ゴルフ会員権を購入され、ゴルフライフを楽しまれたいお客様のご参考に

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私はアメリカが好きですから、それが高じて、しばらく住んでしまいました。
現地の人と友達になったことで、旅行に行っていた頃、絶対に出来ないと言われていたゴルフ場でプレーも出来たし、自らもメンバーになって、競技会に出たりしましたが、高速グリーンやグリーン周りの難易度の高さに対応できず、暫くの間、やっつけられていました。
ゴルフは長くやってますから、それなりに経験もあるし、多少の自信もあったりしたのですが、ややっこしいところに外してしまった時、そこからピンの位置を見ても、どのように寄せたらよいのか?イメージが全く浮かんできません。

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慣れてないのだから仕方がないし、それ以後、経験を積むことで、少しづつ対応できるようにはなりましたが、それにも限界があり、外すところによってどうにもなりませんし、可能性のあるところでも、拾える確立が低いので、最後の結論として、外したところから、何とか寄せるでなく、寄らないところには外さない!ゲームプランを初めて考えるようになったは、これがきっかけでしたし、これからゴルフがうまくなりました。

日本に比べたら競技会も多いし、練習場は芝の上から打てる。ゴルフを終えた後は、クラブハウスでフットボールを応援する、ポーカーをしたりと、これがクラブライフだと実感していました。

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そう思っていた私の考えを、根底から覆したのはオーストラリアでした。
その中でもメルボルンは1番ホットなところだと思います。コースを一言で表現するなら、意地が悪い。でしょうか・・・アメリカは国民性なのか、総じてはっきりしたコースが多く、トラップはOB、池、バンカーと分かりやすい構成ですが、こちらはイギリスの影響が濃く、フェアウエーに打ったボールが転がってバンカーに入る、OBじゃないけど、ブッシュの中でボールが出ない、砲台でグリーンを硬くしているので、グリーンをヒットしたボールが出て行く、奥やサイドはもれなく酷い状況になる。バンカーは深く、グリーンは高麗ではないかと思うほど、目がきつい。好き嫌い(私はアメリカのコースの景観が好き)は別として、明らかに難易度の高いのはこちらだと思います。

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オーストラリアの選手が世界で活躍している原因はここにあると言われています。ジュニアの育成にはどのコースも熱心だし、不思議なぐらい国籍を問いません。メルボルンには韓国から多くの子供たちがゴルフをしに来ていますが、日本でも有名なシン・ジエや多くの韓国選手がジュニア時代ここにいたように、環境の良いここで実力をつけ、スカラシップ(特待生)を取ってアメリカに行くのを狙っています。

環境的にメルボルンと近いのは、イリノイ州シカゴ近郊で、すばらしいコースがたくさんあります。メダイナ、コーグヒルNO4は特に有名ですが、日本では、ほとんど知られていない、ブルバレーは私が過去にラウンドした中で世界1だと思っているコースです。
残念ながら、シカゴエリアは非常に寒いところなので、ほぼ半年はクローズになってしまいますが・・・・

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良いコースというだけなら世界中に一杯あるでしょう。
しかし、私が凄いぞオーストラリアと思っているところは、システムにあります。その中でメルボルンはまた抜けていると思いますが、痒いところに手が届ている(笑)・・・・ではどうしてこのようなシステムが出来たのか?
決して偶然ではないと思います。まず、新しい国なのにゴルフ場の歴史を見ると、軒並み100年を超えています。長い時間を掛けて少しづつ出来上がったものでしょう。本家イギリスからもたくさん移民していますが、彼らに聞くと、イギリスでもここまではやっていないと言います。
このシステムは世界の国々が参考にするべきでは・・・

1)競技会 

メンバーコースであれば、最低でも週に4回は競技会があります。毎日やっているところも少なくありません。参加費はただのところもあるし、高いところでも5ドル(400円)程度、優勝はゴルフ場で使えるバウチャーです。大体2,3位ぐらいまでバウチャー(プロショップで使える買い物券)でそれ以降は、ボール4つ、3つと減って行きますが、参加者に応じてボールが配分されます。参加者は少ない日で70人、多い日は180人ぐらい参加します。ボールがもらえるので通称ボールコンペと呼ばれています。月に1度、土曜日にはマンスリーメダル(月例)そのほかクラチャンやプレジデントカップ、キャプテン杯、サマーカップ、ウインターカップ、ボード競技は個人戦、ペア戦を含めて10~15戦はあると思います。

PATTERSON RIVER COUNTRY CLUB(パターソンリバー)の競技日程表
競技日程表の見方について
12月の日程表・・・25,26,27はパブリックホリデー(祭日)ですが、26日はゲストデーといって、メンバー一人同伴が出来、ゲストもその日は無料でゴルフをすることが出来ます。
右端はその日、競技会で使用するティーの位置が書いてあります。ホワイトティーで競技をする日はACRといいますが、コースレーティングが70となるので、HCを管理するゴルフリンクには、仮にグロス72でラウンドしても実際には74と計算されます。
ソフトブルーとは幾つかのホールでティーが少し前になり、コースレーティングが72となります。ブルーは73、マンスリーメダルのブルーオンザプレイとは、コースにはどこでもティーにここから何ヤードとコースの長さを表示するプレートが埋められていますが、マンスリーメダルは全てのティーでプレートの位置にティーを置くという意味です。つまり、1番厳しい位置にティーを置きますよ!ということですね。

