2010.10.04
まんまるなお月様の周りを細くたなびく秋の雲。ここのところ涼しくなった夕刻に、シミジミと美しい夜空を愛でる今日この頃でございます。ま、それほど"風流"な拙者ではございませんが、短い秋の季節を堪能しているのでございます。
まさに"秋は夕暮れ。夕陽のさして山の端いと近うなりたるに、鳥の寝どころへ飛び急ぐさへあはれなり。・・・"清少納言さまのお気持ちが痛いほど分かるオッサンなのですな。（笑）
ま、そんなオッサンはどうでもよく１０月３日の日曜日に、京カンの２０１０年クラブ選手権決勝が挙行されたのでございます。今年のクラチャンは、ディフェンディングチャンピオンのＯ君が、２ラウンド１４６ストロークのメダリストで通過。『おっ、今年もクラチャンはＯ君か？』などという大方の予想とは裏腹に、激戦が展開されたのですな。
拙者は、予選と山田ゴルフ倶楽部の理事長杯決勝が重なり『ここのところ午前中で泣きながら帰る事が多いし、今年は出るのヤメや！ヤメや！酒だ！酒だ！酒もってこい〜！しかし、理事長杯は一泡吹かせたるぜ！んのやろー！』という状態で臨んだ理事長杯決勝も惨敗。仕方が無く（本当は"お役目"なのでございますが）１、２回戦の競技委員として前日にアーリーバードをご一緒したＭさんの組につくのでございました。
前日のＭさんは"ぶ厚いボール"を打たれており『あぁ、今日もこのシブトイ爺ちゃんの楽勝なんでねえのかい？』対戦相手のＦ君は京カン一の若き飛ばし屋。が、インスタートの１０番でまさかの左連続OBにて『あ、このホールギブアップっす。』まだ２打目を打つ前のＭさん『おいおい！まだ早いよ！』と言いながら『おっ、こりゃ楽勝かな？ヘッヘッへ。今夜は○●へでも行って△▼ちゃんと■□でも・・・なんて。』続く１１番も奪取し、歩きながらもニンマリ度が増しますな。ところが、勝負は下駄を履くまで分からない！その後Ｍさんはダフりを連発。逆にＦ君はもの凄い飛距離が炸裂でございます。アッという間に３番までで４アップの大逆転！歴戦の強者Ｍさん、大ピンチ！
しかしここからはＭさんのマッチ巧者ぶりが炸裂！じわじわと差を詰め、８番ロングのドーミーホールもＦ君の２オン（いやあ、いい球だったなあ）など眼もくれず、ひたすらパーでしのぎ、いよいよ最終ホールでございます。オナーのＭさんはスプーンで右のラフに。続くＦ君のティーショットが左に巻くのを見たＭさんの『おらー！もっと左に曲がっちまえ〜〜〜！』ひえ〜、ヤ○ザです。正真正銘のヤ○ザでございます。（大笑）普段は"紳士"を演じ続けるダンディーなＭさんの本当の姿をかいま見たモリゾーでございます。（爆笑！）しかしその声にもめげずＦ君のボールは左のバンカーで止まりますな。そこからは"ハートとハートの泥仕合"です。１、５メートルのパーパットを外したＦ君を尻目に『これを入れればエキストラだな。オレの辞書に外すという文字は無い。』Ｍさんのパーパットは１メートル。下りのスライスラインでございます。
『こりゃ入れてくるな。このオッサンだけは敵に回したら一番恐ろしいぜ。もしこれが入ったら"残業"かよ。オレはこれからご先祖様のお墓を磨きにいくという大切な役目があるんだから、オマエらどっちでも良いから早く終わりにせえよ！お願い！神様この子羊を早く解放してください！』思わず眼をつぶった拙者の耳に『おあ〜〜〜！』声にならないＭさんの声が・・・。外されました。"マッチの鬼"の異名を取るあのＭさんが・・・。
このような場合、あまり選手の皆さんにお声をかけられません。悪態をつきたい放題の拙者でも『勝ったＦ君には、次戦も最高のプレーを、敗れたＭさんには次回の健闘を。』一生懸命戦ったお二人に心からの拍手をお送りするのでございます。勝者は一人、敗者も一人。固い握手でお互いの健闘を誉めたたえます。やはりマッチはゴルフの醍醐味でございます。今回つきましたのはこのお二人だけでございましたが、他のマッチも熱戦が展開されたようでございます。ちなみに昨年のチャンピオンＯ君は１回戦が１アップ、２回戦では薄氷の１９番１アップという勝ち方。残念ながら３６ホールの準決勝はＭさんを破って日の出の勢いのＦ君に敗れ去ったのでございます。
