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キム・オルセン オーストラリア支局長メルウェイ

偶然一緒になって、知り合いになりましたが、それからは1度も会っていないので、友達とは言えないだろうし、彼を表現するのはちょっと複雑です。
ただ人懐こく笑顔の絶えない男です。去年オーストラリアのシニアツアーにデビューした彼は、小さい試合まで含めると年間で13勝をして、ルーキー・オブ・ザ・イヤー、平均ストローク、最多勝、賞金王、MVPなど全てのタイトルを獲りました。
初めて一緒にラウンドをした時は、圧倒的な上手さで、隙がなく、なんてうまい奴だろうと思いました。無名の選手の中に、これほどの選手が隠れているの知った私は、このレベルになるのには、どれくらい掛かるのだろう?なれるのか?そんなことを考えると同時に、私は手じまいをしようと思いました。
その時点で来年からツアーにデビューするのは知っていましたし、今までラウンドした選手との比較から言っても、彼は抜けていると思いましたから、トーナメントでも充分勝負になるだろうと予想はしていました。
もっとも無名だと思っていたのは、私が知らなかっただけで、すでに名前は売れている選手ではありました。しかし予想はしていたものの、まさかあれほどセンセーショナルにデビューするとは思いもよりませんでした。

オーストラリアのシニアツアーは大きな賞金の試合は数試合ですが、大小合わせると30試合以上あるので、結構盛んです。今年からアメリカのチャンピオンズツアーにも参戦しているピーターシニアやピーターファウラー、ロジャーデービス、今年からイアンベーカーフィンチも出ています。イギリスとの親密な関係があるので、イアンウーズナムやサンディーライルなども出てきます。

キムは何故か私が気に入ったようで、連絡先を教えてほしいというので、その時、電話番号とメールのアドレスを交換したのですが、定期的にメールをくれてはいました。
先々週ニュージーランドの試合で、今やっている全米シニアプロにも出ているピーターに最終日66を出して追いつき、プレーオフで勝ったことは、ネットに出ていたので知っていましたが、数日前にメールが来て、今週は時間があるからゴルフをしようと誘いがありました。
ハンティングデールでやることになり、キムの友達でアマチュアのシニアの試合に出ているというグラハムを連れてくるということになりました。

先々週、アジアのシニアツアーに出ているSプロが、メルボルンに来ていました。彼は元々プロではなかったのですが、一昨年からプロとしてタイを拠点にツアーに出ています。日本では日本アマにも何度も出ていたし、それなりに実績のある人です。
3年前になりますが、現地の人からメルボルンに知り合いのプロが来るのだけど、メルウェイの他には相手にならないからやって貰えないかということで、それからやるようになりました。また日本から毎年練習に来るシニアのFプロも、こちらに来ると私に連絡があるので、一緒にやるようになりましたが、去年は3人で何度か一緒にもやりました。
Fプロも数年前まで日本のシニアツアーでシードを持っていたし、去年も一昨年もコーリファイをパスして日本シニアオープンにも出ています。
Ozのプロだけでなく、彼らからも薦められたり、またトーナメントでもそれなりにやっている彼らと自分ゴルフを比較する中で、この程度なら私にも出来るだろうと思ってしまい、ちょっと転向しちゃおうかな、そんな感覚でした。
それから、練習とジムに力を入れたのですが、キムのゴルフを見たときに、こりゃダメだ!
勝負にならない。無駄なことはやめよう。そう思いました。

キムとは久しぶりの再会です。あの当時は私がハンティングデールのメンバーではなかったので、ここにする?と聞くと、行ったことがないから、ぜひにとキムは言いました。
キムはOzにしては背も低く、私とほぼ同じぐらいです。体型もほぼ一緒です。
彼は今やオーストラリア、ニュージーランドのNO1プレーヤーになりましたが、トーナメントの成績があまりに凄いので、私が初めて彼のゴルフを見た時より、更に成長しているのであろうキムのゴルフを楽しみにしていました。

1番のパー4は420yでセカンドは打ち上げの長いホールですが、初めてのキムは迷わず3wを選択、ど真ん中へ・・・セカンドは恐らく5番か4番でしょう。ピンの横に3m。
簡単に沈めてバーディーのスタート。2番はティーショットをプッシュして、少し林の中、スライスで打つも手前のバンカーへ、バンカーショットは5m、しかし難なく沈めてパー。
ショットは勿論素晴らしいのですが、とにかくパッティングがもの凄い。
初めてやっているコースでこの入り方は異常でしょ・・・

7番のバンカーでミスをしてダボを打ち、18番の3パットでボギーを打ちましたが、6バーディーで69
初めて回ってこれですから、驚きですが、とにかくパッティングが素晴らしい。
こちらのグリーンですから、1m、2mのパーパットは残りますが、ことごとく入れてきます。また6つのバーディーとて、短いのは2つだけで、2つは6m、7m、あとの2つは9m、もう1つは13mのパットでした。18番の3パットとてセカンドは素晴らしいボールでしたが、距離の読み違えなのか、奥のとんでもないラインに行ってしまったものでした。

やっぱりキムは凄かった。これが私の感想です。
初めてやった時は、私より常に15yぐらいボールが先にありましたが、近ごろ私も飛ぶようになったので、飛距離に関しては変りません。しかし当たり前ですが、全てのクラブの精度が違います。キムはスライスもフックも打ちますが、どちらかというとクラブが下から来るタイプですから、私が彼と同等にやれるものと言ったらバンカーショットぐらいでしょうか・・・・

ここのメンバーでツアーに出ている、マイケルやクリスともやりますが、20代の彼らのとてつもない飛距離、高くて空気を切り裂いていくような、強いボールはキムには有りません。しかし、飛距離やヘッドスピードは年齢的なものですから、見た目の派手さが劣るということで、ゴルフ、つまり出てくるスコアとはまた違うものです。
ショットの正確性を見れば、明らかにキムに軍配が上がるでしょう。クリスのパッティングには定評があり、確かに上手いと思います。しかし細かくデータを取って比較すれば、ここでもキムに軍配が上がるのではないでしょうか?
シニアとはいっても、賞金王になるような人はものが違うといった感じですね。

グラハムはHC6、元AFLオーストラリアンフットボールの選手で63歳になると言ってましたが、まだ鍛えているのか、筋骨隆々の素晴らしい体です。ゴルフが大好きといった感じで、ハンティングデールには何度も来ているそうです。いつもニコニコしていて、楽しい人でした。数年前までアマチュアの試合に出ていたというので、来年からの参考になるだろうと、また別の意味で、彼とのゴルフも楽しみにしていましたが、1番のティーでアドレスを見たときに、この人が数年前の全盛期のころだったとしても、大きく力不足だったろうことはすぐに分かりました。
ちょっと残念!