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シャンク オーストラリア支局長メルウェイ

練習もせず、ただゴルフをするようになって随分と経ちました。
自分の中では、やっていないのだから、どうでもと思いつつも、ゴルフというものは
やはり結果が出ないと、どんどんつまらなくなって行きます。
暫くぶりに会う人は、どうしたメルウェイ?つまらないミスをする私に決まって同じことを聞くので、やっていないと説明をするのも面倒になってくるし、そのうち何だか、何時も言い訳をしているようで、どんどん不愉快になって行きます。
それでも、HCというものがあるのだから、HCが5や6になれば、それなりに楽しくもやれるのかな?そんなこともあり、いたって気軽に考えていました。
元々、練習はほとんどせず、そこそこにやってこれたので、ある程度の所ではやっていけるだろうなどと、根拠のない自信もありました。
しかし、そこには重大な問題があるのを、私自身、全く気付いていませんでした。

それは劣化です。
歳を重ねるということは、まさしくそうなのでしょうが、30代、40代それぞれに衰えを自身で感じてはいました。私がそんな話をすると、決まって、50代の人からは、50歳を超えたら、その感じ方は倍になって感じるよ!・・・とよく言われて来ました。
若いころ、私より10歳、15歳と年長の人たちで、ゴルフが上手な人たちをたくさん知っていましたが、自分が40代になって、久しぶりにその人たちとゴルフをすると、あんなに上手かった人が、どうしちゃったの?こんなに飛ばなかったっけ・・・
そんな経験を何度かしています。
自分のことには気づかないのか?良く考えてみれば、すでに自分の年齢が、そのあたりに到達しているし、きっと60歳を超えたら、その劣化はものすごいことになるのでしょう。

もう2か月も前になりますが、出だしのパー4でフェアウエーのセンターからセカンドを打つと、何とシャンクが出ました。勿論シャンクの経験もあるし、上手くなる過程で掛かるシャンク病にもなりました。
その頃は一般的に良く出る、ショートアイアンでのものでした。ところが今回は5番アイアンです。まぁ、そんなこともあるか?・・・とは思いつつ、シャンクはとっても気持ちが悪いものです。結局その日はそれだけでしたが、次のラウンドから、必ず1日1回ないし2回出るようになり、何時も5,6番アイアンあたりで出ます。偶発的に出てしまうことはあっても、このように習慣になると、とても不愉快で、ある時、スタート前にチップショットをしていたら、シャンクが出ました。その後は、3回打つと1回はシャンクです。
とうとう、ショートアイアンに出たということは、ついに病原体が体全体に転移してしまったようです。
シャンクの連発など、経験は全くしたことがないので、頭の中は真っ白です。スタートしてからは、シャンクのことばかり考えてしまい、ゴルフにならないというより、情けなさと、絶望感で一杯です。少なくともシャンクだけは止めなくちゃ・・・そう思いました。

週に2度、また水泳を始めたので、その帰りにゴルフ場に寄って練習することにしました。ゴルフをする日以外、クラブを触らなくなって1年以上も経つのだから・・・と自分を慰める傍ら、ちょっとやればシャンクなんかすぐに治るし、ゴルフもあっという間に良くなるはず。と、ほとんど簡単に考えていました。
確かに練習をすると、その時は出なくなりますが、コースに行ってゴルフをすると、相変わらずシャンクが出ます。そんなことを繰り返していると、だんだん自信喪失になり、シャンクの出るシステムが分かっているはずなのに、この練習で良いのか?そんなことまで考えてしまいます。この時ばかりはプロに習おうかと、何度も考えました。
2週間、練習しても結果は出ず、もがいていましたが、出口の見えないトンネルに入ってしまったようで、このまま止まらないのではとそんなことすら思うようになりました。



今までなら、すぐに出来る、出来たことが出来なくなる。考えているように身体が動かない。これがきっと加齢による劣化ではないのだろうか?・・・気持ちを切り替えるためにも、何ではやめて、歳を取ったのだから時間が掛かる。と、そう自分を納得させることにしました。そう思うと、気持ちも楽になり、また、日々、確実に過ぎていくので、大きな手ごたえは得られずも、シャンクは止まり、打つボールも少しづつ良くなって来ていました。
しかし、それから1か月、ボールはそろってきているのに、突然酷いボールが出たり、一度悪くなると、ずっとそのままになってしまうようで、相変わらず結果が出ません。

暫く自分を見失っていたこともあり、気が付くのに時間を要してしまいましたが、ある時、自分のゴルフを分析してみると、5番アイアンを持った時、今までのようなイメージのボールが出る確率が減ったことが分かりました。5番アイアンには特に神経を使うようになったし、シャンクの始まりも5番アイアンだったように、神経を使っているクラブでミスをするようになると、悪いスパイラルに入ってしまいます。

私の中では、年齢などを加味してドライバーのシャフトを柔らかくしたり、4番アイアンを抜いてみたりとしてきましたが、こちらのコースは長いホールでもグリーン手前にバンカーがあったりするので、180Yを打つ時も、キャリーを出していかないと、厳しいところも出てきます。基本のところで、高いボールを打つのは易しく、低いボールを打つのは難しいと考えていますが、今までと同じ感覚で打った時でも、体力が落ちているのでしょう。5番アイアンになると、スピン量が減っているので、ボールが上がらなくなり、グリーンに落ちたボールの転がりも多くなっていました。
ちょっと抵抗はあったものの、5番アイアンを抜いて、UTの6番を入れてみると、何と易しいことか・・・ゴルフは精神的なものが大きく左右するので、不安の解消と時間の経過で相乗効果が出たのか、1か月を経過した現在、先週、今週と今までかすりもしなかった競技会に優勝しただけでなく、最後に記録したのはもう20年も前になりますが、30というスコアが出ました。
何をどうしても加齢を止めることは出来ませんから、これからのゴルフは、きっと年々下手になっていくはずです。そのうえ、我々の年齢になると、何もせず手をこまねいている場合、坂道を転げ落ちるように、あっという間に落ちていくことも良くわかりました。



面白いデータがあるので紹介します。オーストラリアも55歳からシニアの試合で出られます。私のいるビクトリア州にもビクトリアシニア選手権という公式戦があり、1番大きな試合はオーストラリアシニア選手権です。これに勝つと、全英にも招待されるそうですが、年間にシニアの公式戦が20数戦あり、それぞれの試合の順位でポイント制になっているので、オーストラリア全土でのランキングがあり、その成績の上位者が翌年のシード選手になります。
シニアの試合になると、グロスの部とネットの部があるので、HCが記載されています。
それを見てみると、ランキングの上位をみても、HC0という選手は2人しかいません。さすがにHC3,4になると多くなりますが、HC1や2も数える程度です。
55歳以下の試合になると、様相は一変して、HC0はごろごろいて、勝負けを争うグループはもれなく、+HCの選手ばかりです。
50歳を超える辺りから、HCの維持は極端に難しくなるようで、体力の衰え、健康状態と複雑に影響して来るようです。ですから、若い世代にはごろごろいる+HCの選手も、55歳になる段階でみると、HC0,1と言う上級者は極端に減ってしまいます。メンタルな部分、技術的な部分では申し分ないはずの選手たちですら、こうなのですから、この辺りからの年齢での劣化はきっと相当なものではないのでしょうか。