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メンバーという立場の違い オーストラリア支局長メルウェイ

クラブハウス

私は日本、オーストラリアと双方でゴルフ場のメンバーになっています。アメリカでもメンバーになっていたことがあります。それぞれに、ゴルフ場の事情や考え方の違いはあるにせよ、余りに違いがあると、どちらが正しいのか?当たり前のようなことまで、疑問になってくるから不思議です。

日本でゴルフを始め、長年ゴルフをしていると、何を意識する訳でもないのですが、習慣なのか、文化なのか、無意識のうちに、日本でのゴルフに染まるのでしょう、与えられた環境を受け入れ、何1つ疑問に思わなくなります。私自身もそうであったように、気が付けば何十年も経ってしまうのですから、環境というものは恐ろしいものです。他国でのゴルフ事情を知らなかったといえば、それで終わりですが・・・。

日本では、カートをコース内には入れない。ほとんどのコースはそうなっているし、コースが傷むと言われたら、なるほどと思ってしまいます。ではまことにそうなのか、と言ったら、それはきっとNOでしょう。
カートパスしか通れないコースなど、ここでも、アメリカでも聞いたことがありません。大雨が降ってぬかるんでいる、雨が続いてコンディションが悪い時などは、カートの使用が禁止になりますし、また状況に応じて、カートパスを進んで、ボールのところに来たら、ボールに向かって90度でコースに入っていくなど、特例としてはありますが、カートが入るからコースが荒れるは、詭弁でしかありません。

コースが荒れると心配するのであれば、むしろコース内にカートを入れるのが本当でしょう。
ボールから離れたところに止まったカートからは、クラブは何本も持っていかなくてはならなくなるし、カートについている砂袋は人数分すらないのですから、プレーヤーが確実に目土をする事は不可能です。では、キャディーさんにやってもらう?それこそキャディーさんは、プレーヤーにクラブを持っていく、クラブを取り替える、プレーヤーの打ったボールを見ていなくてはならないとなれば、確実に目土をするのはこれまたほとんど不可能でしょう。ボールを打ったすぐそばに砂があるから、ディボットを埋められるのであって、そうでなければ難しいものです。
プレーの進行だって、カートがコース内に入ればどれほど早くなることか・・・

日本、オーストラリアに関係なく、メンバーであれば、多少の温度差はあるにせよ、誰しも、自分のコースには愛着があるものです。
日本でセルフが中心のゴルフ場は、どうしてもフェアウエーが荒れがちです。特にグリーンなどの前に池があったりすると、カートパスは大きく回りこむので、カートはかなり手前で止められ目土がやり難くなり、池の手前は穴ぼこだらけ。。。こんな状況を見かけます。
それでも、メンバーの人たちは、出来るだけ目土をしようと、やっていると思いますが、とても追いつかないのが現状です。オーストラリアは完全にセルフですが、メンバーシップのゴルフ場は、ほぼ目土がされています。では日本のゴルファーのマナーが悪いのか?・・・私はそうでないと思っています。

クラブハウス

こちらでは、バギーにキャディーバックを乗せて、歩いてゴルフが基本ですから、皆、バギーに砂袋を持っています。ですから、打ったら埋める。またディボットを見掛ければ、埋めていきます。カートでプレーしても、コース内に入れるので、打ったら埋めるが習慣になっているだけです。
恐らくはオーストラリアのゴルファーが日本でプレーしたら、ディボットを埋めないでラウンドすることになると思いますし、もっと酷いことになるかもしれません。

よく日本ではディボットの目土にご協力下さい!と言われます。では、百歩譲って現状のままカートでプレーしたとしても、コース側はもっと配慮が必要でしょう。今の形では、本当にそう思っているのだろうか?もっと言えば、コースが荒れても、それほど気になってはいないのではないのか・・・そう思えて仕方がありません。
日本ではカートを止めたところから、ボールのところまで、何本かクラブを持っていかなくてはならないのですから、砂袋は人数分は乗せるべきだし、もっと軽くして持ち運びを簡単にすべきです。その分、砂の補充もしやすいように、砂の置き場も、もっと増やさなくてはなりません。

こちらでは、スタートのティーには必ず、砂入れと砂はあるし、万が一忘れた人のために、2番のティーにも、同じく、砂入れと砂は用意されています。ホールごとだったり、数ホールごとに砂置場があるので、何時でも補充は簡単です。
協力を求めるなら、協力しやすい環境を整えるのも、必要ではないでしょうか。この辺りの対応を見ても、どうも違和感を感じてしまいます。

