ゴルフ会員権 ゴルフライフ

この差が大きい。 オーストラリア支局長メルウェイ

もう37年も前の話になりますが、私が初めてゴルフ場のメンバーになった時、HCの取得の為、5枚だったか?スコアカードを出しました。平均で78位でしたが、プロが私の所に来て、他コースのHC証明は無いですか?・・・その理由は、計算すると私のHCが5、6辺りになるのですが、当時は俗にいうシングルHCの人が少なかったこともあるし、シングルになるには、ゴルフだけでなく人格も優れていなければならない。そういわれていた頃ですから、いきなりシングルには出来ない。ある意味威厳もあったわけです。
そういった理由で、私は仮10というHCを貰いました。初参加の月例で優勝した際、プロから研修競技会があるので参加してみませんか?というので、参加したところ、そこでもベスグロで優勝しました。
当時HCの決定、変更はハガキで送って来るので、数日後、私のHCが6に決定されたとありました。もうすっかり昔の話ですが、競技会で良い成績を出すと、このハガキが着くのを楽しみにしていたのですが、そうだった。と思いだしている人は、きっと長くゴルフをしている人でしょうね。・・・プロからは、コース会場以来、始めからHC6というのは過去に例がないと言われましたが、私も若かったし、伸び盛りということで、それから数か月後、HCは3になりました。

翌年、クラブ対抗の選手候補に選ばれたので、数週間に渡る選考会に出るようになりました。2回ほどやったころ、私の件が問題になっているという話を聞きました。
実力はあるかも知れないが、入ったばかりの会員をクラブ対抗の選手にすべきかどうか?と研修会のメンバーからクレームがついたというのです。
私としては、言われるままに参加したまでですし、どうしてそんなことになってしまうのか理解が出来ませんでした。
そんな時、ある人からこんな話を聞きました。クラブ対抗の選手になるということは、メンバーからは、あの人はゴルフが上手い人だと、認知されるだけでなく、クラブの代表という名誉だからね!怪我や年齢的なもので離れるのでなければ、続けたいでしょう。・・・冷静に考えればそうかも知れない、私が入ることで誰かが抜けることになるし、それまで選手だった人が外されてしまうのですから・・・私はまだ入ったばかりだから、来年以降また頑張るので今回は辞退します。そう言ってやめることにしましたが、心の中では、やる気のある人がなれば1番良いだろうし、私はそう思っていないのだから、今後は誘われても断ろうと決めました。

それからは、始めから出ないと言って通していますが、父親が入っていたゴルフ場のメンバーになった時、どうしても説得されて2年間出ましたが、キャプテン交代の際、仕事が忙しいと理由をつけて断り、それ以降は全て断っています。クラブ対抗の選手選びなど小さいことですが、日本の場合、色々な面でどうしても不透明な部分が多のは否めません。
もっと公明正大になるべきでしょうが、時がたっても中々そうはなりません。こちらに来る前に入っていたゴルフ場でも、選考方法はほとんど変わっていませんでした。
私は2年連続でクラチャンになったので、その間、何度も誘われましたが、頑なに固辞して出ませんでした。キャプテンから選手選考やアドバイスが欲しいというので、それならと協力したのですが、成績からいえば必ず入るべき選手が入っていないので、その辺りを尋ねると、あの人は協調性がないとか、人望がないなど、ゴルフに関係のない部分で、はねられていました。
団体戦ですから、チームワークを考える必要はありますが、まずは成績で判断するべきでしょう。そういった姿勢が慣れあいになるわけで、強いチームを作る、レベルアップの邪魔をします。


