その後の渡若造 奮戦記

2007.11.12
加賀屋ゴルフホームページ愛読者の皆様、ご無沙汰いたしております。渡若造です。拙いゴルフエッセイ『私の名前は渡若造』でお別れして早くも1年3ヶ月が経ちました。その後の私は今年4月に3回目の入院・手術を行いました。今回は長年の持病であった痔の手術でしたが、1ヶ月後からすこぶる元気に過ごしております。

毎年小旅行をしていますが、ゴルフ一辺倒では能がなさ過ぎる、卓球かカラオケの旅行なら行ってみようと思っていたところ、「3日間卓球漬けの合宿で地元の方との親善試合があるが行かないか」との誘いに乗って、5月に群馬県の草津温泉まで出かけました。草津町総合体育館に到着すると≪2007草津温泉関東オープンチャンピオンシップ≫の大きな垂れ幕がかかっているのを見てびっくり。単なる親善試合でなく、関東卓球協会主催の大きなトーナメントでした。開会式には、関東卓球協会長や草津町長が来ておられた。選手は全国から370名が集まっている。さて、初日の午後に予選会が始まった。3名1組で3セットマッチの予選会である。私は65歳以上男子シングルスに出場したが、公式試合は中学以来56年ぶりだったので緊張した。予選会は接戦だったが、2回とも敗れCクラスと決まった。翌日はクラス毎のトーナメント戦である。1回戦で負けるとそれで終わり。3日間卓球漬けとは大違いである。私は踏ん張って勝ち続け、Cクラスの優勝者となった。表彰式では、Aクラスはメダル授与だったが、BクラスとCクラスは賞状である。因みにAクラスの上位入賞者は男女とも、謝礼を受け取って指導している、いわばプロばかりだった。コーチの指導を受け卓球に熱を入れ始めて1年2ヶ月、Cクラスとは言え、れっきとした関東卓球協会主催の大会の優勝だからまんざらでもない気分がした。その夜の宴会で、私は神野美伽の『日本の男』を歌った。

今年の夏はかってない暑さが続いた。冷房設備のない体育館で水分を飲み飲み卓球に精を出していたので、ゴルフの回数は練習を含め少なかった。心筋梗塞を体験して以来、暑い時期はゴルフプレーしない主義にしていたが、卓球は汗びっしょりで、体重は64キロを割るようになった。8月下旬、ネットのゴルフサークルで南蓼科ゴルフツアーが企画され私は参加した。早朝4時40分に出発して2人の仲間を拾い関越道を走った。佐久インターまで順調だったが、カーナビが示す左折を間違えて30メートル手前を曲がってしまい、とんでもない山中をさ迷うこと45分、望月東急CCに着いたのはスタート15分前の大失敗をやらかした。同組の女性は赤マークから打ったので、62歳の飛ばし屋の男性に配慮して私達は生意気にもバックティから打った。予想通りパーオン出来ずに45・46の91に終る。翌日は失敗を繰り返さないため、1時間半前に立科CCに着き、ゴルフ場で朝食を取り体調を整えた。2日とも悪いスコアは出したくないので、6085ヤードと短いが今度は白マークから打った。前半は3バーディ1ボギーの完璧なプレーで、ハーフ34は自己ベストである。後半45以内なら70台だからと大事にプレーしたら39で、トータル73となった。これは10年前に出した静岡・函南GCでの自己ベスト72に1打及ばないだけの好スコアである。パーティでは、「渡さんが参加するゴルフ同好会ではない。こんなスコアを出す人はアスリート系に行って下さい」と嫌味を言われたので、自分で「性格がいいから入れてやってください」と冗談を言い返す始末でした。練習していなのに好いスコアが出るのは卓球の効果だろうと思った。

9月に、別のネット同好会のコンペである千葉・総武CC印旛コースへ出かけた。白マークは6121ヤードと短いので私には向いている。半年ぶりのコンペだし、ハンディキャップ11で出ているので入賞を狙って慎重にプレーしたら、ほぼ完璧の36・37の73が再び出たのである。私は断トツの優勝で「ゴルフが上手くなりたい人は卓球を始めなさい」とスピーチした。1週間後に茨城・セントラルGCの『シニア&レディス杯』に出場した。西コースの白マークは6569ヤードとシニアにとっては距離が長くて難しい。結果は39(par37)42の81の準優勝で、べスグロ賞までゲット。どうなったのだろう。おかしいな。このコースは、いつもやっとこさ90を切る程度なのに・・・

10月下旬は千葉国際CCでこれもネット同好会コンペ。参加者が少ないので幹事に頼み込まれ、急遽参加となった。ここ数年、ゴルフで早朝出発する際は、時間が気になって目覚まし時計が鳴るまで眠れない。今回も1時間毎に目が覚め、殆ど寝た気がしなかった。2時間運転しスタート時間になっても、宙に浮いた感じで集中心が起こらなかった。結果は無残な52・45の97となり、今年のワースト記録を更新してしまった。前回の73でハンディは5になっていたので、順位は最下位から2番目である。このスコアを知らない人から、風呂場で「どうしてあなたはあんなスコアを出せるのですか?」と前回のことを言われ、恥ずかしかった。73も事実なら97も事実、だからゴルフは面白いのだろう。