ゴルフ場写真1 ゴルフ場写真2

本来メンバーとゴルフ場の関係は?と考えたくなりますが、日本にいるとそう思うのであって、こちらにいたら、そんなことは全く考えなくなります。
一心同体だからです。日本であっても、本来の建前は、ゴルフ場を建設する費用を、メンバー数で割って募集という図式ですから、メンバーのためのゴルフ場であるはずなのですが、いざ、出来てしまうと、ゴルフ場に一方的なイニシアティブがあり、メンバーの意見など全く反映されていないのが現状です。ですから、このような環境の中で長くゴルフをしていると、おかしなことも疑問に思わなくなってしまいます。

コースのメンテナンスは大切です。こちらのメンテナンスは大掛かりで、例えばコーリング(日本ではエアレーション)年に数回、グリーンに穴を開けるのですが、数日間コースをクローズして行います。
この間、メンバーは当然ですが、ゴルフが出来なくなります。日本ではコースをクローズしてまでは、やらないと思いますが、もしやった場合を想定すれば、メンバーは数日間ゴルフが出来なくなることに対し、何の疑問も持たないでしょう。
しかし、こちらのメンバーは、12月25日のクリスマスの日(全てのゴルフ場がお休み)以外は、毎日ゴルフをする権利がある。と思っているし、片やゴルフ場もそのように対応します。
先日、ハンティングデールでメンテナンスのため、4日間コースをクローズしましたが、その時は同じ名門と言われている、キングストンヒース、メトロポリタン、ビクトリア、ロイヤルメルボルンと4コースに分かれてゴルフをすることが出来ました。勿論、毎日、それぞれのゴルフ場でプレーしても、メンバーは一切、費用の負担をすることはありません。
特定のゴルフ場だけがそうしているのではなく、メンバーコースであれば、どこでも同じように対応をしています。

先週は、ハンティングデールでオーストラリアアマチュア選手権が開催されましたが、練習ラウンドと本戦でゴルフ場は1週間クローズとなりました。その際はコモンウェルス、ヤラヤラ、キングストンヒース、ロイヤルメルボルン、ビクトリア、メトロポリタン、の他、ペニンシュラまで入って、メンバーのゴルフはカバーされました。
日本では、トーナメントやアマチュアの試合でコースを使っても、代替のコースは用意されないのは、ごく当たり前のことだし、もっと言えば、議員の貸しきりコンペなど、単なるプライベートなもので、コースがクローズされたとしても、代替のコースなど用意されないのが、通例になっています。
かつては、私もそうであったように、大多数の日本のメンバーは、これらに対し、何の疑問すら持たず、受け入れています。

トーナメントがあるから代替のゴルフ場を用意しない。ましてや貸切のコンペがあるから、その日はメンバーでもゴルフが出来ないなど、あり得ないことではあります。もしこちらで、そうなったら、とんでもない騒ぎになるでしょう。

メンバーになるということは、ただゴルフが出来るだけではありません。
私が初めてゴルフ場のメンバーになった時、真っ先に思ったこと、それはゴルフ場に対する愛着が急に強くなったことです。新しく親戚が出来た。恋人が出来たようでした。
それまで目にも留まらなかった、落ちている小さなゴミまで気になってしまい、拾って歩くようになりました。そのうち、他のゴルフ場に行っても、目に付くものは拾うようになりましたね。ゴルフ場に行って署名する時、メンバーの所に書き込むのも、気分が良いものです。
ビジターで行っても、ゴルフをするのは同じですが、何となく優越感、そして、ゴルファーになったと自覚を持ったのも、初めてメンバーになった時ではなかったのかと、私は思っています。

こちらのように、メンバーとゴルフ場が一体になると、この気持ちがもっと進むようです。一種のプライドになり、ゴルフ場に対する思い入れがとても強くなりますから、シャツや帽子なども、ゴルフ場のネームやロゴが入ったものを、率先して着る人が多いですね。ですから、2つ、3つと同時に複数のゴルフ場のメンバーになる人はほとんどいません。複数のゴルフ場に入っている人は、メインコースと週末のリゾート用といった入り方で、私のようなものは、浮気ものと思われていると思います。
クラブハウス周りの修繕、草木の手入れなど、時々ゴルフ場でボランティアを募集したりすると、あっという間に人が集まるのも特徴です。
ただ、余りに思い込みが強いので、私から見ると、ほとんど、あばたもえくぼ状態ですかね・・・(笑)

ゴルフ場写真3 ゴルフ場写真4

この写真は、先日、オーストラリアアマがあった際、代替としてコモンウエルスに行って来たときの写真です。下の写真は、チッピングの練習場ですが、コースと全く同じ、造りになっているので、とても良い練習になります。さすがに名門です。クラブハウス周りもなかなか良い雰囲気でした。

コモンウエルス|コース コモンウエルス|チッピング練習場

コモンウエルス|クラブハウス周辺1コモンウエルス|クラブハウス周辺2