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ナショナルチーム VS ADF オーストラリア支局長メルウェイ

ナショナルチームに選ばれたのを機に、色々な人から祝辞のメールをもらったので、始めのうちは、みなさん大げさだなぁ!そんな思いでしたが、実際に行ってみると、和やかな中にも、みんなの取り組みが余りに真剣なので、盛り上げるための冗談かと思うほどでした。
私は家から通えるので、キャプテンに了解を得て通いましたが、他の人は二手になってはいましたが、移動などみんなが一緒ですから、合宿感覚です。
日程は日曜日に全員で練習ラウンドをし、月曜日は午前中は4ボールベターボール、午後はパートナー、対戦相手も変わってフォーサムとそれぞれ2ラウンド、火曜日は個人戦のマッチプレーです。
互いのキャプテンが誰と誰を組ませるか、また個人戦は誰と対戦させるか、さながらライダーカップのようです。但し、全員がスクラッチで戦いますから、良い勝負になるように、選手を組ませるということになります。
ナショナルのオールドコースで行われましたが、総勢24名だけの為に2日間、使うのですから、やはり贅沢ですね。


例年、ADFが強く、去年はワンサイドゲームだったこともあり、相手は自信満々です。我々は55歳以上の集まりですが、彼らは20代、30代の選手が半数ですから無理もありません。
午前中の私は最終組、先日6アンダーでNSWシニアを優勝した、ビクトリアのグレッグと組んで、トニーとジョーとの対戦です。全員がプレーして良い方のスコアでのマッチプレーです。朝から強風でしたが、我々がスタートする頃になると、雨も激しく降り出して最悪のコンディションとなりました。
私は最強のパートナーですから、すっかり安心していたのですが、いざ出てみると、簡単には行きません。陸軍のトニーは相手チームのキャプテンで中心選手、やたらとコースを良く知っていたのですが、それもそのはず、ナショナルのメンバーでした。ジョーは27歳、エアフォース。トニーは隊長ということもありますが、がっしりとした体格で、声も大きく、いかにも肉体派、対するジョーは見かけもシュッとしてますが、パイロットらしく頭脳派といった出で立ちです。
若いだけでなく、軍隊にいる人たちですから、パワーが半端ではありません。アゲインストになると我々は3wで打っても、グリーンまで届きませんが、そんな中でも、彼らはミドルアイアンで打ってきます。グレッグには、私が手堅く行くのでバディーを頼みますね。と、そんな作戦を立てていたのですが、そんな時に限って、グレッグの調子が思わしくなく、途中から役割が変わりました。
天候も悪かったし、素振りだけして出て行きましたが、何だか私の調子が素晴らしく、難しいコンディションの中、4つのバーディーが出て2エンド1で我々が勝ちました。


午後もまた最終組、1つのボールを交互に打って行くフォーサムのマッチプレー。私のパートナーはステーブ。クインズランドの選手で飛距離もゴルフのスタイルも私と似ているので、フォーサムには良いパートナーです。風は相変わらずでしたが、雨が上がり、天候も回復しました。相手はまたもや隊長のトニー。もう1人はADFのNo1プレーヤーのロッド。彼もエアフォースのパイロット。トニーは40歳、ロッドは35歳です。
12番のティーで残り7ホール、我々は4ダウン。午後は私もスティーブも全く良いところなくズルズル。トニーは前半も良かったのですが、ロッドの飛距離はこれまた半端でなく、さすがにNo1プレーヤーですから、そつがありません。
それまで良かった隊長のミスで12,13番を取り、16番は15mの大きなフックラインの私のパットが入って取りました。17番強風のアゲインスト私のティーショトは何とかフェアウエー。隊長のティーショットが風に乗って谷底へ、ロッドの打ち直しも林の中に行ってギブアップ。ミラクルが起きて追いつきました。
18番は互いにフェアウエー、強いアゲインストの中、私のセカンドはグリーンへ。隊長のセカンドは、打った瞬間に声が出たのでミスショットだと思いましたが、全員がみているグリーンから大歓声となる3m。
悔しい敗退となりました。

