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第52巻 ゴルフは100球打つより見てなんぼ!  タケ小山著 ゴルフダイジェスト新書

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ゴルフは100球打つより見てなんぼ!

「♪ありのぉーっ、ままのぉーっ、すがたぁみせるのよぉぉぉ。」

あ、すいません。気がつかずに熱唱しておりました。5月からずっと「Let it go」を歌いっぱなしのまこっちゃんです。

皆さま、もうご覧になりましたか?「アナと雪の女王」略して「アナ雪」。大ヒットロングラン上映中です。まだご覧になってない方は是非。もうご覧になった方は、2回目は日本語版で、3回目は3Dで、さらに4回目は“みんなで歌おう♪”(歌詞付き)版で、観客全員で一緒に歌っちゃってください。

先日もラウンド後の風呂場の脱衣場で、先輩と「アナ雪」の話になりました。

「観ました?」

「観たよ。君(まこっちゃん)は、どのバージョンで観たの?」

「英語版(3D)で」

「誰と?」

「女房と。」

「ふーん。」

「先輩は?」

「俺は、全バージョン観たよ。」

「えーっ!3Dも、“みんなで歌おう♪”版もですか?」

「そう。」

「誰と、そんなにアナ雪観るんですか?」

「そりゃ、バージョンに合わせて、一緒にみる女性は替えるでしょ。」

「おお!さすが先輩!するってぇと、日本語版は」

「日本人」

「英語版は」

「パツキン。」

「3Dは?」

「そりゃぁ、ぺッタんこの娘はだめだよね。」

「おー立体的な彼女。。。ん?それでは、“みんなで歌おう♪”版は?」

「むふふふ。。。」

「えーっ!」

相変わらず、馬鹿な親爺たちで、ゴルフ場は一杯です。

そんな馬鹿な親爺たちを悩ます日々が始まっております。

ブラジルワールドカップと全米オープンゴルフの同時開催です。

ワールドカップのキックオフが深夜3時とか朝7時とか。それに全米オープンが夜中に延々とやっております。

オランダVSスペインやイタリアVSイングランドという白熱した試合が目白押し。イタリアの悪童バロテッリとイングランドの悪童ルーニーの悪童対決をわくわくしながら観ておりますと、松山英樹のバーディパットを見逃してしまう。かといって、バッバ・ワトソンのドライバーに唸っていると、オランダのファンペルシーの華麗なダイビングヘッドを見逃してしまう。

どうすりゃ、いいんだ!

というより、いつ寝るんだ!

さすがに翌日の日曜日はNカントリークラブの月例競技なので、少しは寝ておかないと。眠い目をこすりこすりしながら、ベッドの中でテレビを見ておりますと、「!」と気が付きました。

「プロゴルファーはフィニッシュでヘッドが右耳まで必ず回ってきている。」

そんなの当たり前と言えば当たり前なのですが、スイングを考えると、どうしても腰から腰のインパクトゾーンの動きをなぞることに一生懸命になってしまい、フォローなんて2の次になりがちです。だって、ボールが当たって、既に飛んでいってしまった後にどんな格好をしても、ボールに影響を与えることなんてできないでしょ。

なので、フォローなんてどうでもいいや。というのが今までの私の考えだったのですが、プロゴルファーのスイングで、全選手で最も共通しているポイントは、フィニュッシュなのではないか?と気がついたわけです。

アドレスやテイクバック、インパクトの姿は、それぞれの選手の個性が目立ちますが、フィニッシュは、それらのパーツに比べるとかなり共通しているのではないか?

ということは、「!」ついにスイングの秘密を発見したか!

それまでベッドでうとうとしながらテレビを見ていましたが、こうしてはいられません。やおらベッドから立ち上がると、夜中の寝室で一人シャドースイングです。

「こうして、ここから、こんな感じで、こうか?いや、左手はもっとこう来て、こうか。。。」

一睡もする時間も無く、朝になりました。

月例の朝の練習場はいつも満員です。自分の順番が来るまで他の人の練習を見ておりますと、やはりアマチュアゴルファーはフォローからフィニッシュがバラバラ。研修会の上手い人は、フォローからフィニッシュがゆっくり大きく動くのに、下手な人は力いっぱい打っているのに、フォローやフィニッシュが毎回違っていたりする。やっぱりそうか。

自分の順番になって打ち始めますと、うん!ええで、ええで!ええ感じやでぇ!

いつもは200yの桜の木の手前で失速するボールが、そのまま桜の木の上の方へ「ガサガサ!」と当たっていきます。おおお!ついに!