プレーを早くする!は、こちらでもテーマになっています。
日本の月例競技は近頃、ほとんどのコースでフロントティーのやや後ろ、とても易しい設定で行われているようです。幾つか理由は付きますが、根底にあるものはプレーの進行を考えているのではないでしょうか?こればかりではありません。深くて難しいバンカーは浅くなり、角が取られ,しまいには、なくなってしまうところもありますし、大きくグリーンを遮る木はいつの間にか切られてしまったり・・・設計者は嘆いているでしょうね・・・

こちらでは、バンカーが増えることはあっても、減ることはありませんし、木を切るなど、以ての外だとなります。月例競技のティーは全てのホールで1番後ろに置かれます。ではどうやって進行を良くしているのか?

トラブルが生じた場合、後続をパスさせることは暗黙の了解です。また、各自が前の組との間隔を常に気にしていますから、遅れ気味になると、ホールアウトした人は、すぐに次のティーに行き、速やかにティーショットを打ちます。私は素振りもしないタイプで、プレーは早いのですが、それでもこちらに来た頃は、セルフのスタイルに戸惑い、ついていくのに大変でした。レディー・ゴーが合言葉で、準備の出来た人からやるという意味です。
ほとんどの競技会はステイブルフォードを中心に、パーなどと、時間が掛からないように工夫されていますが、マンスリーメダルは、どのコースでもストロークで行います。

 ステーブルフォード・・・イーグル4点、バーディー3点、パー2点、ボギー1点、HC20の人は各ホール1打とインデックス1番2番のホールは2打ハンデが付きます。ですからインデックス9番のホールでボギーならパーと計算して2点、パーを取れば3点です。HC通りにまわれば36点になりますますから、ネット72となります。ネットでダボ以上は0点ですから、その場でピック(終了)になります。

 パー・・・・バーディーは+パーは0、ボギーは-、ネットでの計算ですが、マイナスになったらピックです。ネットパープレーは0となります。

2)ハンディキャップ

ゴルフリンクと呼ばれているもので、どのコースでもメンバーになっていれば入ることになり、オーストラリア国内は全て共通のHCに統一されています。日本との大きな違いは、HCを持っている人は、どこのコースに行っても、そのゴルフ場で行われている、コンペに参加出来ることです。
日本ではありえませんが、友達のコースに行って、競技会に出られたら楽しいですよね!

ゴルフリンクのウエブサイトを開けば、直近の20ラウンドの日時やスコアが常に表示されていますが、過去4年までさかのぼって観ることが出来ます。ゴルフをするイコール競技会になるので、スコアは自動的に入力されていきますから、毎日HCが変わります。

面白いのはプロゴルファーも競技に参加できる事でしょうか・・・ゴルフ場に所属しているプロも、そうでないプロも必ず何処かのメンバーになっているし、みんなHCを持っています。トーナメントに出るようなプロならHC+4とか5になるだろうし、ゴルフ場に所属する年配のプロなら、HC4,5は当たり前になります。
ブライアンと始めて会ったとき、HCは11、当時は75歳、今は77歳になっています。とてもスイングが綺麗で、タイミング良くボールを打つ人だなぁと思ったのが第一印象でした。
一緒にラウンドした人に、ブライアンは若い頃上手かったんでしょうね!と言ったら、知らないのかい、彼は元プロだよ。でした・・・

日本のHCにはたくさん弊害が多く、何でこうなるの?とずっと思っているのですが、調整が出来たり、昔とった、杵柄を認めたりしているので、若い頃は本当に上手かった人たちが、年齢と共にどんどん競技会に出られなくなっていきます。
いくら上手かった人でも、70歳、75歳となった時、HC1や2で競技会に出れば、結果を出す以前に、90を打っても不思議ではありません。これは競技に参加する人を減らすだけでなく、過去の実績をも曇らせてしまうからです。

私はこんな光景を見ています。コースの研修会で世話役の人が入ってラウンドした時、その人のHCは5となっていました。昔は1だったそうですが、見直しをして5になったそうです。
69歳のその人は当然のごとく、大きくスコアを崩しました。同じHC5,6で出ている現役の人たちは、その人の上手かった頃を知りませんから、”あれでHC5だってよ!最高HCは1だって聞いたけど、あれは絶対に眉唾だな。”
クラチャンになってボードに出ている人ならまだしも、HC1や2迄は行ったけど、クラチャンには届かなかった人たちはたくさん存在します。

もし、この人がHC20で出ていたらどうでしょうか?元々は実績のある人ですから、アプローチだったり、パターだったり、と何処かで片鱗を見せた時、HCが5だから全く目にとまらない上手く打ったアプローチも、HC20のその人がやったら、”あんなアプローチが出来るのは、やっぱり昔上手かったからだね!と変わるのではないでしょうか?

HCはやはりその時々の実力に基づいたものが良いと思います。
なまじ上手くなってしまったばかりに、歳をとったら競技に出れなくなったりするのでは、おかしいと言わざるを得ません。
こちらでは、昔上手かった人に対する尊敬は、ずっと保たれます。またゴルフ場のプロが例えHC5であっても、さげすまれることはありません。

日本もこうなったら良いと思うのですが、どうでしょうかねぇ・・・・