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あれこれパート3 オーストラリア支局長メルウェイ

あっという間に7月になってしまい、毎日が本当に早く進みます。
先日、グレッグというハンティングデールのメンバーとレストランで会いました。彼とは何度もゴルフをしていますが、クラチャンにも何度かなっているレフティーです。
余談ですが、こちらに来てまず感じたのは、左利きの選手が多いということです。
偶然になった組み合わせで、私以外の3人がレフティーだったこともあったし、シニアの試合でもレフティーの選手を数多く見かけます。
彼は現在は45歳ですが、数年前、将来的にシニアのツアーを目指すといって転向しました。
元々、上手かったのですが、今ではHCも+2になっています。フランケンロボにそっくりで、着るものも、クラブにも無頓着な男ですから、悪く言えばガサツな印象を受けますが、話をすると頭の良い男だし、風貌にたがわず、繊細なゴルフをします。
彼の素晴らしいところは、悪い時でも1打1打を丁寧にプレーするところでしょう。そういえば、マエシンさんも同様に、いつでも一生懸命プレーしますね。ただ、繊細なゴルフではありませんが・・・笑


調子はどう?元気かい?・・・誰と会ってもそんな挨拶から始めますが、グレッグが私の所に来ると、メルウェイ、どうやら僕は後1年しか生きられないみたいだ。こういうのです。私は何時もの冗談だと思ったので、そうかい、そうかい、おめでとう!そういって手をだしました。
普段なら、すぐに大きな声で何か言いかえしてくるはずの、彼の反応がないので???
左手の感覚がおかしいと感じて病院に行ったようですが、その後の検査で深刻な病状が分かったようです。今でも毎日のようにゴルフをして、見るからに何も問題がないようですから、そんな話を聞いても信じられません。プロのマイケルとグレッグは親しいので、翌日マイケルに確認してみると、今は全く問題なくゴルフも出来ているけど、恐らく3カ月後にはゴルフも出来なくなるだろうということでした。
きっと、世の中にはこのようなケースはたくさんあるのだとは思いますが、近しい人がこうなってしまうと、何とも辛いものです。


さて、近ごろ、私を取り巻く環境も大きく変わって来ています。
私の考え方、言動、行動は、どれをとっても極端で、中々、理解されるのが難しく、初めて会う人の私に対する第一印象はほとんどが最悪です。
どうしてそうなるのか?その原因は全て私にあることも間違いありません。日本人、オーストラリア人、誰に対してもそうですが、自ら進んで友好関係を築こうと考えていないからです。
もし、そうでないという場合があるなら、それは、その人と初めて会う際、その人が私の知り合いの人からの紹介があるという場合です。いくらぶっきらぼうな私でも、紹介者に対する礼儀を考えるからです。しかし、その際でも、きちんと挨拶をするということだけで、私の言動には、配慮はしても遠慮はありませんから、やはりほとんどの人の印象は良くありません。その大きな原因として、私としては人見知り(誰もそう思っていない)だと思っています。


1年前、ランキングイベントに初めて出た際、誰も知り合いなどいませんから、あちこちでみんなが集まっているのを見てもポツンと1人でいました。
有名選手、上位選手はウエブサイトや雑誌に良く出ているので、ステファンを初めて見た際、あれがステファンかぁ、どんなゴルフをするのだろう。5年も連続でNO1プレーヤーですから、興味津々です。
他にも、有名どころがあちこちに見えたので、ちょっと興奮気味だったことを、今でも覚えています。
あれから1年、私の場合、大した成績も残していませんが、今では上位選手はみんな知り合いだし、ランキングイベントに出ている選手の多くの人は、私のことを知っていると思います。
私が尊敬しているゴードンは、決して社交的ではありません。去年のオーストラリアシニア、ビクトリアシニアの連勝で一気に全国区になりましたが、交友関係は決して広くはありません。実際には冗談もいうし親しみやすい人ですが、寡黙でストイックな人ですから、近づき難いオーラを放っているように思われているのかも知れません。
来週のナショナルチームの試合には、ビクトリアからグレッグ、バリー、イアン、私の4人が選ばれていますが、本来ならゴードン(既にイギリスに行っている為)も選ばれるはずですから、今年のビクトリアンはNSWもしのぐ活躍です。
ビクトリアの試合ではゴードンは地元ですから、彼らとは緊密ですが、試合の際、集まって話をしていたりしても、私を彼らに紹介しようということはありません。


