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「ゴルファーは開眼、閉眼、また開眼」  鈴木康之著 日経ビジネス人文庫

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ゴルファーには品格が必要ですね。下品な言葉を口にしながらゴルフをするなど、もっての他です。

さて、今回、取り上げますのは、「ゴルファーは開眼、閉眼、また開眼」です。品格あるゴルファーのために書かれた本。と言って間違いは無いでしょう。著者の鈴木康之氏は、「ピーターたちのゴルフマナー」も著わされている立派なゴルフ研究家です。

ゴルファーは開眼、閉眼、また開眼

スコットランドやアイルランドのリンクスゴルフをこよなく愛される著者が、「上質なプレーをするための栄養となる72の名言を読み解きます。」(巻末紹介より)

たとえば、「カップからボールを拾う時は、『靴一足』離れて拾いましょう」とか、「常に目土袋を持ってラウンドしましょう」とか素晴らしいお話しばかりです。

私も、スコットランドでのリンクスゴルフは、大好きですから、鈴木氏の書く内容は、肯くところ大です。常にカップからボールを拾う時は靴一足離れて拾う事を心がけていますし、ラウンド中はグリーンフォークを持ち歩き、グリーンのボールマークを各ホール2個以上直すようにしています。

それでも私が品格あるゴルファーになれないのは、なぜなのでしょう?

鈴木氏は、「プロが帽子を脱がない毒害が広がっている〜アーノルド・パーマー」という章で、先ごろリッキー・ファウラーがマスターズの記者会見の際に帽子を後ろ前にかぶってオーガスタナショナルのメンバーに注意され被り直し、さらに、翌週のトーナメント会場でも、駐車場にいる際に同様に帽子を後ろ前にかぶっていたところを、クラブのメンバーに注意された。というニュースに触れ、「若者であれ、人気者であれ、プロゴルファーであれ、プレー料金を払うお客であれ、社長であれ、大臣であれ、ここではここの決まりと常識に従うのがゴルファーというものですね。」と書いてます。

久しぶりに、中学時代のうるさい生活指導の先生に再開した懐かしい気分です。皆さんも言われませんでしたか?「制服のボタンはちゃんと掛けろ」「帽子をあみだにかぶるな」「学ランのカラーを外すな」「かばんを潰すな」「カーディガンを腰に巻くな」「エロ本ばっかり見てるんじゃない」「遅刻はするな」「授業を抜け出すな」「煙草は吸うな」「雀荘に行くな」「女風呂をのぞくな」「図書室の先生の車にいたずら書きをするな」。。。

みなさんも、覚えがあるでしょう?えっ!言われたことない?「少なくとも、女風呂は覗かないし、車にいたずら書きはしない」ですか?でも、「ボタンを掛けろ」とか「上履きのかかとを踏んで履くな」とかはあるでしょう?五十歩百歩です。

ジェームズ・ディーンは「理由なき反抗」なんだし、尾崎豊は「盗んだバイクで走りだす」んです。若者から見て、どこも着崩していない服装をすることは、権威や権力への服従を意味しており、「かっこ悪い」「オヤジ臭い」ということになります。それを、「ここの決まりと常識に従うのがゴルファー」とは、親爺世代の決まりと常識を若者に押しつけることになりませんか?結果として、若者たちが、「ゴルフってオヤジのスポーツ」ってカテゴライズして、やらなくなっちゃう。まぁ、若者に迎合しろ。と言っているのではなく、まぁ、ほどほどで良くないですか?駐車場で帽子の後ろ前くらい赦してあげたら?ダメ?服装の乱れが、心の乱れ?放っておくと、煙草は吸うし、酒は飲むし、遊んでばかりいるダメな大人になっちゃいますか?あれ?もうなってるか(笑)。

ゴルフのプレーにおいて、マナーとエチケットは万国共通だと思いますが、ゴルフの服装については、あくまでも仲間内のTPOなのではないでしょうか?JGAのゴルフ規則の第一章は「エチケット」ですが、「服装」については触れらていません。JGAは、「服装はJGAが管轄する問題ではありません」という立場をとっているようです。ドレスコードは、「ゴルフの問題」ではなく、「コミュニティ≒仲間内の問題」だということでしょう。

たとえばシャツの裾も出すか、出さないか?については、この夏「クールビズ」の影響もあり、ポロシャツで会社に行く時に、私は問題に直面しました。いつものように、私がポロシャツの裾をズボンの中に入れていると、娘(高2)が、「うわ!シャツイン、ださっ!」と顔をしかめるのです。「そうかなぁ?」と妻に助けを求めると、妻も笑いながら、「今時、ポロシャツの裾を入れる人の方が少ないのよ。」と言うのです。仕方なく、ポロシャツの裾を出して会社に行きました。同僚からは、「勇気あるよね。」と言われ、上司の冷たい視線にもさらされることになりましたが、お父さんは頑張りました。我が家のドレスコードでは、「ポロシャツの裾はズボンの外に出す」のです。

もちろん、私の所属するゴルフ場にもドレスコードがあり、「ポロシャツの裾はズボンの中に入れる」です。板ばさみにあった私は、ポロシャツの裾を外に出したまま家を出て、駐車場で裾をズボンの中に入れ、プレー終了後、駐車場で裾を外に出して帰ります。忘れて家の玄関で、あわててポロシャツの裾を出したりすると、裾がしわしわになっていて、家族に笑われたりします。忘れずに、駐車場で見つからないように、裾を外に出しておかねばいけません。涙ぐましい努力です。ポリシーもへったくれもありません。

先日も、そんな努力を表に出さず、何食わぬ顔で、朝の静かなスタート前に、ジェントルな諸先輩と「すっかり、秋めいてきましたねぇ。今日もよろしくお願いします。」などと穏やかな挨拶を交わしていると、突然、「まこっちゃん!読んだよ。『金粉ショー!』面白かったねぇ!で、どう?今日も『金ッ!粉ッ!ショーッ!』って打つんでしょ。だったら、ハンデは無しでいいよね。え?!2枚寄越さないと、『ゴルフの本棚』に悪く書くって?。。。わかったよ。2枚でいいよ。そのかわり、ちゃんと書いてよ。マナーが良くて、ジェントルマンで、ゴルフに真摯な姿勢でいる。それから、ハンサムで、背が高くて、女にもてて、気前がいい。って、、、えー?!そこまで書くなら、2枚じゃ足りない?わかった!『背が高い』は省いてもいいから、1枚ね。じゃぁ、まこっちゃん、今日も『金ッ!、粉ッ!、ショーッ!』で、頑張ってね!」などと言うだけ言って行ってしまうなどという人がいると、残されたまこっちゃんは、同組の諸先輩や、キャディさんから「金粉ショーって?この人は、いったい何?」と白い目で見られることになります(大笑)。

ゴルフにはマナーとエチケットが必要だと強く思います。