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ゴルフのすべて ボビー・ジョーンズ著 永井淳訳 ゴルフダイジェスト社

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5月って、こんなに気持ちの良い季節でしたっけ?朝、家の近所を歩くと羽衣ジャスミンの濃厚な香りが道一杯に漂い、見れば朝日の中で、可愛い白い花が満開です。インドでは、若い女性は恋人にもらったこの白い花を黒い髪に編み込んで愛の証にするらしい。はるか彼方のインド美人に思いを馳せながら眺めれば、甘い香りとともに、心地よい満足感が体の中に流れ込みます。もちろん、竜巻が発生したり、雹が降ったり、異常気象のニュースは流れていますが、それでも、その他のほとんどの日は、暑くもなく寒くもなく、湿度も低くて過ごしやすい日々です。羽衣ジャスミンの花を髪に編み込んでくれる美人がいないおじさんたちは、ゴルフをやらずして、何をすればいいのでしょう。

ご機嫌です。やっと自分のゴルフの調子が戻ってきたからです。(笑)

ゴルフのすべて ボビー・ジョーンズ著 永井淳訳 ゴルフダイジェスト社

さて今回、ご紹介しますのは、ボビー・ジョーンズ著「ゴルフのすべて」です。すごいタイトルです。「ゴルフのすべて」です。かのボビー・ジョーンズだって、つけて良いタイトルと、いけないタイトルがあるだろう。名著と名高い「ダウン・ザ・フェアウェイ」ですら、もの足りないのに、「ゴルフのすべて」とは。ちょいと反感を抱くタイトルです。ゴルフダイジェスト社50周年記念出版で、「ダウン・ザ・フェアウェイ」と2冊セットでボックス入りになっていなければ、きっと買わなかったし、読まなかったと思います。

しかし、これが、間違いなく名著です。

なぜなら、私が、ご機嫌に5月を満喫していられるのも、この本のおかげなのです。正直、紹介したくない。誰にも教えず、自分だけの聖書として秘密にしておきたい。という誘惑と戦いながら、これを書いています。

「ダウン・ザ・フェアウェイ」が、ボビー・ジョーンズの絶頂期より前の話であるのに対して、この「ゴルフのすべて」は、彼が引退直前の3年間(絶頂期)と引退直後の3年間の間に書いたものが主になっています。そして、「ダウン・ザ・フェアウェイ」が彼の半生記であるのに対し、この本は、なんとレッスン本の体をなしています。

10章からなる第1部「技術編」と5章で構成される第2部「実戦編」の457ページで、「ゴルフのすべて」を語ります。決して読みやすい文章ではありませんし、決してわかりやすい内容ですらありません。どちらかと言えば、読んでいて、いらいらする感じすらあります。しかし、それは、ボビー・ジョーンズの文章力や、訳者の表現力の問題ではなく、「ゴルフ」というものの複雑さや、難解さに他ならない。ということに気づきます。

初心者向きの内容ではありませんから、この本全体を読みとおすのは、ある程度ゴルフの力量が必要とされるかもしれません。それでも、恐れることはありません。なにしろ、「ゴルフのすべて」なので、この本をすべて理解しマスターできると思わなくてもいいのです。読む人は、読む人のゴルフのレベルに合わせて、この本を理解できるでしょう。上級者が感心する箇所と初心者が感心する箇所は違うし、スライサーとフッカーも、読む箇所が違うかもしれません。それでも、すべてのゴルファーはこの本から有益なアドヴァイスを得ることができるでしょう。さらに、同じ人間でも、1回目に読んだときと2回目に読んだ時に、また違った発見をするでしょう。その間に、その人のゴルフはきっと変わっているし、その変化にあわせて、また新しい発見があるのがゴルフなのですから。

ちなみに、私は既に2回読み、今回、これを書くにあたって3回目を読んでいます。

1回目に読んだときは、「バックスイングは左手(体の左側)で行う」「ボールを飛球線に向かって打ちだす」ということに気付きました。実践したところ、加賀屋400万ラウンド記念ゴルフコンペでドラコンをとりました。つい、この間まで、私のドライバーは150yしか飛ばず、しかも左右の林の中にしか行かなかったのに。

2回目に読んだときは、「インパクトで腰はアドレスの位置を通り過ぎてターンし、この時点で下半身はほぼホールのほうを向いている」というところに気付きました。それまではインパクトで、おへそはボールを見ている。と思っていました。道理でボールは右に飛んで行くし、右に行かせたくなくて、手をこねれば左にも飛んでいくし、だめなはずです。早速試してみると、最初はひどい引っ掛けショットが出ましたが、それは、上半身までホールの方を向いてしまうためで、「下半身はホールのほうを向いているが、上半身はボールの方を向いている」という意識を持つと、面白いように飛距離が伸びて曲がりません。

勢いを借りて所属するNカントリークラブの理事長杯に出ました。42-36の78。ハンデが14ありますから、ネット64。8アンダー。なんと予選1位通過であります。
16人によるマッチプレーは、4回勝てば優勝です。優勝したら、「理事長杯」を獲得できるわけですから、この「ゴルフの本棚」も「ゴルフの飾り棚」とタイトルを変更です。

1回戦は、3UPを一旦スクエアまで戻されるも、その後、相手が力んで自滅。3-2で勝利。2回戦は、いきなり3連続ダウンを食らうも、こつこつと戻し、15番ホールで、ついに1UPと逆転。残り3ホール。16番Par4、私のティーショットは、クロスバンカーに。相手はフェアウェイですが、私が残り180yに対し、相手は200y以上。セカンドショットから軽い打ち上げになっており、グリーンが見えません。相手の2打目は左にフックしていきました。「!」キャディさんは大慌て。「あそこはOBが浅いから危ないです。暫定球を打ってください。」相手が暫定球を打ったところで、私は考えました。「相手は、2打目がセーフでも、難しいアプローチが残っているはず、OBなら4打でオン。ここは、無理せず、軽くレイアップして3オンしておけば、このホール悪くて分け。うまくいけば勝ち。遂に勝利が見えたぞ!ぐふふふ」とクラブを持ち替えてレイアップ。レイアップしたボールまで悠々と歩いて行くと、グリーンにボールが2個。なんと相手の2打目がグリーン左端にパーオンしているではありませんか。結局このホール、ボギー、パーの負け。17番を引き分けた後、最終18番で力尽き1ダウンで負けてしまいました。がっくり。

それでも、まだ2回読んだだけで、このゴルフです。こうして3回目を読み始めた今、私のゴルフは、着々と上達している筈。読めば読むほど上手くなる。とても、他の本を読んでいる暇はありません。なので、しばらくゴルフの本棚がお休みになるかもしれませんが、しかたありませんよね。皆様、悪しからず、ごめんあそばせ。