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記者の場違いな質問。 オーストラリア支局長メルウェイ

USツアーを見る為にFoxTel、日本でいうところのスカパを契約していますが、毎週、スポーツベット(もちろん合法です)で賭けているので、それを見る為です。但し私の見ている部分は、試合を観戦する。というだけでなく、新しい選手の出現や選手の調子、つまり来週以降、誰をピックしようか、外そうかということを念頭に見ています。
また選手の近況、出来るだけ情報が欲しいので、USPGAのHPに出てくるニュースは勿論のこと、詳細な選手個々のデータ、成績など、そこから多くの情報を得ています。

スポーツベットはありとあらゆるものに掛けることが出来ますが、私はゴルフ以外はやりません。自分でいうのも何ですが、かなりの勝率でプラスになります。
ゴルフにも色んな種類の賭け方がありますが、優勝、トップ10、トップ20を買います。トップ5もありますが、リスクの割に配当が良くないのでやりません。毎週のように選ぶ選手は変りますが、2,3人を選んでトップ20を基準に買って行きます。
ちなみにフェニックスOPでは、前週は予選落ちしましたが、調子は上向きだと感じていたし、過去の成績など考えると、優勝まではどうかとしても、かなりの確率で松山くんは上位にくると確信がありましたから、優勝23倍、トップ10の3.5倍、トップ20の2.2倍とそれぞれ頂きました。
私のはイギリスのブックメーカーですが、アメリカにもあるし、日本でやろうと思ったら、日本語のサイトもあります。

世界のスポーツが熱くなる理由として賭けが存在しています。金額の大小は関係なく、オーストラリアでも掛けている人は多いし、アメリカでも同様です。スーパーボウルなども良い例でしょう。私はやりませんが、先日ここであった全豪オープンテニスも当然ですが、観戦するだけでなく、賭けることで論議も盛り上がるわけです。

日本は野球賭博や相撲などで問題になっていますが、関係者がやるのは如何なものか?とは思う反面、陰になるから暴力団の資金源になるなどとイメージが悪くなるので、日本国内で公のブックメーカーを作ってしまえば何も問題は無くなります。
株をやっている人は、みなさん経済に興味を持つし、それなりに勉強したりもします。ゴルフだって同様に研究して週末には観戦するということになれば、趣味として確立されるのですから、例えば定年になって暇だという人は、勉強することで、頭の活性化にもなるし、大きく賭けなければ、楽しい趣味にもなります。趣味、頭の体操と考えるなら、ゴルフの好きな人がゴルフを見て研究するという方が健全だし、株に比べたら圧倒的に投資する金額も少ないので、私ならこちらを勧めます。

ちょっと余談が長くなりました。
USPGAの公式HPですが、このところ新しいサービスとしてネットでライブ中継をするようになりました。有料ですが、試合の開始からライブ放送で見られますし、とても便利になりました。トーナメントの前には選手のプレスインタビューがあり、それも公開されています。
今週はノーザントラストがLAのリビエラCCであります。例によって私はインタビューも聞いているのですが、一応に参加する選手たちは、素晴らしいコースだと褒めていました。トーナメントの設定ですから、普段やるゴルフ場とは一変しますし、リビエラは確かに名門と言われていますが、私としてはコースはヒリー、トリッキーで良いコースとはお世辞にも言えません。
またまた余談になりました。

