ゴルフ会員権 ゴルフライフ

スキンズゲーム(前編) オーストラリア支局長メルウェイ


ゴルフ場写真5

パターソンリバーでゴルフを終えた時、仕事を終えたリチャードが声を掛けてきました。
リチャードはパターソンリバーのプロゴルファーで、身長は196cmの大男ですが、童顔で茶目っ気のある、面白い男です。半年ぐらい前に首のヘルニアで手術を受けており、暫く休んでいましたが、先月からゴルフを始めたそうです。以前からそのうちゴルフをしようと話してはいたものの、実現せず。となっていました。
メルウェイ、今度の木曜日は空いてる?アランと一緒にどう・・・アランはパターソンリバーのヘッドプロです。誰かと先にゴルフの約束がない限り空いている私は・・・あとは誰?・・・誰でも。。。木曜日・・・思わずクリスの顔が浮かびました。クリスとはハンティングデールのプロで、近頃何度かゴルフをしています。22歳の彼は自身もヤラヤラ(名門コース)のメンバーで、どこから見ても育ちの良さを感じさせる、ナイスガイ。

ゴルフ場写真2

クラブへの入口

ゴルフ場写真3

クラブまでのアプローチ

ゴルフ場写真2

エントランス

木曜日、確か奴は午後1時からの仕事のはず・・・・ポケットに手をいれ・・・クリス!木曜日空いてるだろ?パターソンのアランとリチャードと行くから、7時半に出よう。スティーブに話しといて・・・スティーブはハンティングデールのヘッドプロです。メンバーがプロを同伴する場合、費用は掛かりませんが、日本式に言えば、筋を通す。でしょうか・・・

朝、プロショップに行くと、すでに彼らは談笑中、リチャードは、すぐ近くのスプリングバレーのメンバーですが、スティーブが若い頃、スプリングバレーにいたらしく、ジュニアの頃、良く教わったそうです。何だ、早く言えよ。でしょ・・・アランも現在スプリングバレーのメンバーだそうで、盛り上がっているではありませんか!

ゴルフ場写真2

レセプション

ゴルフ場写真3

 

パターをちょっと転がし、10番ティーへ。
クリスがティーで素振りを始めた時、リチャードが大きな体をスリスリして寄って来た。小声で。。。メルウェイ何かやらないの?こいつは本当に人なつっこい顔をする。アドレスに入ったクリスに・・・マテ!クリス。○○ドルの投げ込みね。勝った人が一人獲り・・クリス、うれしさをこらえるように、小さく笑み。

ゴルフ場写真4

アラン、リチャードとはやったことないけど、二人は共に38歳、年齢もいっているし、それほどゴルフをしているとも思えない・・・対するクリスは前の週、一緒にやって68だった。誰が勝っても良いんだけど、面白いゲームにならないと意味がない・・・良いのかなぁ、これで・・・
クリスのティーショットは完璧!300yをはるかに越えている。短めのパー5、セカンドを6番アイアンでグリーンにヒット。アランとリチャードはセカンドレイアップ、二人とも3オンでパー、私はレスキューでグリーン右のバンカーへ、バンカーショットは50cmについた。クリスも4。

11番ティー。
ここで私がスキンズに変更を提案。投げ込みではアラン、リチャードにはチャンスがないと判断。
またもリチャードが私にスリスリ・・スキンズなら僕にもチャンスがある。”オマエなぁ、病み上がりなんだから、何かやろうなんて言うな”私は心の中で毒づく・・・
スキンズへの変更は大正解。安定感に欠ける二人もさすがにプロ。随所に良いプレーを見せる。

ゴルフ場写真4

14番ティー

14番610y、パー5、すでにここまでキャリーになっている。長いホールのここでは、ありがたいフォローの風、ティショットの後、私はセカンドもドライバーで打って、これ以上はありません。精一杯の残り80y、クリスはセカンド3wで残り15y、アランは私より少し飛んでいなかったので、セカンド3wで残り140y、巨漢リチャードは何と3wでのせて来た。怪獣だね・・・クリスはアプローチで1.5m、リチャードは20mのイーグルパットを2,5mオーバー、私とアランはそれぞれバーディーパットを外す。ここでリチャードが痛恨の3パンチ。クリス、何の迷いもなく真ん中からドスン。5ホール分ゲット!

