(特別版) 第78回 『楽しむゴルフ』

私の名前は渡若造


私は間もなく78歳を迎えます。人生だけでなく、ゴルフ・卓球を楽しむ期間はそう長くないでしょう。
10年前にYさんとプレーしたことがあります。Yさんは横浜から高速道路をぶっ飛ばし、毎週のようにゴルフ場へ通っていました。小さな体でゴルフが上手かった。聞けば年齢は78歳でした。凄い人がいるものだと感心した思い出があります。尤も若い時にクラブチャンピオンになったことがあり、私とは比較にならないレベルですが・・・
長い間見かけないと思っていたら昨年亡くなったらしい。あの羨望のYさんと私は同年齢になってしまうのです。
 
飛ばない・グリーン周りが下手・ショートパットが入らないで、スコアが悪くゴルフを楽しめなくなっていましたが(第72回 『悲しいゴルフの性』参照)、最近、漸くスコアに拘らずゴルフを楽しむ心境に至りました。
楽しむ心境と言うより、「諦めと達観」と表現した方が正しいでしょう。加齢による衰えはどうしようもないのですから、実力に応じた楽しみを味わう心境になれたと言うことです。
 
名前は覚えていませんが、NHKテレビでタイガー・ウッズの幼年期にコーチしたアメリカのレッスン・プロが千葉のジュニアゴルフスク―ルへ指導に来た時の番組でした。
彼は言いました。どうしてミスしたことばかり思い出し落ち込むのか? 良いショット・良い場面だけを思い出すようにしなさい。もう一つはパーソナル・パーを目標にすることでした。上級者対象のパーでなく、その人に合ったパーを設定しプレーすることの教えでした。長いミドルホールのパーは4でなく、私にとっては5が目標なのです。par3もpar5も同様です。そうすれば気が楽になるし、実現可能だからです。成る程、こう考えれば失意は大幅に減りますね。
 
自分の良いショット・良い場面だけを思い出すことの重要性の他に、私は同伴者の良い場面をよく観察し真似ることも大切だと思います。そうすれば同伴者とは違った意味で、親近感を味わうことが出来ます。その場面を称賛すれば相手は喜んでくれます。相手もいい気持ちでゴルフを楽しめるでしょう。
 
この春の3連休、私はすることがないで交通渋滞とラウンド渋滞を承知の上で、宿泊ゴルフに出かけました。いつも通りの1泊2プレーの単独小旅行です。
行き先は何回も体験しているセントラルゴルフにしました。初日は東コースです。同伴者は60歳の上級者・49歳男性・50代女性と私です。私以外は毎週当ゴルフ場でプレーしている常連の会員でした。60歳と49歳は青ティから、彼女と私は白ティから打ちました。連休なのでゴルフ渋滞があり、ハーフ3時間がかかりましたが和気藹々で楽しめました。
 
2日目は西コースです。事前にアスリート系の凄い人の組にならないよう頼んでいたので、予約より2組後ろの組に替っていました。
同伴者は50歳・56歳・74歳の古い会員と私でした。50歳は黒ティで7046y、56歳は青ティで6700y台、74歳と私は白ティ6400y台から打ちました。長いゴルフ歴ですが、4名が3か所に分かれて打つのは初めての体験です。能力に応じてティグランドを選ぶのは理に適っています。私のような高齢者に上級者が合わせる必要はありません。
50歳さんはアマチュア―選手権に出ているだけあって、飛距離だけでなくアプローチとパッティングが抜群で、別世界の人でした。56歳さんも大きなミスが少なく、後半は私の奨めで黒ティから打ちましたが、好いスコアでした。ハンディ取得中というので、私が「ハンディ10と認定する」と言うと笑って喜んでいました。親子ほど年齢差があってもゴルフ場にいる限り、会話が弾み違和感がまったくないのがいいですね。相手が大人なのか、私の気持ちが若いのか、おそらく両方当たっているのでしょう。丁寧な挨拶をして別れました。
ティグランドは違いますが、初日のスコアは2番目。2日目は3番目で高齢者が足手まといにならなくてよかった。因みに私のスコアは両日とも93(par73)でした。
 
先日2回目の受験ですが、後期高齢者運転検定試験を受けました。75歳以上は運転免許証更新時に検定を受けなければならないのです。今年の3月12日に法令が変わり、50点未満者は精神科医に認知症か否かの判定を求めることになりました。認知症であれば更新されません。
私は前回は高得点だったのですが、今回は合格ですが「記憶力・判断力が少し低くなっています」との検定結果にショックを受けています。頭は衰えていないとの自負があっただけに衝撃です。16のイラストを覚えるテストがよくなかったからです。
反面びっくりしたのは、運転技術と動体・視力検査は「高齢者の中では優秀、49歳以下に比べても遜色ない」の結果だったのは意外でした。
これは無意識ですが、ゴルフと卓球で刺激を受けているからかも知れません。
 
今回の同伴者から聞いたのですが、世界のゴルフルールが2019年から変更になるそうです。
バンカー内でクラブのソール可、ピンを立てたままパッティング可、距離測定器の使用可の3つだそうですが、私は距離測定器の使用には賛成できません。アマチュアーの月例競技程度ならともかくプロにまで適用するのでしょうか? 大いに疑問を感じています。
 
楽しい2日間の遠征でしたが、帰りは渋滞の連続で休憩を含めると運転は4時間を超えました。連休に行動するのは簡単ではありません。道路もラウンドも忍耐が必要です。

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平成29年3月22日     渡 若造