ハンティングデールの選手選びは、年間の成績順に候補者が選ばれて、7名が正選手になりますが、その呼び方は1番手、2番手といって、成績順は呼び方にも反映されています。
オーストラリアのナショナルチームの選考は、例えば先日のニュージーランドとの対抗戦もそうでしたが、この試合から、この試合までの上位何名は無条件。残りの2人はキャプテンピックということになっています。キャプテンピックとはいえ、好き嫌いでは選べぬようにランキング何位までの選手など、決まりごとがあります。対抗戦は年2回あって、来年の1月にはオーストラリアチームがニュージーランドに行きますが、私はこの数か月試合を休みましたし、ポイントが取れていない為、次の試合は全くの圏外です。
順位、ポイントなど途中経過も全てウエブサイトで確認出来るので、不正はないし何処からもクレームはつきません。常に競う形になりますから、選手も毎回入れ替わることになるし、どんどんレベルが上がります。

日本にいる時は、私自身もそう思っていましたが、それは大きな間違いであると思い知ったことがあるので、書いてみましょう。
ゴルフ場の会員は、本来、全員が同じ費用を負担しているのですから、全員が平等の権利と平等の発言権があってしかるべきです。私に対するクラブ対抗の選考の件でも、クレームがついたと聞いた際、まず思ったことは、私は入ったばかりだから、そう言われればそうだよな・・・そう思いました。ところが、こちらのゴルフ場では、入るとすぐにペナントの選手になって欲しいと依頼されますが、最初に入ったロングアイランドの時、どうしてやらないの?と聞かれた際、もっともらしい理由として、私はまだ入ったばかりだし、私が入ると誰かが出られなくなるから・・・そういったら、メンバーはみんな同じだよ、今日入った人だって、20年いる人だって。選手になる成績を出しているのだから、当然でしょう。外れる人だって、悔しいから、来年は必ず戻ってこようと頑張るからそれでいんだよ!
日本では理事やコミッティーも、選ばれる人たちは、長年会員になっている人です。こちらでは、さすがに数か月というこはあり得ませんが、数年でコミッティーになるということは、決して珍しくはなく、パターソンリバーの前キャプテン(会社でいえば社長です)ケビンは入会して2年でした。年数に関係なく、その役職に適した人がいれば、やって貰うことがクラブの利益になると誰もが考えています。
どうしても日本の中では、長年いる人たちが幅を利かせる構造になっています。ですから、癒着体質、慣れあい、既得権益が出来てしまいます。

今日から全英シニアアマが始まりました。メジャートーナメントですから世界各国の素晴らしい選手達が集まり、オーストラリアからも6人が参加しています。
会場には参加者の国旗が並んでいますが、残念ながら今年、日本の旗はありません。
ネットなど、情報が瞬時に世界を駆け巡る現在、情報公開は当たり前だし、明快で無いものは理解されません。
この試合に出る為にはイグザンプションといって優先的に出られる資格、また世界各国で認められた試合の成績が必要です。日本の選手には参加するに足りる実力の選手が数名はいるでしょう。しかし、日本シニアアマの優勝者にもイグザンプションはありません。
アメリカは元より、オーストラリアでも日本のHCは、全く信用できないということになっていますから、その評価はR&Aでも同様です。
資格や予選は、どの試合にも設けられていますが、どの国の試合でも、それは明確な参加資格、及び誰もが納得出来るものでなければなりません。例えばオーストラリアシニアの試合に出ようと思ったら、世界のどの選手にも門戸は開かれていますから、HCなどの制限に入れば、参加出来ます。
仮に日本の試合に海外の選手が参加しようとしたらどうでしょうか?日本のゴルフ場の会員であること、日本のHCを持っている。この条件で誰も出られません。
全英、全米シニアがイギリス、アメリカのゴルフ場のメンバーでなければ出られないなどと言い出したら、世界的に大問題になりますが、そういったことを、日本では、何の疑問も持たず、何十年もやっているのですから話になりません。つまり、世界に向けて開放してるオーストラリアシニアは、もしかすると将来メジャーとして数えられる可能性がわずかでもありますが、日本シニアがメジャーになることは未来永劫ないのです。

