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倒産ゴルフクラブ会員の心境の描写

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 バブルがはじけてゴルフ場の倒産が相次いでいるので、自分が会員になっているゴルフ場ももしかすると・・と密かに心配していた矢先でした。こういう予感は不思議と当たるもので、或る日、突然「重要」と印を押した封書が届いた。恐る恐る開けてみるとやはり民事再生法申請の通告だったのです。ああ、これで大金が飛んで行くと思うと身体中から力が抜けて行きました。あのゴルフクラブに入らなければ、現金で持っておれば今頃はリッチな生活が出来ているのに・・と思ってもどうにもならず、空しさだけが残ってしまいます。
 有志による「守る会」結成がなされても、多数を占めることは出来ず、結局解散してしまいました。
 予想通り、外資系が債権を買取り、会員へ「お知らせ」が来る。内容はこれまた予想通りで、追徴金は取らない、当分年会費は現状のまま、預託金は殆どカット、プレー権だけ保証する、との内容である。
 今度は、裁判所から通知が来ました。再建案に賛成するか、反対するか、どちらか投票を求めています。監査弁護士の報告によれば、噂通り経営陣の不正行為が書いてある。察するところ、悪徳経営陣は大金を握って退陣したのだろう。結局、泣いているのは純情な会員と真面目な債権者とスタッフです。債権を買い取った外資系は殆ど債務がなくなるのだから、何ら危険負担はない。
 そしてピンとこないのは、前経営陣が雇用した弁護士の名前で再建案が示され、経営会社は以前と変わらずに代表者だけが外資系から任命された人に替わっているだけなのである。そして、複雑なのは、顔見知りのゴルフ場のスタッフから「再建案に賛成の投票をして下さい」と依頼の電話が来る。数日後、今度は社員一同の差出人で同様の手紙も来ました。社員は現代表者から指示されてこのような行動を取っていると思うが、会員は戸惑ってしまいます。いくら現代表者が人柄的に良い人であっても、彼も外国から指示されれば言いなりになるしか生きる道がないことは明白と思われます。。ドライな外資系がいつ酷いことを言い出すか会員は不安である。だからと言って、他にスポンサーがいるのでないし代案はないのでどうしようもないのが実情です。
 私は正直なところ、賛成でもないし、反対でもないのです。複雑な心境の会員、可哀想な会員、哀れな会員は私を含めここでも悩んでいるのではないでしょうか。
 私は今後も神にもすがるような心境で、外資系の会社、現代表者に淡い期待を抱きながら悶々と過ごすことでしょう。
 こんな心境の会員が日本だけで30万人程(会員2000名が150クラブ)います。

 弊社顧客とのゴルフ談義から私なりに作成してみました。

作 前田信吾