初日2ラウンドの結果、我々が4ポイントのリード。その晩はゴルフ場で夕飯と懇親会がありました。40分程度だったでしょうか?それぞれに集まって歓談をする中、その間、キャプテンどうしの協議があり、個人戦の対戦相手が決まりました。双方のキャプテンが12のマッチを順番に読み上げて行きましたが、呼ばれた順番に席に着くので、つまり対戦相手と隣り合わせになります。
キャプテンが私の名前を呼ぶと、今度は隊長が、こっちはロッドだ。この試合は興味深いね。・・・ロッドの相手はグレッグだろ、なんで私になっちゃうの?正直なところ、80mも置いて行かれる奴とやりたくないし、個人的なことを言えば、2勝1敗と1勝2敗では大違いだし、記録として負け越しが残るのは、好ましくありません。


ロッドはミスショットをしても顔色一つ変えず、エアフォースのパイロットですから、午前中のジョーと一緒でとても冷静です。対極にある隊長が真逆のタイプですから、余計にそう感じたのでしょうけど・・・
実際にゴルフを離れて彼と話しても、そのイメージは全くそのままです。彼の奥さんもADFということですが、先週から半年の任務でUAEに行ったと聞きました。軍隊にいる以上、最悪の事態として落命する可能性もあるので、その点を尋ねてみると、常に覚悟は出来ていると即座に答えました。
ロッドは普段、SWのベースに勤務しているそうですが、HC+1でSWの名門グレンジGCのメンバーだそうです。去年は2日目の個人戦をゴードンと対戦したようで、最終ホールでやっと1Upで勝ったと言ってました。去年も3勝、今年も今のところ2勝ですから、強敵です。


飲み物も食べ物もふんだんに用意されていたのですが、歓談の途中、自己紹介それぞれの活動など順番にありました。隊長のスピーチによると、今年になってから自分たちの部隊だけで7人が亡くなったということでした。
ゴルフをして楽しんでいる彼らには、そんなところはみじんもありませんが、彼らとて常にそんな危険がある訳ですから、そのギャップというのか、OnとOffの切り替えは想像がつきません。
我々同様、ADFの選手もオーストラリア全土から来ているのですが、この試合の前から全員で同じところに泊まっているそうです。折しもこの試合が終わると、翌日は練習日、木曜日、金曜日と今度はビクトリアの代表対ADFの試合が組まれていますから、この1週間は存分に楽しんでもらいたいものです。


6時半から始まったパーティーは9時半に、隊長の話で中締めとなりました。私は1時間掛けて家に帰るのでここで会場を離れたのですが、その際、ゴルフ場にも悪いからそろそろ解散という話があると、スタッフから、そんなことを考えず続けて構いませんということもあり、結局、夜中の12時まで続いたそうです。24人の為にゴルフ場を使うのにも驚かされますが、このパーティーの為に、ウエイトレスの人達、ゴルフ場のスタッフもずっと付き合うのですから、これまた驚きです。

キャプテン同士の対戦が最後ですから、私とロッドはその前です。
1番こそ引き分けましたが、2番、3番は強烈なアゲインスト。私がドライバー、3Wとナイスショットをしても80yも残ります。彼はミドルアイアンで届くので、何も出来ず2ダウン。7番で私がバーディーを取ると、流れが来たのか、10番の引き分けを挟んで4つを連取して2アップ。ヨシと思ったのもつかの間、今度は私のミスと彼のバーディーであっという間にイーブン。引き分け後の15番、ロッドのボールはプッシュアウトで林の中へ、このホールを私が取って1アップ。16番は大ピンチでしたが、何とか分けて17番パー5、普段なら私でも2つで届くホールですが、今日は全くその可能性がありません。私は安全なサイドにティーショットを打つと、ロッドは林越に素晴らしいボール。本人も満足してみていましたが、想像を超えたアゲインストの風は、彼の高いボールを押さえつけたのか、最後の木に当たり林の中へ。
あっけない結末で、私に勝利が舞い込みました。


チーム戦も4年目にして我々の初勝利となり万々歳。グリーンサイドに待っているチームメイトがみんな寄ってきて、メルウェイ、良くやった。と1人づつ握手を求められました。
試合が終わって私が家に着くと、チームの人達から順番にメールが入りました。それぞれが空港にいたと思いますが、余程嬉しかったのか、未だに興奮しているようです。また選手だけでなく、試合結果をみた人たちからも、良くやったメールが入ったりと、返信に忙しくしていました。
私はまた明日から休みに入ります。