ゴルフ会員権 ゴルフライフ

「ゴールドフィンガー」 イアン・フレミング著 ハヤカワポケットミステリ刊

ゴルフライフ>まこっちゃんのゴルフの本棚>「ゴールドフィンガー」 イアン・フレミング著 ハヤカワポケットミステリ刊


0071.gif(6203 byte)

「ジェームズ・ボンドはゴルフをするか?」
おまたせしました。まこっちゃんです。ゴルフの本棚もやっと第7巻。数字にこだわる私としては、始める前から、「第7巻は007にしよう。」と決めておりました。

さて、今回、取り上げますのは、「007ゴールドフィンガー」です。「ゴールドフィンガー」と言いますと、「アー、チィチィアーチィ!」と歌う郷ひろみのノリノリの曲(ゴールドフィンガー99)や、加藤鷹のエッチなビデオを思い出す方もいらっしゃるかもしれませんが、正しくは、「殺人許可証」(殺しのライセンス)007を持つ、英国諜報機関MI6の諜報部員ジェームズ・ボンドが活躍するスパイ小説です。しかも、「007シリーズ」の長編第7作目。そう、「007の中の007」なわけです。面白くないわけがありません。

ここは、「ゴルフの本棚」なので、本来は、イアン・フレミングの本を紹介するべきでしょうが、既に絶版になって久しく、中古を発注するしかありません。なかなか手に入りませんし、購入を検討される方は、映画版の「007ゴールドフィンガー」でもOKとしましょう。DVDはもちろん、ブルーレイにもなっております。

小説は1959年に発表され、1964年に映画化されます。日本で公開されたのは、1965年。主演は、まだ髪の毛がふさふさしているショーン・コネリー。奇天烈なストーリーにも関わらず、苦み走ったジェームズ・ボンドを演じています。なにしろ、裏切り者の体全身に金粉を塗り、皮膚呼吸を止め、呼吸困難で殺す。という敵を相手に戦うのです。一説には、全身に金粉を塗ったくらいでは、窒息死しないらしいです。そりゃそうです。だったら、一日何時間も水の中にいる水泳選手は、とっくに全滅しているはずです。当時、全身に金粉を塗った男女がエロチックに踊る「金粉ショー」なるものが、存在し、目土の親方のような、昔からの粋人は、「金粉!」と聞くだけで、「ショー!」と答えるとか、答えないとか。東京オリンピック当時の世の中の勢いが感じられます。当時の人たちは、「それっぽい」という理由があればOKとするのが粋、というものだったのではないでしょうか?星飛雄馬の大リーグボールしかり。なんでもかんでも、突き詰めてしまうと面白みがなくなります。「それっぽければ、(実際は違ってても)OK」って素敵です。

それはさておき、ジェームズ・ボンドは英国の諜報機関MI6で働く諜報員ですから、当然、英国人なわけです。となると、当然、「ゴルフ」をするのが、当然。しかし、歴代のジェームズ・ボンドがゴルフをしている印象が少ないので、冒頭の疑問になるわけです。

「ジェームズ・ボンドはゴルフをするのか?」

正解は、「する。」です。

ジェームズ・ボンドは、敵役の「ゴールドフィンガー」と賭けゴルフで対戦します。しかも、掛け金は「ナチスの金塊」5000ポンド(2268kg)(現在の金相場が約4900円/1g当たりですから、約111億1320万円)賭けゴルフとしては、マイケル・ジョーダン以上です。もっとも、マイケル・ジョーダンの離婚の慰謝料が、大体、150億と言われていますから、マイケル・ジョーダンも負けてはいません。

原作者のイアン・フレミングは、ロイヤル・セント・ジョージズ(本年2011年の全英オープンの舞台でした)のメンバーであり、1964年にキャプテンに選出されていますが、同年急逝。(このあたりのことは、先日、取り上げました夏坂健さんの「わが心のホームコース」にも出てきました。)英国で「ロイヤル」が付くゴルフ場は、本物の超名門です。そのゴルフ場のキャプテンになるほどの、ゴルファーだったわけです。ハンデは9。(ロイヤル・セント・ジョージズでは13)だった。ということです。ちなみに、ジェームズ・ボンドもハンデ9として描かれています。相手のゴールドフィンガーもハンデ9。私も一時、ハンデ9でしたから、当時は、ジェームズ・ボンド並みのゴルフをしていたわけです。もっとも、現在はハンデ12で、四苦八苦しているので、イアン・フレミング並み。でしょうか。

0072.gif(21028 byte)

小説では、「ロイヤル・セント・ジョージズ」をモデルにした「ロイヤル・セント・マークス」というゴルフ場で、ボンドがゴールドフィンガーと戦うのですが、映画では、「ロイヤル・セント・ジョージズ」でロケしたわけではなく、ロンドン近郊のStoke Park Clubというゴルフ場でロケが行われています。これも、調べてみると「007のゴルフ場」として、ツアーが組まれていたりします。こぎれいなホテルを備えたおしゃれなゴルフ場です。機会があれば、話のネタに一度ラウンドしてみたいものです。

ボンドとゴールドフィンガーがどんな勝負をしたのか?是非、映画でも小説でもお確かめください。小説は、18ホールのマッチプレイが、細かく描写されています。

簡単に紹介しますと、双方、卑怯な手を遣いまくり。ラフの相手のボールを踏みつけて隠す。相手のボールをすり替えて、「誤球だ」と言ったりします。

名門のキャプテンが書いたとは思えないくらいのインチキのやりあいです。いろいろ調べてみますと、イアン・フレミングも、相当「にぎり」が好きで、しかもマッチプレイが大好きタフなゴルファーだったらしく、負けず嫌いで、周囲のゴルファーを巻き込んで狂乱のゴルフをした。と、ロイヤル・セント・ジョージズのクラブプロが回想しています。どうやら、この辺も実話が含まれていそうです。

そういえば、私の身近にも、マッチプレイが大好きなタフなゴルファーがおります。
「どう?まこっちゃん。最近。調子戻った?じゃぁ、ひとつやりますか?ハンデ?大の男が、ハンデなんて、ねぇ。。。普通、言わないでしょう。J-sys?あんなのアテになんないから、僕のスコアをJ-sysに入れたら、5点いくつとかになったとか言う人がいるけど、クラブハンデは、8だから。まこっちゃんは?12?えー、それは多いなぁ。インチキだなぁ。じゃぁ、ハーフ1枚。ってことで。ね!決まりね!」

否も応もありません。これで、「ドライバーはハンデ3」(ゴルフ日記2011年9月4日参照)と自ら言う豪打を炸裂させ、終了するやいなや「じゃぁ、ナッソー分と、ラスべガスと砂竿合わせて、、、あれぇ、おかしいなぁ?こんなに勝っちゃった。」と、ごっそりチョコレートを持っていく姿は、まさにNカントリークラブのゴールドフィンガー。いつか、ジェームズ・ボンドになって、やっつけてみたいと夢想するまこっちゃんです。