既に知っていると思っているのか、異に介していないのか分かりませんが、そういう人です。ですから、私がビクトリアで余りに無名だったのは、良く考えるとゴードンのせいですね。私もゴードン個人とは話をしますが、彼らが集まっているところに、私から進んで行くこともありません。人見知りですから・・・
グレッグ、バリー、イアンはビクトリアでは有名人ですから、私は名前と顔は分かっていましたが、州内で本来、私に一番近い人達が遠かった。こんな感じです。今ではすっかり仲良しの彼らとの始まりも、彼らの方から声を掛けて来てくれたから、そうなれたということです。
一方でステファンやポールは何かにつけて、私を知り合いに紹介するので、全国の方が早くそうなったともいえます。
ハンティングデールの人達から、この前、NSWに行ったんだけど、メルウェイを知ってるか?と言われてびっくりしたよ。そんなこともありましたが、シニアの選手は年齢的にいっても、地元のクラブではそれぞれが、キャプテンだったりコミッティーだったりと要職についている人が多く、また、その中から、ゴルフオーストラリアの役員になるという経緯もあるため、そんな人たちから、私の名前が出たのでびっくりしたのでしょう。


どうせ英語も満足には出来ないし、利害関係も、しがらみもありませんから、私としては、何時でも嫌なものは嫌だと、好き勝手にやっているのですが、ナショナルチームにも規定があったり、決まりごとがあったりもします。
ホテルや車など用意されますが、例えば今回は会場であるサンクチュアリーコーブのコース内にある、数件の家を借り受け、部屋こそ一人一人ですが、みんなで生活をすることになっています。
オーストラリア人は普段から、人を家に泊めたり、一緒に住んだりということになれていますから、誰も異を唱えませんが、私にはとても受け入れられないことですから、食事や行動は共にするけど、ホテルは自分で用意します・・・そういって、私だけ単独で近くのホテルに泊まりますが、もしこれが日本だったら大反感を招くでしょうし、認められないかも知れません。
食事でも、こちらの人はラムが好きですから、普段からラムを食べに行こうとなりますが、私は大嫌いなので、ラムは食べないから行かないと即座に断ります。


日本の社会では私のような考え方のものは、我儘な奴だ。自分勝手な奴だ!ということになるので、なじめない感じがありますが、こちらでは、誰もがみんな、メルウェイは本当に我儘で4歳の子供がそのまま大人になったようだ。とは言いますが、自分勝手だと言われることはありません。
私見ではありますが、上手い選手たちの多くは、一応に我儘な人が多く、その出方が違うだけという認識があります。したがって我儘な人は、他の人の我儘な部分にはとても寛容なところがある。こう思っています。
ステファンやポールは私のことを我儘だと必ず言いますが、私からすると彼らも相当な我儘だと思いますけど・・・
日本社会では、長年やっている人がどうしてもイニシアティブを取る、新参ものは大人しく様子を伺う。こんな構図になると思いますが、こちらでは、そういったことは全くありませんし、こういったお国柄、国民性だから私のようなものが、快適に過ごさせてもらえると考えると、あらためてこの国に感謝をしなくてはなりません。


来週の試合は両国の親睦を深めるという目的ではありますが、去年負けているオーストラリアとしては、地元開催で負けるものかと、その意気込みは大変なものです。
キャプテンからは毎週伝達事項としてメールが届きますが、今回はゴルフオーストラリアと掛け合って、試合の3日前から部屋を押さえているので、時間のある人は、早めに練習に来ても構わない。
ゴルフオーストラリアに要請して、地元のコースを良く知っている人をキャディーとして採用したらしく、公式練習日を含めた4日間は、それぞれの選手に専属のキャディーがつくそうです。もっともニュージーの選手にもつくそうですけど・・・
国際試合ですから、こちらのキャディーさんの方が詳しい人ということはあるかも知れませんね・・・・
私にとってそんなことはどうでも良いのですが、今、1番の私の懸念事項といえば、前回のオーストラリアディフェンスフォースの時もそうだったように、初日のウエルカムディナーの際、全員4.5分の自己紹介を含めたスピーチをするんですよ。
日本語というわけには行かないし、前回もそうでしたが、私の番になると茶化す奴が必ず出て来ると思うので、そういった意味でいうと、今回はステファンを警戒しなくてはなりません。