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ACTシニア PART1 オーストラリア支局長メルウェイ

過去の試合を振り返ると、初めての試合、NSWシニアクラシックの1番、バーディーを取って以来 、私のスタートホールはとても悪く、その後に出場した4試合での1番ホールを思い起こすと、それ以降パーを1度も取っていません。流れを掴むためにも、そっと出たいので、今回の1番はティーショットを右サイドに置きに行きました。
上手く打ちましたが、スプリンクラーに当たったのか大きく右へ、前に木がせり出しているのでグリーン方向には打てません。左のバンカーを狙いその通りに打ちましたが、結果はまたもボギースタート。一緒の組にはナショナルチームで仲良しのポールと前年度3位になっているリチャードです。
ポールはパー、私と3パットをしたリチャードがボギーでした。

またもや同じ展開です。
どうしても取り返したいという気持ちが強くなるので、ショットはまだしも、パッティングの際にぎこちなくなってしまい、自分を取り戻すのに時間が掛かってしまうし、その後の展開でボギーが続いたりすれば、それから持ち直すことはほとんど不可能になります。
今回は新しい試みとして、私が試合の際にどんなことを考え、どんな感じで、周りを見ながらゴルフをしているのか、書いてみようと思います。

ポールは全てのクラブをそつなくこなしますが、特にパッティングは抜群です。全英シニアの練習ラウンドを含めると、既に彼とは7ラウンドしていますが、パッティングに関して言えば、平均して1日3打は、私より良いと思います。

2番のティーショット、ポールのボールはやや左サイド、左右に池があり右ドックレッグしているので、左サイドが狙い目です。彼は狙い通り打ちましたが、運悪くカートパスに跳ねて先の林の中へ・・・
みんなで探すも結局見つからず、打ち直し。2打目は右池、砲台グリーンの左はかなり下がっていて、ややこしいホールです。私は左には落としたくないので、ピンやや右へ、リチャードもピンの右へ。ポールはピンに真っすぐ打ちましたが、やはり左にこぼれました。
ポールの心情を思うと、何とも言葉がありません。
アプローチは上手く打ちましたが2mショート。リチャードは2パットでパー。私のボールは思ったより近くにあり4m。狙ったところに打ちましたが入りません。
ポールはこれを沈めてダブルボギー。やっぱり上手い!

3番は208yのパー3。
私はアゲインストの風の中、6Uでピンハイに3m。リチャードは右手前のバンカー。ポールはグリーンの手前3m。
まずはリチャード、ピンまで20m。恐らく彼からは旗先しか見えていないと思いますが、素晴らしいバンカーショットは何とカップイン。ポールのアプローチは2m。絶好のラインも私のパットはまたもや外れる。名手ポールも外してボギー。
1番で3パットをしたリチャードは、ボギーも覚悟しただろう、このホールでバーディーですから、これは大きいです。スタート直後の2オーバーとイーブンでは、天と地の差があるので、この先の彼は必ず良いゴルフをするはずです。


ゴルフの試合では、当面の相手となる同じ組の人より、良いスコアでなくては上位には行けませんから、まず始めの戦いはここからで、同伴競技者のプレーぶりはとても重要です。トーナメントの組み合わせは、初日から上位に来るであろう選手たちが、組み合わせされるので、前後の組の情勢で色々なことが判断できます。理想的な展開は数ホール全員でパーを重ね、9ホール終わる頃、自分が1打、2打他の人より良いというのが最も良い展開です。精神的に安定しているし、余裕もありますからより良いプレーが望めます。
良くない展開としては2つ、他の人がみんな調子が悪い。一人がどんどん走ってしまうことです。

4番のパー5は私の予想通りで、リチャードは3打目を50cmにつけてバーディー、ポールと私はパー。
5番は全員パーとして6番。私とリチャードはパー、ポールがまたもボギー。
リチャードは1アンダー、私は1オーバー、ポールは4オーバー。リチャードはノリノリ、私はイライラ。ポールはどんな思いでしょうか?ポールのことだから大丈夫と思いつつ、これからどんなゴルフをするのか、ある意味でとても興味があります。
7番は460yの長いミドル。左はダブルバンカーであごが高く、右は林で、長いホールなのに何故かとても狭い。
リチャードはど真ん中、ティーショットが難しい中、乗っている人に先に素晴らしいボールを打たれると、後から打つ人にはプレッシャーが掛かります。私のボールは左に出るも、バンカーのヘリに跳ねて真ん中へ。ポールは左のバンカー。ここに入ったら出すだけです。私は残り182y6番でピン手前15m。リチャードは9mピンハイ。
ポールはボギー、私はファーストパット1.5mショート。ここで何とリチャードは強めに打って、またバーディー。私は思い通りに打てるも、蹴られてボギー。
3パットしてしまったショック、ここまでまずまずのゴルフをしているのに、バーディーパットを外しているうちに3パット。最悪です。
9番でもリチャードはバーディーを取り、何と前半は33。私は9番でも1.5mのチャンスを外して38。ポールは41。


リチャードのゴルフが素晴らしいので、何とか離されないようにと思うのですが、目の前で見せつけられるので、自分の番になると身体がスムーズに動きません。良く相手のことは見ずに、自分のプレーに集中してと、プロがテレビのインタビューで言いますが、あんなものは全くの嘘でしょう。
実際に見えるのですから、影響を受けないわけがありません。そういう気持ちでプレーを続ける。続けたいという意味でしょうが、トーナメントで誰かが10アンダーなどで来ると、その組の他の人は、ほとんどの場合、平凡なスコアになるのが常です。
さすがのポールも、今日はもう駄目でしょう。淡々とやっていますが、噛み合っていかないし、私同様すっかりリチャードのゴルフに翻弄されています。私がポールなら確実にグレています。