さて決勝戦はそのＦ君と、初戦から４＆３、５＆４、５＆４と危なげなく勝ってきた予選２位のＳちゃんの対戦ですな。このＳちゃんは、趣味が"身体を鍛えまくる事（笑）"という小さな身体に大きな筋肉を身にまとった（本当にスゴい筋肉マンですぞ！なにしろ普通にゴルフをする際には、足に２キロのおもり、腕に１キロのおもりをつけてラウンドするのです。）素振り用のクラブで普通にボールを打ってしまう身長１６０センチの小マッチョでございます。ただし、主食は炭水化物を蒸留したようなモノを摂取しており『Ｓちゃん、アンタこんな食生活では身体を壊すよ！たまにはちゃんと飯食え！飯を食わないからアタマが薄くなるんだよ！こらぁ！』と拙者に叱られては『だってこれは"産毛"だもん！いいもん、いいもん、タイガースが弱いのも自分のせいだもん。すいませ〜ん！○●くださ〜い！』訳の分からない５３歳でございます。
しかし、この小さなオッサンは『盛さ〜〜ん、練習ラウンド付き合ってよ〜！盛さんと前日やると必ず勝てるんですよ〜！お願いします！』予選前日から毎週土曜日は"Ｓちゃんと一緒"のゴルフが４週間。まずは予選の前の日のアーリーバード。この日はＢカントリーの巨匠Ｍさん（翌日予選５位）、過去２度のクラチャン経験者のＯさん（翌日予選１６位）とのフォーサム。Ｓちゃんも予選２位通過です。確かに拙者とのラウンドで皆さん予選通過ですな。続いて１、２回戦の前日もマッチの練習と称してラウンド。翌日Ｓちゃん圧勝！さらに準決勝前日も拙者に負けたＳちゃん、快勝！そして今回の決勝前日も『盛さ〜ん、絶対！絶対一緒にゴルフお願いします！都合が悪くても待ってますから！（笑）そーしたら絶対勝てるから！』とことん迷信を信じるアホなオッサン、拙者をこき使いまくりますな。
仕方がございません。決勝前日もＳちゃんとの練習ラウンドに精を出しますな。『んよ〜し！お前が優勝したら、絶対祝勝会をやってやるから明日は"平常心"で頑張れ！』『わっかりやした〜！必ず頑張ります！でも、盛さん、決勝の競技委員でうちらの組につかないでくださいよ。盛さんにつかれると負けるから。』『バカヤロー！オレは疲れた身体に鞭打って月例に出るわい！』４週連続二人三脚のオッサン二人の間には、不思議な友情が芽生えるのでございました。（笑）
さて、決勝はと申しますとＳちゃん４＆３で勝利しましたな。拙者が月例から上がってくると『盛さん！やりました！いま、池に飛び込みたい心境です！あ、スピーチ苦手なので、盛さんオレの代わりにやってください！』支離滅裂のアホ全開でございます。『いいか、スピーチなんてテキトーでいい。だけど皆様方に心からお礼を言いな。それだけで充分心が伝わるから。』『ハイ！わっかりました！』
表彰式の際、不慣れなスピーチながら一生懸命お礼を言う姿を見て『あ、Ｓちゃんはこういう人柄だからみんなに愛されるんだなあ。』と感動したのは拙者だけではありますまい。最近はたまにしかクラブに顔を見せない元○○や元△△の若いメンバーが、大手を振ってクラチャンに挑戦してくるクラブが多くなってまいりました。それが悪いとは申しませんが、Ｓちゃんのようにクラブのみんなに愛されながらひたすら努力をするおじさんゴルファーが、クラブの頂点に立つ事が拙者は大好きでございます。京カンの新チャンピオン！Ｓちゃん、本当におめでとうございます！いつも笑っている明るく謙虚なチャンピオンですが、皆様方よろしくお願いいたします。
さあて、来年は拙者が一泡吹かせてやろーかのお。え？その前に泡吹いて倒れるなよ！ですって？老人力がめっきりついてきたこの目土盛造に対して何たるお言葉！ぶ、無礼者！・・・は〜〜〜しかし仰る通りでございます。年寄りは無理しちゃいかんよって、バアちゃんが言ってたもんなあ。
とはいえこれからの秋のハイシーズン、楽しいゴルフをなさってくださいね。ではまた次回のモリゾー通信でお会いしましょう！