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ゴルファーは眠れない 山際淳司著 角川文庫

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前回ご紹介しました夏坂健著「ゴルファーは眠れない」ですが、同タイトル「ゴルファーは眠れない」という本が、山際淳司の著作にもあります。

「夏坂健さんの本を紹介してよ」という声があったので、こつこつと夏坂本を紹介していますが、「ゴルフ本と言えば、夏坂健」という評価は、既にずいぶんと前から確立していたのではないでしょうか?逆に、夏坂さん以外の日本人作家で、夏坂さんに迫る評価を得る人は、なかなかいません。それほど、夏坂健さんは偉大な山であり、そびえたっていると思います。では、他にはいないのか?と考えると何人かいます。その中のひとりが山際淳司氏でした。山際淳司氏は、雑誌「Number」の創刊号に「江夏の21球」というスポーツノンフィクションを書いた方で、野球だけに留まらず、ラグビーからボブスレーにいたるまで、幅広くスポーツの魅力をノンフィクション・フィクションで伝えられていた作家です。惜しむらくは、1995年の5月に僅か46歳の若さで病死されてしまうのですが、いくつかゴルフ著作を残されています。氏が今も生きておられたら、63歳くらいであり、もっと多くのゴルフ関連の著作を残されたでしょうし、更にシニアゴルファーとして、もっと楽しいゴルフの世界を紹介されていたことだろうと思うと、大変口惜しく思います。良い人は早くに亡くなり、憎まれっ子は世に憚りますねぇ。ねぇMさん。

ゴルファーは眠れない 山際淳司著 角川文庫

今回、あらためて読み返してみますと、6つの短編から構成される本なのですが、それぞれ、「えー!こんな話だったっけ?」という違和感の伴う内容です。もし、今回はじめて読まれるという方は、戸惑うかもしれません。なんというか、「バブル時代」を色濃く反映しています。表題にもなっている「ゴルファーは眠れない」という短編は、前の晩からゴルフが楽しみで眠れない男が、雨の中、ゴルフ場へ向かうが、ゴルフ場はクローズ。帰り道で偶然拾った女性から、「北海道へ行けばいいじゃない。どうしてもゴルフをやりたい気分なんでしょ?」「そうだけどさ」「だったら、行けばいいのよ」と言われて、急遽、女性とふたり羽田から飛行機に乗って北海道に行ってゴルフをする。という話です。

思い出されますねぇ。バブルより前は、HIVなんてものも深刻な問題ではなく、「偶然拾った女性と運命の恋に落ちる」なんてことが格好良い。とされておりました。第三京浜をバイクで走っていたら、前の車が路肩に止まり、女性を残して車が行ってしまったので、その女性を拾ってそのまま同棲する。なんて話が映画化され、大ヒットしたものです。ご存知でしょうか?片岡義男著の小説を藤田敏八監督が浅野温子主演で映画化した作品「スローなブギにしてくれ」です。私が大学生の時には、浅野温子が落ちているのではないかと第三京浜を何往復も走ったものです。残念なことに、一度たりとも拾ったことはありませんが、今でも第三京浜を走るたびに、路肩に浅野温子が落ちていないか、探しながら走っています。その時代を生きていた方ならば、きっと、「ウ〜ゥオンチュユゥー〜、オレェノコトウォ〜」と口ずさみながら、当時、運命の恋に落ちた数多の女性を思い浮かべながら、これを読まれていることでしょう。今読むと、不自然なストーリーなのですが、それが気にならない空気が世の中を覆っていたのです。

あったでしょう?こういう話。バブルの時に。「昼飯食いに行こうか?」「何食います?」「カニ食いに行こうか?」「いいですねぇ。」と言うとそのまま羽田から飛行機に乗って、北海道でカニ食ってきた。という武勇伝がごろごろ転がっていたころです。

他の作品でも、「オーヴァー・ザ・レインボー」「サンドグリーンへ、ようこそ」は日本人がハワイのゴルフ場を買う話だし、「葡萄畑にボギーマン」は、やはり日本人がオーストラリアのゴルフ場を買う話です。断っておきますが、「ゴルフ場を買う」って、「ゴルフ会員権を買う」話ではありません。ゴルフ場を丸ごと買い取る。って話です。なにしろ、この時の日本は、お金が余って余って、ニューヨークのロックフェラーセンターまで買い取って、「安いもんだ」と言っていたわけです。日本のゴルフ会員権なんて、1億2億はあたりまえ。M社長は、今でも時々、遠い目をして「来ないかなぁ?もう一回バブル。」と呟きます。来ないから諦めなさいって。(笑)先日「加賀屋ライター新年会」の時に、目土の親方が、ぽっちゃり王子に、「自宅から一番近いゴルフ場はどこ?」「若洲GLでしょうか?」「じゃぁ、若洲GLを買い取って、加賀屋のメンバーシップコースにしろ。」と真顔でおっしゃっておりました。バブルの最前線で生きて来られた先輩の言葉は、本当に素敵です。可哀想にバブルを知らない王子は、「そんなぁ」と目を白黒させておりましたが、親方は、本気ですからね。コツコツお金貯めておきましょう。
そういえば、この「ライター新年会」で、私は、目土の親方とはじめてじっくりとお話しをする機会に恵まれました。「まこっちゃんかい?」「目土の親分ですよね」「おぉ!会いたかったぜ!」「私もです!」あっという間もなく、一目で息投合。

すぐさま、「親分、最近、○っちゃんが、Sの研修会で大きな顔をしてるらしいですぜ。」「なにぃ?!親に入会金出してもらったくせに生意気じゃないか。」「えーそうです。そうです。近いうちにやっつけてやりましょう。それから、○社長もですね、最近、『ゴルフって、ハーフのどっちかは30台で回って初めてゴルフと言えるな。』と大口叩いておりました。」「なにぃ?ちょっと前まで、お茶屋のおばちゃんに『よーよよよ。俺は、なんてだめなゴルファーなんだぁ。』と泣いて同情を引いていたくせに。そんなに増長しているのか。」「えぇ。近いうちにやっつけてやりましょう。それから、この加賀屋のホームページ、私や盛さんのコラムが、下の『ゴルフライフ』でくくられていて、花屋のおっちゃんや、ぽっちゃり王子が、上の『ゴルフ場レポート』でくくられているのは、どうやら、上のグループが『上品』で、下のグループが『下品』ってことらしいですよ。」「なにぃ?芝先案内人は良いとして、花屋やBUNの野郎までもが、上品ってことはあるめぇ。おい!まこっちゃん、まっちゃん、MISOJIあらためアラフォー!出入りだ!出入りだ!こうなったら、『ゴルフ場レポート』対『ゴルフライフ』で勝負だ!ライダーカップあらため、ライターカップだ!おい、信吾!ゴルフ場を予約しろ!」

さてさて、いよいよライターカップが開催の運びとなりそうですが、前田社長はお疲れなのか二次会の途中から白河夜船。社長こそ眠っている場合じゃありませんよ。