10番に歩いていく途中、話をしながら行きましたが、リチャードはとにかく、ドライバーとパターが絶好調でした。何でも入っちゃうね。などと軽口を聞いていましたが、彼いわく近ごろの悩みはパッティングだそうで、今日は自分でもびっくりしているとのことでした。左手を支柱に、右手は親指と人差し指でシャフトを挟み込むスタイルのパッティングですが、確かに悩みがあるからあんな形で打っているのでしょう。それにしても素晴らしい。

後半は風が相当強くなってきました。
私は12番でまたもやボギーを打って3オーバー。リチャードは10番でティーショットを池に入れてダブルボギーを打ちましたが、その後はしっかりパーを取り1アンダー。
迎えた14番。私の5mのバーディーパットがついに入る。我慢して我慢してやっと取れたので本当に嬉しい。
続く15番。セカンドを打ったらピッタリで80センチ。1オーバーになりました。


ガンガリンレイクスというぐらいですから、至る所に池があります。
16番はパー5ですが、グリーンの手前は大きな池があるので、2打目は刻みです。ティーショットは狭く、左は池なのでティショットを安全に4Uと考えましたが、風が強くなったフォローのこのホールをドライバーで打てば、2つで行くかもしれない。そんなことも頭をよぎりました。きちんと頭の中を整理してから打てば良いのですが、普段から素振りもせずに打つ為、考えている途中に早く打たなくちゃ。そちらが優先されてしまい、取りあえずドライバーで軽く打っておくか・・・これは最悪で、軽く打ったら次は確実に刻みだし、軽く打つにもドライバーでは怖すぎる。私はこれを良くやってしまいます。時すでに遅しで、池こそ助かりましたが、出すだけになり、3打目を考えましたが、この精神状態では確実にまた池だろうと、今度は冷静に判断して刻みました。
ここでリチャードですが、3打目が200y残っています。当然グリーンに打ちますが、グリーンが横長なので、奥行きがなく、手前を意識しすぎると今度は奥の池に入る可能性もあります。リチャードはUTを持っていますが、ドローヒッターですから、風を考えると大きいのでは?

良薬はバーディー。とプロは言います。流れを変える、展開を良くするには、アマチュアにとっても同様です。誰も口にはしませんが、正直なところ、もう1つあるとすれば、相手のボギーでしょう。ゴルフは精神面が大きく作用するので、良いゴルフをされればされるほど、こちらはプレッシャーになるので、崩れて欲しいなどとは全く思いませんが、走っている相手が1つボギーを打つと、ついに止まったのか?正直に言えば、相手のミスを喜ぶのとはちょっと違いますが、ホッと一息つけるので落ち着けるというのが本音です。それがきっかけとなってこちらの展開が良くなることもあります。

リチャードは前のホールでボギーを打ちました。それでもイーブンですから決して悪くはありませんが、心中は穏やかではないでしょう。私がリチャードのスコアを気にしているように、彼も私のスコアを見ているのですから、あれだけ離れていたスコアが1打差になったことが、今度は彼にプレッシャーとなります。
4打目にかけた私は2mにつきましたが、外れてボギー。それでもボギーは覚悟していたので、それほどショックはありませんでした。それまでは外れまくっていたので、精神的に良い状態ではありませんでしたが、2ホール続けてバーディーを取れたし、今度チャンスが来ればまた取れると、そう気持ちが前向きになっているからです。リチャードはやはり大きく奥へ入り、植木の中に入ってしまいアンプレアブル。難しいアプローチを60cmに寄せましたが、何とこれをミスしてダブルボギー。

17番パー3は152y
横からのアゲインストで8と9で少し考えましたが、アドレナリンも出ているから9番を選択、完璧に打てましたが、上手く打ち過ぎてちょっと戻ってしまいました。それでも4mとチャンスです。リチャードは乗りましたが、大きめのクラブで大事に打ったのか、奥に9mです。私の反対側にポールが乗っています。
流れを掴むことは大切で、展開も良くなります。反対側からポールが打ってくれましたが、彼のパッティングは元々良いので、とても参考になります。彼のボールはラインに乗っているように見えましたが、最後にすっと伸びて抜けました。私の読みではもう少し曲がると思っていたのですが、実際には軽いフックでカップ際は曲がらない。こんなはずです。
自らのストロークも良くなっているし、ラインが分かっているということは、相当な確率で入るのではないか?・・・今までとは精神状態が大きく変わっているので、こうなるとミスはしません。打った瞬間に上手く打てたと感じましたが、真ん中から入りました。

リチャードは下りの9mを2mショートしてしまい。またもやボギー。流れを掴んで、ノープレッシャーの中で、リズム良くラウンドして来た人が、上がりの数ホールを前にこうなると、本人は冷静にと考えて、注意深くやるのですが、何をやっても上手く行かなくなります。私自身にも経験がありますが、タイミングが取れなくなるし、酷くなると30yのアプローチをしても、ぎこちなさを感じたり、違和感を感じます。
リチャードは18番でもボギーとして76。ポールは81。私は73。
初日、ビクトリアシニアの最終日一緒に回ったサルが72でトップ。私ともう1人が2位タイ。73,74,75と結構いて混戦模様です。