プレスインタビューで、ジョーダン・スピースを見ていた時のこと・・・・試合に臨む選手に対して、今年のコースの状況は?・調子は・抱負・体調・近況・ライバル・予選のペアリングの選手に関してと、記者たちが交代で様々な質問をしていきます。1時間は掛けてやりますからかなりのボリュームです。
画面ではジョーダンしか映っていませんし、日本のようにどこどこの誰々と言ってから質問をするわけではありませんから、ハッキリと特定は出来ませんが、日本人女性の記者が、2週間前にあった、松山選手とリッキーのプレーオフに関してどう思ったという質問をしました。
彼女の英語は素晴らしく、それはそれで良かったのですが、この質問は如何なものでしょうか?
ジョーダンは出ていませんでしたが、テレビなどで見てはいたのでしょう。2人の4ホールにおけるプレーオフは興奮したし、見ごたえがあり、素晴らしい戦いだったと褒め称えていました。しかし、このプレスインタビューは、今週のトーナメントに関して用意されているものですし、ジョーダンに関して質問をするところです。
もしジョーダンにこの件を聞きたかったら、別の機会に聞くべきでしょうし、もっと言えば、その週、試合に出ていたババ・ワトソンは、プレーが終わった後に、わざわざプレーオフを見に来ていたのですから、まず聞くべき選手は目の前で一部始終を見ていた彼のはずです。
その時会場にいなかったジョーダンより、目の前で見ていたババからの方が、余程、良いコメント、場面が伝わったと思います。
彼女がプレスとして選手達とどれだけの関係を作れているかは分かりませんが、あの場面で、あの質問をジョーダンに聞くようですから、およそ選手との間に、まだ良い関係は出来ていないのでしょう。
もしあの場面でジョーダンから少しでも松山選手のことを聞き出して、日本に伝えようと考えているなら、ジョーダンは現在NO1プレーヤーですから、ライバルたちの動向をどう思っているのか?と聞いたら良いはずです。今週の試合にはマキュロイは出ていますが、トップ4と呼ばれているジェイソン・デイとリッキー・ファウラーは出ていませんから、まずはマキュロイには触れるでしょうが、しかし、その後に来るジェイソン・リッキーの話になれば、直近にあった、あのプレーオフの話は必ず出るだろうし、それに付随して、松山選手の話が出てくる可能性は相当高かったはずです。それでもジョーダンが松山選手に触れない場合、それはそれで仕方がありませんし、もし触れないということであれば、ジョーダンから見て松山選手は、まだそれほどの選手と意識されていないということが分かります。

これだけ世界が狭くなり、どんな情報も取れる世の中になっているのですから、私だけでなく、本当の記事、本音を聞きたいと思う人は多いのではないかと思います。
場違いな質問であってもプレスインタビューですから、ジョーダンの話すことは想像がつきますし、それに合わせて日本人をただ喜ばせる提灯記事は書いて欲しくはありません。ババはリッキーとは仲良しですから、リッキーの応援に行っていたことは明白です。カメラのまわっていないところで本音を聞いて下さい。リッキーが勝てなくて残念だった。それだって良いじゃないですか?
ババは評論家じゃなくプレーヤーですから、彼が語ってくれるプレーオフこそ、素晴らしい話が聞けるでしょうし、松山選手に対する彼の本音も聞いてみたいじゃないですか・・・

更なる余談になりますが、インタビューの終わりの際、どこかの記者がThank you Justin.と声を掛けると、立ち上がりながらMy name is Jordan.そういって席を立ちました。Justinとは学生の頃からJordanとは仲良しの選手で、今週の試合は一緒の組み合わせになっていますから、ジョークとしては成立していますし、怒る理由にもなりません。恐らくは今日のインタビューのどこかで、彼がきっとつまらない質問をしたのか、ジョーダンに良く思われていないのかのどちらかです。これでは選手から良い情報は取れません。

私がアメリカにいた頃、イチロー選手がやって来ました。日本の新聞を見ると、どれほど期待されているとか、どれほど注目を浴びているとありましたが、アメリカ人にとって海外での実績など全く参考にしませんから、評論家たちは3Aにも満たないような日本の実績がどれほどあろうと、こっちでは通用しないというのがもっぱらの意見でした。当時は野茂選手や佐々木選手など投手に関しては、実績からある程度の評価はありましたが、野手に関して言えば、とにかく否定的で、日本の報道が余りにも偏っている、何なんだろうこのギャップはと思っていました。
日本人がアメリカの報道として騙される手口は、ローカルの動画を見せられて、それがアメリカ全土で見られているものだと信じ込まされていることです。アメリカは国土が広いということもあるでしょう、フランチャイズ制が確立されている、地元意識が強いので、解説は地元びいきは勿論のこと、おらが選手ということでローカル番組がチームの選手を特集した動画を良く作ります。

