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ゴルフ会員権にはさまざまな歴史と背景がある  独りごと

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2016年8月26日

 今週はゴルフ会員権についておさらいしてみましょう。
 ゴルフ会員権とは、優先してその施設を利用できる権利を有する会員権のことです。
 尚、ゴルフ会員権には株券のものと預託金のものとが存在します。
 株券には預託金返還請求権はないので、ゴルフ場に返還を申し出ても戻りません。市場で売却し、換金するしかありません。その代り、株主総会に出席し、意見を述べることが出来ます。
 しかし、預託金のゴルフ会員権の場合は、優先して使用できる権利の他、一定の時期が来たら証書に書いてある預託金を戻してもらえる権利も有しています。むろん、市場で売買し、換金することも可能です。
 この預託金問題(つまりお金を返さねばならない)からゴルフ場の破綻が始まったのです。一番衝撃的だったのはなんといっても、平成9年末に起きた日東興業の和議申請でした。
 その後は専業大手と言われたゴルフ場はほぼ民事再生法や会社更生法を申請しました。これにより、会員は施設の利用優先権はそのまま有することが出来ましたが、預託金の返還請求額が大きく大きく減少したのでした。で、全く無くなったコースもあったのです。

 自分の所持している(いた)コースから実例を挙げてみますと、富士カン市原は額面がなくなり(つまり0)、総武は13.8万円、京カントリーは30.4万円になり、富士カン大多喜城は49万円となりました。市原と大多喜城はすでに違う方に譲って退会していますが。
 なので、その金額を返還請求をしようと思えば出来る(出来た・今後出来る)のです。ほぼ破綻して10年後からの請求となっていました。このように10年ほど前は新証券発行後、10年後からが主流でありました。今は20年としているコースが主流です。
 なので、例えば、平17年8月に返還請求権発生が10年後として新証券を発行した京カントリーに対し私が近々退会を申し出れば、上記の金額は戻って来ます。すでに11年が経過しているからです。むろん、そうすれば会員ではなくなりますから会員としてのプレーは不可となります。
 10年経つと当時は盛んにゴルフをしていた方の中にも、今はゴルフをしなくなった方もおられるでしょうから、市場で額面以上で売れない場合は、返還請求をなさる方が得ですから間違いなく増えて来ることが予想されます。京カンではすでに少しずつそのような方が増えてきているそうです。
 
 逆に、総武の私の券面は2008年の6月発行の13.8万円ですから、今の相場を考えたなら後2年待ってコースへ返還するより市場で売却(185万円相当)するほうが間違いなく良いということになります。
 そんな総武にも400万円以上の額面を持つ方が340名ほどおられます。すでに市場で売却した方が90名弱ほどおられるそうです。が、残りの250名ほどの中、償還期日が近づいてきたので、もう使わなくなったからその額面の償還を申し出ようという方も出て来そうです。この会員権の相場が額面にならない限り、これまで以上にこの額面の売り手さんは市場には出難くなることが予想されます。

 また、総武にはもう一つSGMという共通平日会員権も存在します。これは、総武、中山、武蔵野、川越、スプリングフィルズの1都3県にあるゴルフ場を平日に限りですが優先して使用できる権利のことです。また、この額面のほとんどは171万円(ごく稀に207万円がある)でありますが、これもまた2008年6月に発行された会員権なので再来年6月には返還請求権が発生する会員権です。
 このSGMには500名ほどの会員がいますが、その内、市場で売買された方が100名ほどいらっしゃるそうです。で、残りの400名の方々の償還時期もやはり2018年6月ですから、このSGMも同様に市場で売却する方は減少するでしょう。
 弊社では、破綻以降、この8年余りで16件のSGMの売買を行いましたが、多くの方々がその使い勝手の良さに大変喜んでいます。また、近年は、預託金の充当も可能となったことで、今の募集金額(額面0で180万円)より間違いなくお得感があるこちらのSGM(額面が100万円ほど残ってさらに安いのだから)をお求めになる方が増えています。そりゃそうですよ、次回売る時にも買う方に充当制度を利用してもらえるんですから。

 上記は入会後10年とか縛りがありましたが、縛りがまったくないものもあります。例えば、千葉の鎌ヶ谷、茨城の常陽や取手国際はその縛り期間がないのです。
 ですから、基本的には額面以下での売り物は出て来ないのです。そう、皆、コースへ償還請求するからです。
 先週、この独りごとで入会相場を出しましたが、常陽がかなり上がってましたね〜。鎌ヶ谷もわずかながら上がってましたね〜。その理由はこういうところから来ています。取手国際はわずかに下がってましたが、高額面の会員権は全く下がっていません。この理由もこの理由からです。

 このように、ゴルフ会員権には様々な歴史があり背景があります。
 
 今、ゴルフ会員権は下げ基調にあるコースも確かにありますが、これらの理由から逆に買い難くなっている(今後なりだす)会員権もそれなりにあることも知っておいてください。

 以上、今週の独りごとでした。