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第44巻 大江戸釣客伝 夢枕獏著 講談社文庫刊 あるいは 達人シングルが語るゴルフ上達の奥義 山口信吾著 日経ビジネス人文庫刊

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前回、匿名について書きましたところ何人かの方から「ごめんねぇ、俺がしゃべっちゃったかもしれない」と言う連絡をいただきました。中には心配して加賀屋ゴルフにわざわざメールを送ってくださった方までいらして、恐縮至極です。

あまりお気になさらず、これからも「本棚」を楽しく読んでいただければ幸いです。

ただし、くれぐれも私も含め登場人物の本人特定などに貴重なお時間をさかれませんように。どこにでもいる市井のゴルファーですから、探しても何の得にもなりません。

本人特定と言えば、所属するゴルフ場も推測できるし、「まこっちゃん」と言う名前をハンデボードで12の欄を探せば、本名など簡単に確認できます。というご指摘も頂きました。

なるほど。(感心)。わざわざ私のようなものの名前をそこまでして確認なさった方がいることにも、びっくりです。

言われてみて所属するNカントリーのハンデキャップボードを眺めてみました。ご指摘ごもっとも。と思いつつ、ついでに普段眺めたことの無いハンデキャップボードをじっくりと見ておりますと、

「!」

今をときめく超有名作家のお名前を発見。

さっそく、キャディーマスターに確認しましたところ、ご本人ですよ。とのこと。ペンネームでは無く、堂々と本名で執筆されているのですね。さすが大作家。

大江戸釣客伝あるいは 達人シングルが語るゴルフ上達の奥義

本来ならば、ここで大作家のゴルフ本を紹介すれば流れが良いのですが、今回は別の巨匠の作品を小者が匿名のまま、こそこそと紹介(笑)いたします。夢枕獏著「大江戸釣客伝」です。なんだ、ゴルフの本棚なのに、釣りじゃないか?と御不審な方もいらっしゃると思いますが、その通り。釣りの本です。しかも元禄の江戸が舞台です。五代将軍綱吉の有名な悪法「生類憐みの令」で釣りが禁じられた世の中で、釣りがしたくてしたくてたまらない釣りキチたちのお話です。ストーリー的にはいまひとつの出来ですが、ここに出てくる釣りキチが、私には身近なゴルファーに思えて仕方ないのです。

江戸湾に船を浮かべて釣りをしていると、釣れたのがなんと水死体。しかも、その水死体はどうやら釣り人の水死体らしく、死んでも水中で釣竿を握っており、しかもその釣竿にでかい魚が掛っている。うつ伏せに浮いている死体を仰向けに返すと、死体が実に嬉しそうな笑みを浮かべていた。それを見た釣りキチが、「ああいう死に方も悪かねぇ。」と呟く。というシーンからスタートします。

水戸光圀や紀伊国屋文左衛門、松尾芭蕉といった登場人物が、「生類憐みの令」と悪戦苦闘しながら、水死体の身元をたどる。というのがおおよそのお話ですが、ここに出てくる釣りキチがとても良いキャラクターしています。

店の前の生き倒れを助けてみたら、これが「釣りで身を持ち崩した」という釣りキチでした。助けた方も、博打や酒で身代潰す奴はいるけど、まさか釣りで身代潰すやつはいねぇだろう。と、店において働かせますと、これが腕の良い働き者で。月に1日だけ休みをもらって釣りに行きたい。という真面目な男。真面目ぶりに、これは良い人間を拾った。と店は喜んでいたのですが、しばらく働いているうちに、月に一度の釣りが月に二度になり、七日に一度になり、雨の日は釣りに行くようになり、雨の日じゃなくても釣りに行くようになり、遂に仕事もせずに自分の部屋に閉じこもって一日中釣りの研究をしてしまう。たまらず店主が苦言を言うと、「釣りができないなら、いっそこの場で殺してくれ」という強烈な釣りキチです。