喜び勇んでラウンド開始です。1番Par5でもドライバーがいつもより20yぐらい飛んでます。しかも曲がらない。こりゃ、いいぞ!と、第3打をグリーンに向かって打ちますと、

「ナイスショット!。。。あれ?ちょっと大きくない?」

ドーンッ!グリーンをダイレクトにオーバー。大トラブル。

なんと、アイアンまで、いつもより10y以上飛んでしまいます。

それでは、と次のホールは1クラブ番手を下げて打ちますと、

「ナイスショット!。。。あれ?またちょっと大きくないか?」

ドーンッ!グリーン奥でワンバンドした後、またしてもグリーン奥のトラブル。フライヤーもあわせていつもより20y近く飛んでます。

当然スコアはボロボロ。でも、本人は至ってご機嫌にハーフターンです。

食堂にあがっていきますと、大変なことを忘れていたことに気が付きます。

「今日は、日本代表戦じゃん!」

過去、日本代表のワールドカップでの闘いは必ず代表とともに勝利の念を送ってきましたのに、昨夜のゴルフの発見から、すっかり忘れておりました。

幸いなことにコートジボワールに1-0のリードでハーフタイム。

慌てて食事を掻きこむとテレビの前に移動。

と目の前で「悪夢の2分間」。

わずか2分の間にコートジボワールに2失点。1-2と逆転されてしまいました。

逆転を信じて応援して居たかったのですが、私たちも午後のスタートの時間です。

そうだ!忘れていた!キャディバッグの横のモノ入れから日本代表の青いユニフォームを取り出して、ポロシャツの上から着用します。

「おいおい。何着てんだ。」

「代表のユニフォームです!」

「そんなのわかってるよ。ここはゴルフ場だぞ。」

「ダメっすか?下にポロシャツ着てるから襟はあるし、裾もズボンの中に入れてます!」

「うーん。。。まぁいいか。。。4年に一度だし。」

同伴競技者の了解を得ますと、午後からは、日本代表として本田や香川と伴に戦う気持ちです。

10番パー。11番パー。12番はパーパットが蹴られてボギー。13番は途中トラブルに見舞われながらもボギーで凌ぎます。頑張れ!長友!内田!俺も頑張ってるぞ!

14番のティーショットをベストポジションに打ち、セカンドに行く途中で、

「なぁ、もう日本代表の後半終わってんじゃないか?そんなの着て気合い入れて戦ってても、あっちが終わってるんじゃぁ、独り相撲じゃないか?」と同伴競技者から言われます。

確かに。どうなったんだろう?逆転できたのか?俺は頑張ってきたぞ。このまま後半30台でラウンドして日本代表の勝利を迎えるか?いや、その前にこのホールの後にお茶店があるから、そこで結果が聞けるか。

いろいろ考えながら打ったセカンドは、ペシャッと変な音で右手にチョロ。載らず寄らず入らずのダボ。慌ててお茶店に駆け込みます。

「代表は!?勝ったか?!」

「・・・負けました。」

がっくり。

試合終了なので、ここでユニフォームとはお別れし、もとのポロシャツ1枚に戻りますが、私のゴルフも試合終了。ボギー、トリプル、パー、ダボ。終わってみれば30台どころか46。とほほです。

代表は負けるし、ゴルフは負けるし。今日は良いことないなぁ。と家に帰ります。「サザエさん」を観ながら家族でご飯を食べてますと波平さんが、「今日は父の日ですねぇ」。

それを聞いた妻と娘が「あ!忘れてた!日本代表がドロクバに負けたから、今日は何もやる気が起きなくて。朝は、『今日は父の日だからケーキでも買いに行こうね。』なんて話してたんだけどねぇ。悪いのは、私たちじゃないのよ。ドロクバがいけないのよ。ドロクバが。」

「ドロクバは選手。負けたのはコートジボワール。」

「そんなの、わかってるわよ。大体、日本代表戦があるのに、自分はゴルフに行ってたんじゃない。いっつも、『ワールドカップっていうのは国同士の戦争と一緒なんだ。国民が団結して応援しないと、相手チームには勝てないんだ。』とか言って、テレビの前でユニフォーム着てる癖に、ゴルフなんか行ってるから勝てないのよ。」

「お、俺のせいで負けたっていうのか?だからケーキも無いのか?そもそも、サッカーとゴルフっていうのは、スコットランドでは結びつきが深くてだね、スコットランド人はサッカーとゴルフが大好きで、イングランドとの戦争に負けたスコットランド王ジェームズ2世は、戦争に負けたのは、国民がゴルフとサッカーばっかりしていて、弓矢の訓練をしないからだとして、1457年にフットボールとゴルフの禁止令を出したりしてだな。」

「あら?サッカーとゴルフを禁止した王様がいたの?じゃぁ、我が家もサッカーとゴルフを禁止しようかしら?」

「あ、いや、そうじゃなくて。。。」

「ケーキが無いくらいで、文句言ってたら、サッカーもゴルフも禁止にしますからね!」

さて、来週もワールドカップは続きますし、全米オープンは、なんと同じ会場で全米女子オープンが行われます。まだまだ眠れない夜が続きます。皆様もお体を大切に。

果たして日本代表は無事グループリーグを勝ち残れるのか?まこっちゃんは、無事ゴルフに行くことができるのか?

日本の馬鹿な親爺ゴルファーたちよ。まだまだ大変な日々が続きます。頑張っていきましょう。