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『銭形平次』 モリゾー通信

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2012.04.17


♪は〜なのお江戸は八百夜町〜!今日も決め手の、今日も決め手の銭〜がぁ飛〜ぶ〜!♪このような歌詞だったかとうろ覚えでございますが、主題歌を舟木一夫が歌い大川橋蔵主演のテレビ時代劇の歌詞でございます。ご存知の方も大勢いらっしゃることと存じます。


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さらにその昔、長谷川一夫主演の名時代劇『銭形平次シリーズ』というものがございましたな。神田明神下に住む岡っ引き平次が、寛永通宝を投げ銭に悪い奴らをバッタバタと倒しては難事件を解決するという、いわゆる"勧善懲悪"のなんとも痛快なテレビ時代劇でございます。拙者の小学生時分には、忠臣蔵の片岡千恵蔵、鞍馬天狗の嵐寛寿郎と並び称される御三家時代劇スター長谷川一夫の出世作であり、裏山でのチャンバラごっこにますます拍車がかかった作品でございます。手下のガラッ八を従え、袖の下から紐に通した銭の束を出すや否や「とうっ!」ビシッビシッ!「痛、痛たたたた!参りました!」。鮮やかな投げ銭が江戸の悪人を懲らしめます!それはそれは当時の子ども達の憧れのスターでございました。しかし、しかし、拙者はそれとは少々違う『銭形平次』と遭遇してしまったのでございます。

4月の某日『ああ、昨日はひどい天気だったし今日はゴルフしたいなあ。』ガラガラガラ・・・窓を開ければ4月のさわやかな風とウグイスのやさしい鳴き声。『んよっし!本日は晴天なり。ウフフ、もう行くよ!行っちゃうよ!お一人様だけど、待ってろ!Tカントリー!』快晴でございます。爽やかでございます。早朝5時半。素晴らしいお天気に誘われ、軽やかにクルマのハンドルを握るのでございましたな。

6時半にはゴルフ場に到着。『んでは、組み合わせでよろしくお願いいたします。』久しぶりのゴルフに気持ちもワクワクですな。さっそく練習場で30球ほど試運転。今日はなんだか調子が良さそうですぞ。『さて本日はどのようなご仁とご一緒できますのか?なんとも楽しみでござる。』拙者のバッグが積まれたカートへ参ります。『おはようございます!拙者、目土と申します。本日1日よろしくお願いいたします!』拙者、知らない方とゴルフをするのが大好きなのでございます。その日のご同伴者は、人の良さが全身に現れているとても仲の良いご夫妻と、そうその問題のご仁でございました。「あ、Tと申します。よろしくお願いします。あ、リモコンは私がやりますから。」『そうですか。ありがとうございます。ではなにか大変なことがあったら拙者がやりますよ。よろしくお願いいたします。』

10番ホールからのスタートでございます。Tさん、バックティーからをご所望ですがご夫妻は「ここのバックティーは初めてです。」拙者は『フロントティーでも良いですよ。あまりご無理をなさらないでどうぞ。』しかし、やる気満々のTさん、ショット順をムリ決め(笑)ですな。まずはTさん、あまり飛んではおりませんがフェアウェイ中央にナイスショット!そして拙者がその先30ヤードほどの左ラフへ。最後にご夫妻のご主人がやはりセンターへ。Tさんと同じような場所でございましたな。奥さまはレディスティーから真ん中へお打ちになられました。ナイスショットですな。喜んでおられるお顔を見ると、なんだかこちらまでうれしくなってしまいます。今日は楽しいラウンドになりそうな予感がしますぞ!

ご主人がセカンドを打たれ、さあTさんの順番です・・・「えーとぉ、このボール拭いていいですか?泥が付いているんで。」『あ、そうですか。競技ではありませんから、どうぞ拭いてください。楽しくやりましょう。』前日の悪天候で若干水はけが悪い状態です。ゴルフは"あるがまま"ですが、遊びのプレーでは良しとしましょう。拙者は3打目を70センチに寄せて。それを思いっきり"押し出して高見山!"ボギースタートでございました。でも、この時点での気分は上々でございましたぞ!なにしろ"天気晴朗!気分浮き浮き!"なのですから!

その後数ホール進行し、とあるホールで気がつきました。Tさん、どの場所でもショットごとにフェアウェーでもラフでもクラブでボールをいじるのですな。つまり・・・立派なライの改善ですな。これはいけません。これをやってはゴルファーではございません。その昔、6インチプレースなどという日本独自のコンペルールがございましたが、それを思う存分ご活用なさって6メートルも移動させた猛者がおりました。そちらの方をご存知のみなさまは、いちどお手合わせをすると二度とはしなくなるという"伝説のゴルファー"でございました。もう笑い話でございますがAさん、まだゴルフなさってますか?(笑)