ほら、あなたの周りにもいるでしょう?そういうゴルキチが(笑)。

いない。と言う方は、是非一度、加賀屋ゴルフのコンペに参加されるとM田社長をはじめ、よりどりみどり大勢のゴルキチに会えます。仕事している日数とゴルフしている日数が逆転している人。40歳になっても独身で、「緊急連絡先に自宅書いても誰もいないからNカントリーの電話番号書いておいた」という人。そんでもって、「ああいう行き方も悪かねぇ。」と呟く自分。

大江戸釣客伝あるいは 達人シングルが語るゴルフ上達の奥義

長々と書きましたが、この「大江戸釣客伝」ともう一冊「達人シングルが語るゴルフ上達の奥義」と併せて読まれると面白さ倍増です。

クラチャン出場のモチベーションをあげるために買いました。18人のハンデ+1〜8までの熟練のシングルプレーヤーが登場します。18人のうち11人がクラチャン獲得者です。彼らの練習法。ゴルフへの姿勢や取り組み。更には生き様を見ることで、「どうすれば、クラチャンになれるか?」という研究材料にできます。

登場する方の多くは、立派な企業にお勤めの立派なサラリーマンで、仕事とゴルフを両立されている方も少なくありません。

でも、やっぱりちょっと変。(笑)

どんなに夜遅く帰っても庭で素振りをする人はまだましな方。

ラウンド終了後、お風呂に入ってラウンジで待っていると、なかなか姿を現さず、帰りに一緒にラウンドした方が探しに行くと雨の中で濡れながら練習場でボールを打ってる人。

「たとえ仕事の付き合いでもいい加減なプレーをするのはゴルフを冒涜することになると考えていた」とわざと自分に不利なハンデを設定する人。

夢の中で毎晩ラウンドしちゃう人。

ゴルファーとしては、正しいのかもしれませんが、人としては、ちょいと如何なもんでしょう?

ともあれ、18人のうち3人くらいまで読んで、その気になって今年もクラチャンに挑戦しました。9月とは言え、まだ暑さの残る2ラウンド。ハンデ+2〜13までの44人が16位までの予選通過を戦います。

結果は当然、予選落ちでしたが、やっぱり上手な方とラウンドすると勉強になります。

特にローハンデの方は、やっぱりゴルフが上手い。見ていると、自分の中で弾道のイメージが固まるまで、延々と素振りを繰り返し、素振りと弾道のイメージが重なってからショットするのが良くわかります。

そのかわり、遅い。(苦笑)あまりに遅くて、前の組と2ホール以上開く場面も。歩くリズムを早めたりすると、スイングリズムも早くなってミスショットにつながる。という方もいらっしゃるので、ゆっくり歩いて、ゆっくり素振りして、ゆっくりショットする。確かにお上手ですが、私よりハーフでみっつよっつ少ないだけです。ラウンドスピードは私よりハーフで30分以上遅いだろうと推測します。

さすがにキャディさんも苦労していましたが、ご本人はどこ吹く風。

後で聞くと、上手い人たちの中でもプレーが遅くて有名な方らしいですが、皆さん、面と向かっては注意されないらしい。

同日に行われたフジサンケイクラシックで松山プロが優勝しましたが、横尾プロが「スロープレー」と苦言を呈していました。松山プロは「競技委員にスロープレーを注意されても気にしない」というコメント。そのくらい強靭な精神力で、平然と不動心を養わないとゴルフは上手くなれないのかもしれません。

上手くはなりたいけど、正直な話、あんなにプレーが遅くなるなら、上手くならなくてもいいや。とも思いました。

例年、色々な事件が起きて100前後を打ってブービーかブービーメーカーだったクラチャンですが、今年は特に事件も無し。普通にゴルフして普通に予選落ちしました。44人中真ん中からちょっと下くらいかな。下手だし。頭悪いし。前の組と開くと慌てて打っちゃうし。こんなもんでしょう。

なので、本棚で報告するような話も無し。ただ、疲れました。2ラウンドする体力が無くなってきたのかなぁ。

さて、クラチャンも終わったので、早くも来年のクラチャン獲得に向けて、スイング改造に着手します。

この秋冬のスイング改造のテーマは、同じクラブに所属する大作家から勝手にいただきました。

テーマは、「やられたら、やり返す!倍返しだ!!」です。

なんだそりゃ?