(特別版) 『老いに挑む』

ご無沙汰しております。渡老造、本名・渡若造、71歳直前です。加賀屋ホームページに寄稿を始めて早や6年になります。毎日、拝見していますが、「回数も内容もプロゴルファーに近づくゴルフ日記さん」「癒し系から本格派に転向したBUNちゃん」「進境著しい花屋のオッチャン」「各地のバックティから打ち続ける芝先案内人さん」「円熟味を増す目土盛造さん」のレポートを読むと羨望と共に自分の情けなさを感じずにはおれません。ゴルフを30歳過ぎから始め、40歳から熱を上げ、56歳でピークを迎え、67歳で驚異的な復活を遂げましたが、69歳から下降の一途を辿るようになり、ここ1年の老いは激しいものがあります。2年前にゴルフから卓球中心の生活に変わりましたが、ゴルフへの努力にも拘わらず『老い』を認識せずにはおれなくなりました。何せ、今年は11Rプレーして80台は1回のみ。幸い、台湾(淡水と東華)を含め100を超えたことがないのだけが救いとなってしまいました。Tカントリークラブではハンディ札は12、Cゴルフクラブでは17に掛かっていますが、実力は20くらいでしょう。先日ハンディが17に下がったので25年ぶりに月例競技Bクラスに出てみましたが、入賞には程遠い成績でした。最初は長いスランプと思っていましたが、現在の体力・技量はこんなものだと認識するに至りました。

本心はこんな『嘆き節』を書きたくないのですが、加賀屋の愛読者は若い人が多いとはいえ、年配の読者も少数であってもおられる筈です。私と一緒になって、嘆き、慰め合い、励まし合い、対処方法を考え、老いに挑戦したいと思い、今回寄稿する次第です。

原因は何だろうか。
第一の原因は体力の衰退、即ちパワー不足です。元々飛ぶ方ではなかったのですが、2年前に比べ10〜15ヤード飛距離が落ちている。現在の飛距離は1ウッド200y、4ウッド180y、7アイアン125y、9アイアン100yとなっている。これではバックティは言うに及ばず、レギュラーティでもパーオンできるホールは数少なくなります。6000y未満のコースでないとパーオンゴルフができません。分析してみると6年前は、パーオン率27%だったのが12%に、パーセーブ率は42%が22%にと大幅に悪くなっています。若い人達は信じ難いでしょうが、同年配の中では身長167.5cm体重63kgの私のゴルフはこれでもマシな方なのです。
第二は感覚の鈍化です。パワー不足は納得できますが、感覚が鈍くなり小技がこんなに下手になるとは予想しておりませんでした。50y以内のアプローチ、グリーン周りが全く下手になっているのです。ピンの近くに寄せられないから1パットのパーセーブが極端に減りました。データではパット数が32から34になっている。1メートルくらいのパットが入らない。眼鏡のレンズを新調しても結果は変わりません。芝芽は勿論のこと傾斜を正しく読めていない。真っ直ぐ引いて真っ直ぐ打てていないのです。
第三は精神的な粘りがなくなったことです。昔は前半良くても悪くても、昼食時にはビールを飲んでいました。急性心筋梗塞の退院時に「運動をする時はアルコール禁止」を言い渡され、厳格に守っているのにこの有様です。ダボが続くと緊張感が続かない。「ゴルフは健康のため」とか「楽しくやれればいい、スコアは二の次三の次」と思えば思う程、スコアは悪くなることは多くのゴルファーが体験しておられるのではないでしょうか。

対策は何か。これからどうするかを考えてみました。
第一に「老いを素直に受け入れる悟り」が必要です。現在の実力、現状を認識し、それに合ったゴルフをすることだと思います。何だか、大きな病気を患っている人の心構えみたいですね。10年前、20年前の姿を省みないことにします。目標スコアは85を切るのでなく、90に変更します。
第二に現状に合ったクラブセッティングにします。具体的には4番アイアンを抜き、新たにロフト23度の9番ウッドを購入しました。これでウッドクラブは1W・4W・7W・9Wとなりました。パワーがないから年配者はウッドクラブが多くなります。
第三に実力に合ったコースマネジメントに徹します。苦手なバンカーを避け、逆方向の花道から攻める。170y以上残っている場合はピンまでの距離でクラブを握らず、花道を狙うのに相応しいクラブを選択する。そして、グリーン周りではSやFで難しいピッチショットをせず、P・9番・8番で転がすことに徹します。こうすればボギー、うまく行けばパーセーブが増えるでしょう。クラブ選択で迷った時は大きめのクラブで打つ。現在の飛距離を認識することです。
第四は1メートルのパッティング練習をする。スライスライン、ストレート、フックラインの3通りを試みる。流し込まずにヒットして入れる。

以上の対策を意識してこれからプレーします。どなたか<私はこうして老いを克服した>成功談を聞かせて下さい。遠くないうちに若造から報告できることを夢見ているのですが・・・

ゴルフは不振ですが、幸い体調が良く毎日活発に行動しております。昨年1年間で、体育館で卓球をした回数は競技大会13回を含む168回、カラオケ歌唱はステージ1回を含めて55回でした。休養日の日曜を除けば毎日何かをしています。因みにシニア卓球の世界では年齢別かランク別で競技が行われますので、私は65歳以上の部か70歳以上の部に出場し、予選を通るのですが、上位トーナメントでは大学・実業団で鍛えた強豪に敗退しています。また、年数回は1泊2プレーの単独ゴルフツアーを敢行し、『70代の青春』を謳歌しております。

5月連休は新規購入した9番ウッドと入れ替えたアイアンセットで1泊2プレーを楽しみ、中旬には3年ぶりに九州へ遠征し、私にとっては難関の南阿蘇CC・熊本空港CC・大宰府GCに3日連続で挑みます。果たして老い対策は功を奏するでしょうか?


平成22年4月26日        新・癒し系の渡若造 記