その後も順調にライを改善なさっていらっしゃったTさんですが、昼食前に・・・さらにヒートアップ!「あ!トップした!」Tさんの放ったアプローチはかろうじてグリーン奥にしがみつきましたな。手前のピンに対して30ヤードを超える長〜いパッティングが残ります。拙者はピンそばの自分のボールをマークをし、一番遠いTさんのパットを見ようと顔を上げますと!!!Tさん、グリーンセンターからのパーパットでございます。『な、なんじゃ!そりゃ〜!ま、まさかとは思うけど、1回打って二度目のパット?』「あちゃ〜、短いか。ちょいと打ち切れなかったか。これOK?ボギーです。」みなさまが何も言っていないのに勝手にご自分でOK出して、しかもボギーって・・・。しかし、最近"忍耐"や"鷹揚"というものを覚え(ホントーか?笑)60にしてようやく大人になりかかっている拙者は『ま、誰にも"間違い"はあるわな。こいつに腹を立てても仕方が無いし、ましてや遊びのラウンドで注意するのも大人げない。ま、今回は多めに見てとらそう。お、ランチはカツ重?じゃあ、それとサッポロください。』

お昼をご一緒なさらないというTさんを除いて3人での楽しいランチでございます。件のご夫婦は「やはりお上手な方はお昼もいただかずに練習なさるんでしょうか?」『ええ、きっとそうだと思いますよ。ただ、拙者はランチタイムも含めて1日みなさんで楽しむのがゴルフだと思いますが。ハハハ!まあビールでも飲みましょう。どうして午前中のビールはこんなに美味しいんでしょうな?』「本当ですねえ。あら、あなたウィスキーはダメよ!」和やかでございます。ありがたい休日のランチタイムでございますな。

ところが!!!後半のラウンドは、さらに恐ろしいことが待っていたのでございます。前半で、この方が"ボールを大変ナイスなライに変更するC難度の技"をお持ちということ。さらに少々目を離すと"ボールをカップに大変近くお置きになるというD難度の技"も併せ持つこと。これを学習いたしました。ゆえに拙者は『あぁ、このオッサンのスコアは付けなくていいな。このオッサンは、ただ傍に居る人ということにしよう。オレもずいぶん大人になったもんよのう。昔なら、最低でもこずく!普通ならどつき倒す!最高なら半殺し!であったのに。オレってエラいでしょ?ウフフ!』

そんな拙者でしたのに・・・出た!出ました!次々に繰り出される新技が!ご夫妻はご自分達のことで精一杯。仲良くゴルフに勤しんでいらっしゃるのでしたが、この業師Tさんは!5メートルのパットは3メートルに。1メートルのパットは50センチに。"絶妙の寄せ"(笑)を見せてくださるのでした。打ってもいないのに・・・。とどめに目撃したのは、ボールを拾う間もなくマークを前方に"放り投げる"E難度の荒技。グリーン上で転がるマークは、生まれて初めての"ゴルフ場で見た中国雑技団"でございました。『ありゃ〜!こりゃすげえ!この技はまさに中国4000年の技!もしかしたらオレって歴史の目撃者?ある意味ゴルフより面白いわ〜!こうなりゃTさん、もっと見せてくれよ!スコアも、OB打って6オン2パットでダボとか、4打目チャックリで5オン2パットでボギーとか、あんたの申告する好きなスコアで良いからさあ!お願いっ!』もう半殺しどころではなく、あまりも面白さに拙者の爆笑が千葉の山々に響き渡るのでございました。

拙者、多少の"平次まがい"は見たことがありましたが、今回のような"正真正銘の平次"は生まれて初めての経験でございました。噂には聞いておりましたが、本当に居るのですねえ。『世界と戦えるクラスの銭形平次』が!ちょっとカルチャーショックを受けた拙者でございます。今度ぜひ『自分が目撃した銭形平次自慢大会』を加賀屋ゴルフで開催したいと存じますな。もしかしたら拙者の目撃情報など『フッ、まだまだそんなのは幼稚園クラスよ。オレが見たのはそんなもんじゃねえぜ!平次の投げ銭じゃなくて、テポドン発射!みたいなもんを見せられたぜい!なにしろ真右の林の中に飛んだティーショットを探して「無いですねえ。おかしいですねえ。」と歩いていると、ロングホールなのにワンオンしているんだぜい!「あ!ありました!」だってよ!ワハハハハ!もうバカバカし過ぎて怒る気にもならねえよ!』

絶滅危惧種でございます。希少価値でございます。地球規模での保護が叫ばれているのではございますまいか?拙者が遭遇したこちらの平次親分が、どの辺りのレベルにいらっしゃるのか、ぜひみなさまとそのようなお話に花を咲かすことができれば、目土盛造まことにありがたき幸せでございます。しかし・・・もう本当に『ビックリしたなあ!』もう絶対に会いたくはない方ですがね。(爆!)

では皆様方、明後日はいよいよ加賀屋400万ラウンド記念ゴルフでございます。当日初めてお会いする方々もたくさんいらっしゃるかとは存じます。平次親分の居ない楽しいゴルフをぜひご一緒に!
ではまた次回のモリゾー通信でお会いしましょう!