ところがイチロー選手は初年度からあの大活躍、200安打を続けることで彼の評価は一変しました。
メジャーリーグのコマーシャルでこんなものがありました。イチロー選手にあやかろうと背中の名前をファミリーネームからファーストネームに変える選手が出ると、多くの選手が真似をしだしました。するとチームの中に、ジョンという良くある名前の選手が6人も7人もいるので、これでは誰が誰だか分からなくなってしまうという笑い話です。
このコマーシャルを見た時、これこそ本物だと誇らしかったし、嬉しかったのを良く覚えています。イチロー選手はアメリカでもスーパースターですから彼の名前は誰でも知っていると言ってよいでしょう。ところが他の選手に関して言えば、それこそローカルの人以外は誰も知らないというのが現状でした。ヤンキースはアメリカではメディアに露出が高い球団です。松井選手はレギュラーとして何年間も出ていましたが、色んな人と話しをしても、日本人がいるという程度の認識ですから、松井という名前を出せた人はほとんどいませんでした。

最近の記録として25歳以下でツアー複数回優勝している選手は、ジョーダンとパトリック・リード、そして松山選手の3人しかいませんし、アメリカのTVを見ていても、松山選手に対する評価は高いことは事実です。
今週のトーナメントでは松山選手が優勝候補No1に押されていると、日本のメディアは報じていました。パワーランキングと言って毎週、トーナメントで誰が優勝するだろうとボルトンという記者が書いているものです。他にもエキスパート、ピックでは多くの専門家が優勝者の予測を出していますが、実際には、決して松山選手が優勝候補No1ではありません。
それが証拠に、ブックメーカーのオッズも6番手です。
松山選手の評価は高いとはいえ、現在、世界ランクは11位。過去最高の順位ですし、わずか数年でここまで来るのですから、素晴らしい成績です。近い将来、トップ5に入ってくる可能性も充分に期待できます。しかし今の成績を冷静にみれば、トップ10にも入っておらず、トップ4の選手達との間には、まだまだ開きがあるということです。上に行けば行くほどその差は大きく、もし今年中に松山選手がジョーダンに追いつくにはと仮定すると、メジャーも含めて6、7勝ぐらいはしないと追いつかないでしょうから、現時点では限りなく不可能という数字です。
散々煽っておいて、すぐにでもメジャーで勝てるような選手だと書いた上で、勝算はと聞くわけです。しかし、松山選手が手ごたえを感じている部分と、今すぐにチャンスがあるということは別物だし、そんなことは本人が一番知っているはずです。

松山選手は本当に頑張ってくれていますが、まだPGAツアーでは出だしたばかりです。英語だって出来ないし、慣れない環境でやっているのですから、それは大変でしょう。マスコミは無理に大きくして書くのではなく、現状を正しく報道して応援するという形には出来ないものでしょうか?
才能もあるでしょうし、メジャーにだって勝てるかも知れません。しかし、それが整うまでにはもう少し時間があるでしょう。どんどん注目されて期待されることで、自らが盛り上がって行く、おっちょこちょいのアメリカ人と日本人はマインドが違うと思うんですよね。彼のインタビューを見ると、ほとんどが弱気のコメントですから、本人の心の中とは違った言葉を発している時も多いのではないでしょうか?日本のみんなが期待していることを知っているでしょうし、書き立てられることを警戒しているのではないかと考えたくなります。


写真はクランボンゴルフコース。林間コースでレイアウトも良いのですが、何と言っても高速グリーンが有名です。思わず入りたくなるゴルフ場ですが、砂地でない為、冬場はぐちゅぐちゅになるのが難点です。毎年、2日間36ホールでビクトリアのシニアの試合が組まれていますが、同じ時にNSWシニアがあるので去年は出ませんでしたが、今年はこちらを選択すると、ゴードンやイアンも今年はこちらに出て来ました。
初日は強風の中、パッティングが冴えて5バーディーを取るも、ダブルボギーと3つのボギーで72、二日目は微風快晴の素晴らしいコンディションの中、全体的にパッティングは良かったものの、決めたかったパッティングが入らず、2バーディー、5ボギーと75。
私とゲーリー(去年の優勝者)が147で1位タイ。ゴードンが154で3位。イアンは156。やってないのでつまらないミスが良く出ますが、パッティングに助けられています。