仮に私が日本シニアアマに出ようとした場合、まず、関東シニアに出なくてはなりません。参加さえすれば、日本シニアにシードされる成績は取れるでしょうが、7月に予選、10月に決勝、日本シニアは11月です。期間が開いているので1度戻ってまた出直さなくてはなりませんし、その前に、日本のゴルフ場の会員であっても、日本のHCは失効していますから、関東シニアの予選に出る為にHCの再取得が必要になります。
これを見ても分かるように、JGAには、海外の選手を参加させようなどという気はさらさらありません。
更にオーストラリアでは8月だけ、ランキングイベントはありません。毎年8月の始めには全英シニアが組まれているし、後半には全米シニアの予選があるからです。オーストラリアシニアには全英、全米には及びませんが、数多く海外の選手も参加します。ですからオーストラリアシニアは日程が被らないように、9月末、10月の始めに毎年行われています。いま世界はそれぞれの国の都合で決めるのではなく、地球規模で考える時代なんです。

それなのに、相変わらずHCはインチキ、海外の選手との交流も無いのでは、実力を判断する材料がありません。日本シニアアマ優勝者は、本来であれば全英、全米シニアに出られる優先権を得ても何ら不思議ではありませんが、日本シニアアマに関するイグザンプションは一切ありません。
世界は狭くなり、交流はどんどん盛んになっている中、相変わらずの鎖国状態を続けているのでは、日本のレベルは海外との差が広がるばかりでしょう。去年のアジアパシフィックシニアの結果を見れば歴然です。優勝のオーストラリアに対して2位のニュージーランドは4打差ですが、3位の日本は20数打も離されました。

最近、韓国選手の活躍は群を抜いています。女子は世界を席巻していますが、男子とてPGAのシード選手が何人もいるし、ウエブドットコムツアーとて同様です。
また最近ではタイの選手など、アジアの選手も出てくるようになりました。リディア、コーはニュージーランド、今年デビューしたミッジー、リンはオーストラリアでゴルフをしています。現在活躍している選手にもオーストラリアから出て行った選手は多く、韓国国内の盛り上がりも凄いそうですが、環境の良いオーストラリアに来る韓国の子供たちの数はどんどん増えています。
しかし、活躍が目立つようになってから増えたのではなく、もう十数年前から、その流れは、脈々と続いているのです。またその中で培われたネットワークがあるから、次の子供たちも来やすくなるし、その中で育った選手が、次から次に出てくる環境が出来上がっています。もし日本の子供をオーストラリアに来させようと考えた場合、どうでしょうか?
彼らのように簡単ではありません。
以前にもオーストラリアのゴルフ事情を書いていますが、オーストラリアに人が集まりやすいのは、ジュニアからシニアまで、色々なサポートがありますし、環境が素晴らしいだけでなく、海外から来た選手にも、そのサポートが適用されるからです。

レベルアップには環境が大切です。難しいコースでゴルフをする。何時でも練習が出来る。良い指導者に習う。競争相手が多い。英語を喋る。
私がアメリカでゴルフをするようになった時、考えたことは、同じアメリカなのに、それまで旅行の際にやっていたゴルフ場とは、断然違うということでした。また日本のゴルフ場とは比べ物にならないタフなコースにビックリしました。オーストラリアで更に驚いたことは、何時でも練習が出来るだけでなく、実戦と同じ状況で練習が出来るということでした。
指導者は研究熱心で、ビデオ、器具だけでなく、多くのドリル、またストレッチの指導までしています。日本では常に日本人同士ですが、アメリカでもここでも、さまざまな国の人とやることになります。
選手同士の会話は勿論、ルール説明も英語ですから、英語で対応するしかありません。

ゴルフで日本から世界に出て行ったのは青木選手ですが、アメリカで何勝も出来たのは、技術、キャラクターは勿論のことですが、英語が堪能な奥さんがいてくれたことは、とても大きかったと思います。
移動やエントリーなど、英語を伴う、煩わしい作業から解放されて、ゴルフの試合に集中出来たのは、とても大きなアドバンテージだと思います。
丸山選手が続き、田中選手や他の選手も挑戦していますが、その数はいかにも少ないといえます。
現在、松山、石川選手がPGAツアーで戦っていますが、彼らほどの選手になれば、メーカー、後援者のサポートを受けられますから良いでしょうが、もし若手選手が挑戦しようと思ったら、全てを自分でやらなくてはなりません。
サポートがない場合、海外で試合をしていく為には、資金面も大切ですが、エントリー、ホテル探し、レンタカー、練習ラウンドの予約、現地に行ってからも、レストラン探し、ゴルフ以外の雑務がたくさんあります。
日本人にとって、この雑務は結構ややこしいものになります。その原因は、全てを英語で行うからです。

