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「ゴルフ場殺人事件」アガサ・クリスティ著ハヤカワミステリ文庫 まこっちゃんのゴルフの本棚

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「ゴルフの本棚」を読んでいただいて、ありがとうございます。

先日、前田社長からもお電話をいただきました。「まこっちゃん?今、いい?うん。あのね。『ゴルフの本棚』、評判良いみたいよ。面白いですね。って、メールがね1通だったか、いや2通だったか、来てたみたい。それから、うちの家内もね、あの人のは、起承転結があって、読みやすい。って、、、だから、頑張って書いてね。よろしく!」

いや。嘘でもありがたいことです。自分で読み返すと、支離滅裂。あー、と幻滅して消えてなくなってしまいたい。と思ったりしています。たぶん、メールも「新しい連載がはじまりましたね」くらいのことが書いてあったメールが1通来ただけで、「1通、いや2通だったか」と2倍にふくらまして、励ましてくれる。さらには、奥様まで引っ張り出して応援してくれるのは、ありがたいことです。

4月28日の独りごとにも、「どのような形で続いていくのか判りませんが」と前田社長が心配している様子がありありです。前田社長、本当にご心配おかけしてすみません。これからは、起承転結があるように、頑張って書きます。(笑)

さて、1巻、2巻とゴルフの技術書っぽいものを取り上げましたが、私の「ゴルフの本棚」は、技術書だけを取り上げるものではありません。ゴルフにまつわるものなら、なんでも本棚に入れます。

ということで、第3巻は、「ゴルフ場殺人事件」です。著者は、ミステリーの巨匠アガサ・クリスティ。あの名探偵ポワロシリーズの2作目にあたります。かの「オリエント急行殺人事件」や「ナイル殺人事件」など、映画化され大ヒットしました。私も10年ほど前、エジプトに旅行に行った際、ルクソールのカルナック宮殿で、高さ23メートルの石の円柱が134本も並んでいるところで、映画同様、柱の上から石が落ちてくるのではと、上を見上げました。もちろん、石は落ちてきませんが、一緒に行った人たち全員が、「ナイル殺人事件では、ここで石が落ちて来るんだよなぁ」と上を見上げておりました。

また、ポワロシリーズは、イギリスでテレビドラマ化され、日本でもNHKが輸入して放送していました。ポワロの声優は、熊倉一雄さんです。DVDも出ています。

ポワロシリーズの1作目が「スタイルズ荘の怪事件」で、第2作が、この本です。ミステリー好きの人でも、「スタイルズ荘」は知っていても、2作目となると、意外と知りません。ましてや、ゴルフ好きの人は、「モダン・ゴルフ」は知っていても、アガサ・クリスティが「ゴルフ場殺人事件」を書いていたことを知っている人は、まず、いません。

原題は、「The Murder on the Links」です。リンクスと言うからには、イギリスが舞台かと思いきや、舞台はフランス。しかも、≪建設中≫のゴルフ場で死体が見つかる。という設定です。

ゴルフ場で殺人が起きるとすると、死体がありそうな場所って、どこでしょうか?クラブハウス?林の中?まさか、フェアウェイや、グリーンだと、後々使いにくくなりそうですね。やっぱり、「バンカー」が一番じゃないでしょうか。少々血が流れても、砂が黒くなるくらいで、毒々しくならないし、後で、砂を入れ換えれば、ラウンドも可能だし。いざとなっちゃえば、バンカー埋めちゃえばいいし。そもそも、バンカーに死体はあるけど、あるはずの犯人の足跡が無い。っていうのが、密室トリックぽくて、ミステリーにはいいですね。もちろん、マナーの良いゴルファーなら、足跡はレーキを使って均すので、毎回完全犯罪が可能なわけです。

もちろん、この本でも、死体はバンカーで見つかります。でも、それだけで、ストーリーに、ゴルフは全く関係ありません。なので、この本を読んでも、ゴルフのためには、全くなりません。まぁ「ゴルフの本棚」と言うからには、こんな本もあるんだぞ、というための本です。

ただ、ゴールデンウィークの土曜日、私は所属するNカントリークラブでラウンド中、「どこのバンカーに死体を埋めると見つかりにくいか?」と物騒なことをひそかに考えながら、ゴルフをしてみました。ボールが入りやすいバンカーは、ダメです。すぐに見つかってしまいます。だから、Par3のバンカーは、基本的にNG。また、ティーグラウンドから見えるバンカーもよろしくないですね。だからフェアウェイのクロスバンカーもNG。グリーンの手前のバンカーもNG。と考えながらラウンドすると、候補は2か所。アウトなら3番ホールPar4ベントグリーン右奥のバンカー。インなら16番Par4ベントグリーン左奥のバンカー。いずれも、あまり入らないバンカーだし、しかも、もうひとつの高麗グリーンの反対側にあり、さらに、次のホールのティーグラウンドへの歩行経路と逆側にある。もっと良いのは、すぐ外のOBゾーンに管理道路が走っており、バンカー近くまで死体を車で運べる。最高のロケーションでありました。ゴルフは、スコアを競うだけものではなく、死体の埋め場所を探しながらゴルフをする。なんていう楽しみ方もあるということです。みなさんも、今度、ラウンドする際には、こっそり、埋め場所を探しながらラウンドしてみてください。でも、間違っても同伴競技者に、「どこに死体を」なんて話してはいけません。友達をなくします。さらには、折角の完全犯罪が、崩れかねません。ちなみに、スコアは47-43の90でした。余計なことを考えながらゴルフすると、良いスコアは出ないけど、適度に力も抜けるから、悪いスコアにもならない。っていうことでしょうか?

ところで、アガサ・クリスティもポワロシリーズの1作目「スタイルズ荘の怪事件」を書いた後、編集者から「あ、クリスティさん?今、いい?この間の「スタイルズ荘」、評判いいみたい。読者からね、手紙が来てたよ。1通、いや2通来てたかな?うちの奥さんも、読んでね。面白いって。あの人のは、起承転結がしっかりしてるって、うんうん。だからね、次回作も書いてみない?そうそう、ポワロのシリーズで、、、」っていう電話があったに違いない。その励ましで、「オリエント急行」も「ナイル殺人事件」も生まれたわけですから、「ゴルフの本棚」だって、いつか傑作が生まれるかもしれません。そのためには、みなさん、温かい励ましをお願いします。