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モチベーション オーストラリア支局長メルウェイ

キングストンヒースの入会に際しては、ハンティングデールのキャプテン、ディビット からもどうなった?と顔を合わせる度に聞かれていましたが、推薦状を書いてくれたこともあるので、報告すると、本当かい?それは良かった、凄いことだね。
また、この数日、周りの人からも、やったね、メルウェイなら大丈夫だとは思ってたよ。とは言われましたが、誰もそんなことは思っていなかったでしょう。
今までメンバーだったパターソンやロングアイランドの人達は、ハンティングデールに入った際にも、何であんなに、お高くとまっているところに入るんだ。ここはみんなフレンドリーで良いところじゃないか・・・よくこんな話をされました。
彼らの周りにはメンバーがいませんから、内容を知らずに、ただ何となくそうだろうという感覚で話をしていますが、まぁ、とにかく批判的でした。


ハンティングデールのメンバーにとっても、キングストンヒースはそんな感覚です。
とにかく自分たちは、入れないというのが前提にありますから、どうしても聞こえてくる話は批判的なものばかりです。入ってしまえば、どこでも一緒だというのは、間違いないのですがね・・・
そんなハンティングデールとて、オーストラリアでは誰もが知っている名門コースですから、クラブハウスの建て替えに、メンバーは一銭も負担していないし、駐車場の全面改修に際し、メンバーから寄付を募ったところ、3週間で85万ドルが集まるほどメンバーの懐は潤沢なのですから、他のゴルフ場からすれば羨ましがられるところです。
彼らですら、そう考えるのですから、やはりイギリスの階級社会の流れを汲んでいるのでしょうか?


ロイヤルメルボルンとキングストンヒースは両横綱として、他の追随を許さない離れた存在ですが、どうして近くにあるゴルフ場で、両者の間に違和感はないのか?またどういった違いがあるのか?・・・近ごろ良く聞かれるので、説明がてら書くことにしました。 私も知らない頃は、そう思っていました。簡単に言えば、ゴルフ場のカラーが全く違うものです。ロイヤルメルボルンは政治色が強いと言われています。プロ、アマ問わず良くトーナメントを開催しますが、素晴らしいトーナメントを開催することにコミッティーやメンバーが誇りを持っています。我々はこんなことが出来る。そういった点を誇示したがる傾向にあります。我々アマチュアの試合ですら、トーナメント仕様の36ホールから選ぶコンポジットでやるぐらいですから、その辺りもプライドの表れでしょう。 ゴルフ場は、いつ行ってもガラガラで、途中で会う人の多くが一人で回っているシーンを良く見かけます。勿論コンペもあるし、我々の出来る時が、人がいないからということもいえるでしょう。中には昔から、いつも一緒にやっているという人だっていますが、その人たちが他のメンバーに広がって行かないようです。あそこにはソーシャルがないと言われているのはそんな点でしょうし、ゴルフをしないメンバーがたくさんいるというのも特徴でしょう。


対するキングストンヒースは、生粋のメンバーシップのゴルフ場です。政財界は勿論、名士の集まりという点では似ていますが、他の人たちは関係ない、関知しない。もっと言えば、メンバーシップのゴルフ場は数々あれど、我々だけが本物だと、ほとんどの人が信じていると思います。ボブだけがそうではなく、実際にキャプテンや他の人たちの話を聞いても、話の至る所に、そういった言い回しが出て来ます。対外的にやたら花火を上げるロイヤルメルボルンに対し、とても内向きなのがキングストンヒースですね。閉鎖的という点では似ています・・・私が経験した特徴的な点を挙げると、ロイヤルメルボルンに行くと途中で会うメンバーに必ず声を掛けられます。コースはどうだい?ここまでは、どこのコースに行っても一緒です・・・しかし、次にくる言葉が、他のコースとは違います。今日は良い経験をしたね。・・・こう来ます。・・・何度行っても同じ言葉が返って来ます。 聞くたびに、私はムッとしますが、君たちにはめったに出来ないここでプレーが出来たんだから・・・こういうことでしょう。


一方のキングストンヒースは誰からも声が掛からない。無視されるということです。正確に記せば、メンバーがビジターを連れて行った際、一緒にまわる人たちは、当然、普通に話しをします。但し、ほとんどビジターには興味がないので、話が広がりません。 ですから、レストランで会う人たちが、誰も声を掛けてこないことも良くわかります。 どちらが良いというのではなく、こういった点で、はっきりとした違いが両者にはあります。私がメンバーになったら会う人みんなに声を変えようと思っているし、もし将来的にロイヤルメルボルンに入ることがある場合でも、他のコースで会う人たちと同じように、楽しんで!と言おうと思っています。


さて、本題になりますが、ステファンから、発表はこれからだけど、ニュージーランドとの対抗戦にナショナルチームの代表としてキャプテンがメルウェイを選んだよ。と連絡がありました。 正直なところ、全く喜びもありませんし、辞退したいとさえ考えています。 ランキングイベントも、今年の分を更に減らし、来年以降は全くの白紙に決めました。 去年行って、感動した全英シニアも、本戦から出場出来ることになりましたが、USシニアのコーリファイも含めて取りやめにしました。 休んだりして、何かが変わるのか?そんな考えもありましたが、未だモチベーションは帰らず、今ではゴルフをしたいとも余り思いません。 試合に出る前の段階で、どこへ行くにも飛行機だったり、車だったり、まず移動を考える時点で嫌になってしまうので、私にとって苦痛です。 ステファンを先頭に上位選手は、移動のことなど気にしていないようで、何でそんなことが苦痛なのかが、分からないと言います。 もっと言ったら、キングストンヒースとて、入れるのが分かった時点で冷めている自分がそこにはいて、それまでのプロセス、日本人で初めて入る。それが達成されてしまった今では、ハンティングデールに承認された時のような、感動、幸福感は一切なのです。



20日から22日の日程で、NSWシニアクラシックにエントリーをしてあり、ホテルなどもずっと前から予約していたので、17日の金曜日には行っていました。この試合は去年私が初めて出た試合で、今年も同じコースを使うので期待が持てましたが、何と強風、豪雨となり、初日は7ホールでサスペンデット、2日目は朝6時の時点で中止が決まりました。 試合自体は3日目だけでもやりますが、そこで私が考えたことは、もう帰ろうでした。地元の人ならいざしらず、他州から旅費を掛けて来ている人は、誰も帰ろうなどとは思いません。仮にホテルをキャンセルしても、当日ですから返金はされませんし、飛行機だって変更するには費用が掛かります。 それに1日となったとしても、ポイントのことを考えればやるしかありません。しかし、何より考えたことは帰りたいということでした。 すぐに明日は出ないという連絡をして、帰り支度をしましたが、その時の嬉しかったこと・・・何だかは良くわかりませんが・・・こんな具合です。


ゴルフをやめることはないでしょうし、その内また試合を楽しみたいと、そんな気持ちになるとは思いますが、そうなるのが何時の事やら・・・取りあえずメジャーのオーストラリアマッチプレーチャンピオンシップとオーストラリアシニアチャンピオンシップは出ることになっているので出ますが、また試合に出たくなるまで、暫くはお休みです。


ステファンは数日前に体調を考えて、試合をキャンセルしていましたが、私がNSWまで来ているのだから、食事でもしようと誘いました。
ステファンが突然、左腕のケンをさすって、もう2回も手術をしたと見せましたが、確かに傷跡があり、次また手術をするようになった時、その時が引退する時だと話していました。
(写真は左がステファン、右がサンドラ・ロイ)