10月末に友人を誘ってセントラルGCへ泊りがけで行った。今度は医師に頼んで睡眠薬を手に入れ寝る前に飲んでみたが、3時に目が覚めてしまい4時40分に出発した。友人2人を迎えに行き2時間30分の運転で7時10分過ぎに到着。時間はたっぷりあり体調を整えたつもりだったが、緊張感が沸かず、東コース白マークからの6643ヤードを51・43の94と冴えない結果となった。
これは今年のワースト3である。友人2人は軽く100を超えている。エントリーしていたシニア&レディス杯はハンディ18に恵まれ4位となったのはラッキーであった。

当夜はロッジに泊まり、翌日はライバルの友人が加わり4人プレー。前日と同じ東コースの白マークから打つ。ライバルはパッティングが上手く、3メートル近いパットを6回も真ん中からカップインさせた。あのパッティングを欲しいものだ。前半のインは前日と同じ43で代わり映えしないゴルフだと嘆いていた。後半のアウトはpar37だが画期的なことが起きた。6番ホールは175ヤード。7番ウッドでワンオンさせ、8メートルのスライスラインを読みきりカップイン。7番ホールは537ヤードの右ドッグレッグの難しいロングホール。1w・4w・4wで3オンし、5メートルのスライスラインは見事に真ん中から。8番ホールは502ヤードのロングホール。1w・4w・6アイアンでピンそば1メートルにつけバーディ。かくして怒涛の3連続バーディは自己新記録である。8番を終えて後半1アンダーだが、最終ホールは川越えで長い443ヤードのミドルホール。2打を川に落としてしまい、ダブルボギーとなり38となったが、トータル81は前日より13打少ない。同じコースで1日違いだけで、この差は何なのだろうか。早朝出発の長距離運転の影響か、それともライバルと張り合った所為なのか。ゴルフはわからないものだ。

ゴルフと卓球どちらも好きで楽しいが、相違点を考えてみよう。ゴルフの魅力は、好天の下、風光明媚の中での散策、14本のクラブの使いこなし、同伴者との会話などあるが、難点は何といっても高額の費用がかかり、交通費が高いことである。反して卓球は公営の体育館なら200円の使用料、用具は最高級でも2万円程度と格段の安さと往復時間の短さ。また、天候に左右されず夜間も可能な点である。欠点は対面球技なので、自分に適した相手を必要とする。自分より少し上級の相手が最も望まれる。格下相手ではラリーが続かず面白くないからだ。私は初心者であっても短時間なら気持ちよく相手しているが、上級者になればなる程、格下は相手せず自分達の仲間だけでやっている。従って、初心者は余程ずうずうしくないと見知らぬ人の中に入れない。ダブルスのパートナーに下手な人は歓迎されないし、試合後パートナーを批判する声をしばしば聞く。ゴルフはハンディキャップではっきり力量が判明している上、カップインまで自分一人でのプレーだからスロープレーでない限り不愉快にならない。卓球では嫌らしさを感じることがよくあるが、ゴルフは余程のことがない限りそんな思いをすることはない。ゴルファーには、この長所を守り続けて欲しいと願っている。

卓球人口は圧倒的に女性が多い。シニアの世界では女性8割に対し、男性2割の比率である。女性は子育てが終わった頃から始めているので、卓球暦20年はザラに居る。男性は定年後始める人が多いが上達のテンポは遅い。私も定年退職直後からやっておればよかったと悔やんでいる。熱心な人は数多く対外試合に出たがるが、私は勝負にこだわる雰囲気が嫌いなので、対外試合には出ていない。シニアの卓球の試合は、シングルスよりダブルスが多く組まれている。特に男女混合ダブルスになると男性が足りずに女性は困っている模様。社交ダンスと同じ事情にある。そこそこの技量があり、性格が明るい上、固定したペアがいない私は希少価値で、オバちゃん達のパートナー選びにはモテモテである。対外試合を断り続けてきたが、人を介して見知らぬ女性からペアを組んで欲しいと懇願され、12月に混合ダブルスの試合に出る羽目と相成った。出るからには上位入賞を目指したい。当日加賀屋ゴルフ社長から忘年会のお誘いを受けているが、成績がよければ宴会に遅れることになろう。1年半ぶりに芝先案内人さんやBUNちゃん達にお目にかかるのを楽しみにしている。お会いしたことがない目土盛造さん・花屋のオッチャン達の豪快なショットに驚嘆し、劣等感に悩まされるであろうが、若い人達に接するのは刺激を受けるし、楽しいものだ。

今月下旬には2年ぶりの4泊5日の九州遠征が待っている。大分では10年ぶりに地元実業家と再会し、福岡では在籍時の関係会社OBのゴルフ好きの集まりであるコンペに特別参加する。
なお、月末にはカラオケ教室でお世話して下さっている女性がリサイタルを開催され、私も招かれている。渡若造は恥を忍んでゲストとしてステージに上り、秋岡秀治歌う『こぼれ紅』を熱唱するつもりでいる。

平成19年11月12日  69歳に向かう元気な老人 渡若造。
〈気がつけば、今日は結婚してまる40年の記念日でした〉


− 私の名前は渡若造 −