになって返ってきます。松山選手は23倍のオッズに対して、掛け金の42%。10ドル買ってたら、4ドル20セントの返金です。
私は3日目を終えた時点で、松山選手の可能性はないと判断して、キャッシュアウトをしました。ないから出来ませんが、もしTop10にもあったらやっていたでしょう。何故なら、5位タイにいたのですから、最低でも掛け金の1.5倍近くにはなっただろうし、最終日は可能性に賭けて、どんどん行くから、落とす可能性もある思っていました。
 
アメリカでは、次のメジャーチャンピオンに1番近いのが松山選手だと言われています。そして課題は勝負どころのパッティングだとも言われています。TVでそんなシーンを見ていることもあり、私もそうだと思っていました。ところが、今回の全英OPのスタッツを見ると、パッティングは決して悪くはありませんでした。確かに何度か短いパットを外していましたし、印象はそう映りますが、データを見ると、明らかに違うようです。
松山選手はワールドランキング2位ですから、彼の後ろに何人もメジャーチャンピオンがいるわけです。もちろん、心技体も負けていないはず。
その上、スタッツから見る安定感は抜群です。そうなると、彼がメジャーに勝つことは、疑う余地がありません。
過去の松山選手の戦いぶり、アメリカで優勝をしたケースを見ると、松山選手が、トーナメントを支配しているケースはなく、後半の追い上げ、プラス、上位選手の乱れに乗じて勝つ、プレーオフに持ちこむ、プレーオフでは、持ち前の粘り強さで勝ってしまう。こんな形が見えて来ます。
 
全米OPを見ても、初日と3日目が悪く、最終日のスタート時点では、今回の全英OPと同じような位置取りでした。ですから、早めに出ていた松山選手が素晴らしいゴルフをした際、もしかしたら、そんな思いを抱かせる展開にはなりました。しかし、ケプカが松山選手と同じようなゴルフで終盤を終えると、あっという間にチャンスがなくなり、終わってみれば、4打差もついていました。もっと細かく分析すると、3日目を終えた時点で、メジャーに勝っている選手は、誰も残っていません。有力どころでは、ケプカ、ファウラー、トーマス。スコア的には、ハーマンとフリートウッド。ファウラーとトーマスは脱落、ハーマンとフリートウッドは最終日、イーブンと、スコアを伸ばせません。つまり、ケプカが脱落していた場合でも、ハーマンかフリートウッドのどちらかが、1,2打伸ばしていた時点で、勝てなかったのです。
もしケプカも脱落してくれたら、ハーマンとのプレーオフになったので、松山選手は勝てたかもしれません。しかし、これを見ても分かるように、今の松山選手のゴルフは、勝ち味に遅い。展開が向かないと勝てないというのが現状です。
 
松山選手のインタビューでの特徴は、初日、2日は丁寧にゴルフをして、離されないでいれば、3日目、4日目にはチャンスが来る。本心かどうかは分かりませんが、彼は良くこう答えます。
タイガーの勝ち方、先行逃げ切りは理想でしょうが、それは世界の猛者相手に簡単ではありません。データから見ても、松山選手の粘り強さ、勝負強さは、混戦で生きる。よりチャンスが大きくなるとは思うのですが、だからこうしたら良いなどと、私が意見を述べるのは、愚かな極みですから、ここまでとしますが、次の全米プロも、チャンスはあると思うので、最終日、リーダーなら最高ですが、すぐに手の届く位置にいてくれたら、勝つチャンスは充分でしょう。