しかし本当にOZのボールの飛距離には驚かされる。でかいやつが多い。ずっと前にオランダ(飾り窓はまだあるのだろうか?)に1ヶ月ぐらい旅行した時、みんな余りに大きいので、驚いたのだが、友達に聞いたら、オランダ人の平均身長は世界一だよ。

ゴルフ場写真4

14番セカンド付近

そうだろ、やっぱりと納得しましたが・・・OZも背の高いのが多い。調べてはいないけど、きっと世界で2番目だろうと、私は思っている。
アメリカ人にも飛ぶ人は多いが、ここの人たちと比べたら、ずっと少ないし、ここの人たちと比べたら、アメリカ人は全くもって小さい!

15番からキャリーが続き、とうとう10ホール目になった。6番566yパー5、飛ぶけど曲がるクリスは、何故かパー5になると素晴らしいボールを打つ、フォローの風にのり、私など届きもしない右のバンカーを軽々と越えた。リチャードはティショットをプッシュして林の中へ、万事休す・・アランと私はフェアウエーからセカンドを打って、残り約100yの地点へ、クリスはウッドを持ったが、しばし考え、アイアンに持ち替えた。いくら両サイドがバンカーで狭いとはいえ、レイアップをしているようじゃ、取れないよ!クリスくん・・・Ha、,Ha、Ha 心の中で笑った。

ゴルフ場写真2
ゴルフ場写真2

りんごを取り出して、一口かじったその時、ビシッっと乾いた音。。。高く上がったボールはなかなか落ちてこない。えっ、刻んだんじゃないの・・・りんごも噛むのを忘れ、呆然と見守る・・・きっと間抜けな顔だったろう・・・クリスのボールは20mぐらいあるが、グリーンを捕えた。私の方を見たクリス、涼しい顔で帽子のつばを掴んで見せた。・・・俺はギャラリーじゃないぞクリス・・・しかし・・・どんだけ、飛ぶんじゃい!ショック・・・
アランは3打目、グリーンにはのったが、下りの大きく曲がる12mのスライスライン。まず入らない。

私は何が何でも4を取ろうとピンをデッドに打つも、僅かにショートでバンカーへ・・・再度狙うも1,5mオーバーでフィニート。
クリスのイーグルパットはちょっと強く、カップの淵を2m通過。返しに自信があるから出来る業か。。。クリスは必ずオーバーするだけ打ってくる。常に3パットを恐れるおじさんは、めったに強く打てないので、とっても、うらやましい。届かないのは入らないと分かっていても、私には無理だ!・・・ばんたび、あんなに打っていては、今まで胃の痛みすら知らなかった、私の胃に穴があく・・

アランのバーディーパットは、とてもそう呼べるものでなく、2つでいくのも簡単ではない。本人もそう思ったのか?時間も掛けず、ポンっと打った。スピードはまずます・・・ちょっとふくらませ過ぎかなぁ・・・5mぐらい転がった時、結構いい感じ・・・ラインに乗っているように見えた。まだ7mはあるけど、もしかしたら入るかも・・・並んで見ていた、我々3人の目がボールを追いかける、顔が左から右に移動し終わった時、ボールがカップに消えた。
私の瞳孔は開いてしまい。めがね猿・・・・不思議なんだけど、長いパットが入る時って、カップのかなり前から、入るかも?と思うのは・・・・私だけ?

アランは若い頃、ここで行われたオーストラリアン、マスターズに出たといってましたが、何時も冷静で、堅いゴルフをします。
リチャードと私はアランに駆け寄りハイタッチ!・・・我々の大喜び・・・・も、つかの間、クリスのバーディーパットが残っている。リチャードと私はアランに背を向け今度はクリスの応援・・・しびれる2m、アイスマン(常に冷静)なクリス、難なく入れて無表情。男だぁ・・・さらにキャリー


・・・・・・・・後編に続く