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つれづれに2015 オーストラリア支局長メルウェイ

歳を取ったからなのか?・・・自分には良く分かりませんが、近ごろ私の中に色々な変化が見られます。
今まで全く考えなかったようなことを、考えたり思ったりもするようになりました。例えばゴルフ場に行った場合、ほとんどのゴルフ場が、100年以上の歴史を有しているのを目にしても、凄いんだと、その場では思っても、どこでもそうなんだからと流していたというのが、実情でした。
私のいるメルボルンは、オーストラリアの中では大きな都市ですし、古い街ですから、ゴルフ場を見ても、まぁ当然なのかな・・・そんな感覚です。

近ごろ、私のお気に入りテレビドラマに、天皇の料理番というのがありますが、明治時代の東京のシーンを見る際にも、当たり前とはいえ、人々のいでたちは、今とは大きく違うものだし、教科書であったり、当時の情報としてテレビ番組などから、ある程度は理解していたとしても、感覚的には大昔のこととして片づけているので、どうも実感が湧きません。
ドラマの中で、当時のレストランや料理も紹介されたりしますが、50年前、私の子供の頃は物も豊富になって来てはいましたが、それでも家族でステーキを食べに行く際には、今のように、どこでも食べられるという環境にはなかったし、そんな時は、着替えをして、わざわざ食べに行ったという記憶が残っています。

ドラマの中に、字幕で明治何年、1905年というのを見ると、実際に私の知っている50年前でもその程度だったのに、110年も前にあのようなレストランが存在していたり、実際に食べていた人たちもいたのだと考えると、私の中でさえ整合性が取れなくなりそうです。
そんな、ショックを覚えた、その直後、ちょっと待て、1905年?そのころ、この辺りには既にゴルフ場が存在していたわけだし、正確に言えば、その10年も前からゴルフをしていた人たちがいたわけです。
更に言えば、当時の東京でも、ドラマに出てくるようなレストランの数は、多くはなかったはずです。しかし、この辺りには、その当時、私の家から15分以内に10数箇所はゴルフ場があったのですから、ゴルフをしていた人はたくさんいたはずです。その一方で当時はゴルフ場はあっても、家などは、ほとんどなかったようでしたから、と、そんな思いめぐらせるだけで、どう理解したら良いのか分からなくなります。


何処のゴルフ場に行っても、歴史をさかのぼる資料や写真、または当時を書き残した絵などが残されていますが、それを見ると、ゴルフ場の周りには何もないところが多く、当時の交通手段はどうだったのか?車ですら、たくさんあったのか、そんなことまで疑問になります。レイアウトの変更などは、ほとんどと言ってよいほど、どのゴルフ場でも行われていますから、相当様変わりをしているところも珍しくはありませんが、既に18ホールで営業されているし、当時のクラブやいでたちなども、写真などで目にする訳ですが、今まで何気なく見ていたゴルフ場が、テレビドラマに出ていた明治時代には、既にここに存在していたというのですから、ただただ驚くばかりです。

また、最近、更に思うことは、メルボルンやシドニーなど、元々大きな都市近郊なら無理をすれば、ゴルフ場が造られたことに理解も出来ますが、数か月前に行ったオレンジのダントリーリーグGCなどは、シドニーから3時間も掛かる山の中ですから、100年以上も前に誰がどうやって、どんな目的でここにゴルフ場を造ったのだろうか?・・・つい先日行った、バーオンヘッズやワーナンブールとて、同様に思えてなりません。今まで一度も考えたことすらありませんでしたが、最近ゴルフ場へ行く度に、その辺りに埋まっている石を見れば、この石は100年も前からここにあったのだろうか、何時も目にしている大きな木などではなく、普段は目にも入らない、その辺りに生えている草木を見ても、当時もこれらの草木がここにあったのだろうか、そんなことを良く考えてしまいます。


こちらに来て6年が経ちますが、環境というものは恐ろしいものだと感じます。
夏は涼しく、冬は寒くない。来たばかりの私のイメージはこんな感じでしたが、周りの人達は、冬場になると、寒い寒い、夏は涼しいのに、蒸し暑いという声をよく聞きます。
こちらは夏場はドライなので、気温が上がっても木陰に入れば涼しいし、平均でも24,5度ですから、快適でした。たまさか30数度超える暑い日もありますが、それでも日本の蒸し暑さを考えたら、余程楽ではないのか?そう思っていたものです。こちらでそんな日はゴルフ場から人が消えます。
反対に冬場はウエットですから、東京のような底冷えはありません。朝夕は気温が4,5度になりますが、昼には10数度になりますから、半袖にセーターを着る程度でしょうか・・・ぬるいところにいるとこんな軟になってしまうのか?

そう思っていた私も、今では冬はとても寒いと思うことが多く、あれほど快適だった夏にも蒸し暑いと思うことが増えています。
真夏と真冬は日本を避けるということもあるのでしょうが、こちらの生活に慣れてしまったというのが、最大の原因だと思います。

日本に行くと、美味しいものを食べられたり、機能的というのか、オーストラリアに比べると社会が洗練されていますから、何気なく使っていたコンビニなども、素晴らしいものだと思うし、こちらにあるセブンイレブンも早くそうなって貰いたいと切望しています。
その反面、こちらにはないので、すっかり忘れている地震などがあると、日本にいた時とは比べものにならぬほど、脅威を感じます。
特に夜になると、今晩、大地震が起きたらどうしよう、汚染などは大丈夫なのだろうか?

東北の震災の後、多くの外国人が日本から帰国した、帰国希望者が多いというニュースを観ると、大げさな奴らだ。と思っていたのですが、実際に自分が日本に行って数日しかいない間ですら、日々、怖いと思っていますから、日本に住んでいる皆さんには申し訳ありませんが、正直に言えば、今の私には、そう考える彼らの気持ちが分かる気がします。