JPGAもツアー機構も、若手の海外挑戦に対して消極的ですから、サポートなどする可能性はほとんど皆無ですが、もし、将来的に考え方が変わらずを得なくなった場合、まず、やってもらいたいことは、現地採用の世話係を設置して欲しいと思います。
少し戻りますが、メンバーシップのタフなゴルフ場で練習、ラウンドをするには、メンバーの同伴がなくては出来ません。一昨年、ヨーロッパでやっているメリッサ、アメリカのモーマーティン。彼女たちは招待選手でオーストラリア女子オープンに来ていましたが、予選落ちをすると、通過者がスタートした後に練習場を使えるというだけですから、満足な練習も出来なければ、名のあるコースでのプレーもままになりません。ステーシールイスなら手配をしてくれる人がいるかも知れませんが、彼女たちでは難しく、見かねた私がハンティングデールに来るかい?と言ったら、喜んで来たのもそういった理由です。

プロにとって歯ごたえのあるコースを日本に造っていくことは、今のところ現実味に欠けています。そういった意味で、世話係には、コース対策として、現地にいる邦人のメンバーに連絡を取って便宜を計ってもらう、また彼ら自身を、そこそこのコースのメンバーにして、選手たちが存分に練習やラウンドが出来るような、環境、ネットワーク作りをしたら良いと思います。そうすれば、シーズンオフなども、合宿をして徹底的にゴルフに取り組める環境をつくることも出来ます。それをやっても大した費用ではありませんし、効果は相当期待出来ます。

アメリカならハワイから西海岸、フロリダ、中西部、東部とツアーは進みますが、各拠点に人材を配置し、現地の者が、手配、他州のものは、そこで選手のサポートにまわるというのはどうでしょうか?
個人的にサポートをするというのではなく、彼ら数名で、日本人選手のカバーをすれば良いと思いますから、時には1人の人が数名を受け持つことにもなります。
彼らがいれば、余計な雑務から解放されるので、必ずゴルフには良い影響が出るはずです。
同時にジュニア、アマチュアの試合に参加する選手達の助けをしても良いでしょう。
ずっとやらなくたって良いんですよ。数年もやって多くの日本人が出かけていくようになり、その中の何人かが活躍するようになれば、自然にネットワークが出来上がります・・・現に韓国の選手には出来ているのですからね・・・


写真はハンティングデール
エンジのベストを着ているのがケンさんHC10。
定期的に声が掛かりますが、このところゴルフが減ったせいもあり、断り続けていたのですが、暫くぶりに誘われたので、行って来ました。
ブルーのセーターはコミッティーのジョンHC6、クロのセーターはコミッティーのグラハムHC4。
当日まで誰とやるのか知りませんでしたが、ジョンとグラハムは良く見知っているわりに、今まで一緒にやったことがなく、組み合わせを知って、そういえばやってなかったと、ちょと意外でした。
グラハムは次期キャプテンになる予定です。


ここは40年もやっている、シティーの有名な鉄板焼きレストランです。
焼いてくれている人は、千葉さん。このレストランの元オーナーで今では週に3回だけ仕事に来ています。
右のカップを見て下さい。どれだけ大きいか、分かりますか?
私は月に1,2度お邪魔しますが、良く水分を取るので、家では特大のカップで飲んでいるんですよ。と言ったら、もう一人のシェフのあけみさんと千葉さんで買って来てくれました。
これを使って何時でも飲んで下さい。と出されたのですが、もう40年もやってますが、専用のカップを用意したのは初めてですから、自慢して構いませんよ。
そう言って、千葉さんが大笑いしていました。