平成7年に開場した飯能くすの樹CC(18ホール、埼玉県飯能市大字小岩井350)を平成12年5月まで経営し、それまでに入会していた会員の会員権発行会社でもあった株式会社飯能くすの樹カントリー倶楽部(相生富士夫代表取締役、東京都港区赤坂6の10の6)が9月10日に東京地裁から破産宣告を受けた。
破産管財人には大野了一弁護士(虎ノ門南法律事務所、рO3・3501・0781)が選任された。債権届出期間は10月16日まで、第1回債権者集会及び債権調査期日は今年12月9日に東京地裁で開かれる予定。
ゴルフ場用地・施設には、旧・あさひ銀行(元の埼玉銀行、現・りそなグループ)の抵当権が付いており、同債権の一部が7月上旬に株式会社整理回収機構(RCC)に譲渡され、そのRCCが株式会社飯能くすの樹CCの破産を8月26日に東京地裁へ申し立てたことから、今回の破産宣告となった。
同社は当初、株式会社西武飯能カントリー倶楽部の名称で、昭和61年頃から同名のゴルフ場の開発計画を推進した。当初は映画監督の松山善三氏と映画プロダクション等経営の小川安三氏が中心になり、平成元年に開発許可を取得し着工したものの、地元住民等の反対運動もあり完成が遅れた。平成5年には飯能くすの樹CCに名称を変更、特別縁故2200万円で会員募集を開始した。そして平成7年に開場し、社名も同年にゴルフ場名と同じ、現名称に改めている。
しかし、開場後も募集は難航、資金繰りが苦しくなり、固定資産税等の滞納も出始めた。このため、平成12年5月には株式会社マス・コーポレーション(井上雅照社長)とゴルフ場施設の譲渡契約を結び、経営権を手放している。 マス社の井上社長は「破産したのは旧経営会社。当社でも会員募集(1200名入会)しているので、今後は破産管財人と話し合い、価格的に折り合うなら当社での買受けも考えていきたい」と話している。もっとも、管財人は「第三者申立なので資料も少なく、まだ明確な方針は決まっていない」と説明しており、今後の推移が注目されるところだ。
なお、負債は旧経営時代に入会した会員約320名の預託金50億円弱や旧・あさひ銀行・RCC関係、飯能開発(飯能グリーンCC経営)等からの借入れを含め約400億円にのぼるものとみられる。 (帝国データバンクより) |