独りごと

30年〜40年前の会員権相場になっているのではあるが

2010年07月30日

 株式市況に於いては、ダウはここへ来て高くなって来ているものの、日経平均株価は相変わらず低落したままです。無論、為替がこれじゃ、という事も分かりますが、明らかに日本の政治力が弱すぎる事も日経平均株価低迷の大きな要因でありましょう。
 今朝のニュースでも、首相政権与党内部でグラグラ(つい先日、自分たちが担ぎ上げたばかりのボスを袋叩き)している様を見ますと、やるせなさを覚えてしまいます。

 さて、今年の1月15日号で“今の状態を続けるなら、メンバーになろうとする人は減り、きっとこれまで以上にゴルフ場の名変料収入は減って来るでしょう。そしたら、また年会費を上げて凌ぐんですか?これこそ、負のスパイラルではないでしょうか。
 メンバーが高負担しても高福祉があるなら構わない、しかし、メンバーの低福祉を今後も続けるならば、負担を軽くすべきである”
 ということを書きましたが、最近になり、入会時にコースに支払う、いわゆる名変料を下げるコースが出て参りました。
 通常、ゴルフコースに限らず、メンバーになるというのは、そのクラブを自身が使いたいからそのクラブに入会なさる筈です。
 また、百歩譲って、そのクラブがビジターでさえも利用出来るクラブだとしても、クラブに入会する事でビジターで利用するよりトータル的金額が優遇されるから入会するのであります。
 ところが、名変料が高く年間の維持費が高い、所謂、メンバーとしてのメリットが少ないクラブと皆さんが判断するクラブであるなら、きっと入会はしないでしょう。

 ところで皆さん、現在の会員権相場はすごく安いと言われています。が、さて、いったい何時の時代の相場になっているのかを調べて見ましたので、主だったコースのデータを下記に記してみます。


相場・名義書換料・年会費 比較表
                                       単位:円
都県名 ゴルフ場名 現在のデータ
(平成22年7月22日現在)
現在のデータに最も近いデータ
相  場 名義書換料 年会費 年 度 相  場 名義書換料 年会費
東京都 小金井 56,000,000 12,600,000 210,000 S54.10 55,000,000 1,000,000 30,000
東京よみうり 15,750,000 3,150,000 52,500 S54. 2 15,200,000 1,000,000 30,000
八王子 2,550,000 2,100,000 52,500 S46. 7 2,600,000 200,000 12,000
府中 3,850,000 3,150,000 84,000 S47. 7 3,800,000 400,000 12,000
青梅 400,000 1,050,000 78,750 S46. 1 1,500,000 200,000 12,000
GMG八王子 140,000 525,000 31,500 S46. 1 200,000 100,000 12,000
神奈川県 戸塚 18,300,000 3,150,000 105,000 S54. 1 18,300,000 1,500,000 8,000
相模原 15,050,000 3,150,000 52,500 S51.12 15,250,000 700,000 20,000
レインボー 2,400,000 840,000 36,750 S47. 8 2,500,000 200,000 15,000
鎌倉 250,000 315,000 37,800 S46. 1 650,000 100,000 20,000
大秦野 100,000 472,500 37,800 S54. 8 1,400,000 400,000 20,000
埼玉県 武蔵 12,100,000 2,100,000 126,000 S53. 3 12,600,000 700,000 20,000
狭山 4,400,000 2,100,000 73,500 S47. 5 4,400,000 200,000 12,000
大宮GC 3,900,000 1,050,000 36,750 S50. 7 3,900,000 300,000 12,000
高麗川 2,200,000 1,050,000 52,500 S52.11 4,500,000 500,000 20,000
岡部チサン 130,000 525,000 37,800 S46. 1 700,000 100,000 12,000
小川 100,000 735,000 36,750 S46. 1 570,000 100,000 10,000
千葉県 我孫子 12,300,000 3,150,000 126,000 S51. 1 12,500,000 1,000,000 30,000
鷹之台 22,500,000 3,150,000 31,500 S54.12 22,000,000 1,000,000 25,000
中山 3,800,000 1,050,000 52,500 S47. 8 3,800,000 300,000 16,000
藤ヶ谷 6,100,000 2,100,000 73,500 S52.11 6,450,000 500,000 10,000
八幡 250,000 315,000 26,250 S47. 1 350,000 100,000 15,000
鹿野山 300,000 294,000 37,800 S46. 7 350,000 200,000 不明
茨城県 大利根 13,000,000 3,150,000 63,000 S55. 4 13,100,000 1,000,000 2,000
筑波 8,800,000 1,050,000 52,500 S56. 5 8,900,000 500,000 27,000
江戸崎 1,100,000 840,000 36,750 S46. 1 1,100,000 200,000 12,000
金乃台 950,000 1,050,000 31,500 S47. 4 900,000 100,000 10,000
アジア下館 ※ 100,000 600,000 35,000 S46. 7 180,000 200,000 12,000
桜の宮 ※ 100,000 525,000 26,250 S46. 7 200,000 250,000 12,000

 ご覧の通り、ゴルフ場の今の会員権相場は、昭和46年から昭和54年当時の価格となっています。ちなみに、昭和46年というとカップヌードルが誕生した年で、価格は100円?120円?でありました。また、大卒初任給は43,000円で、ビールが140円、かけそばが100円の時代です。
 昭和54年はというと、インベーダーゲームが流行った年で、大卒初任給は11万円、ビールが215円、かけそばが同じく215円、国鉄初乗り運賃が100円の頃です。

 調査の結果、今の会員権相場は今から30年前〜40年前の相場(青梅・鎌倉・大秦野・岡部チサン・小川などのコースは、その当時より全然安い相場)に戻っている事がわかりますが、驚くべきは、現在とその当時の名変料や年会費との違いであり、きっと皆さん、えっえっーと目を丸くしているのではないでしょうか?
 名変料が当時とそう変化していない八幡や鹿野山の会員権相場は当時の相場とそう違っていません。このことからも、名変料と年会費が相場形成にとっても重要な意味があることがお分かりでしょう。
 
 確かに昔のように、バブル全盛の御世(小金井が4億円、東京よみうりや戸塚が1.5億円強)なら、名変料がこのくらいでもなんら不思議はないでしょう。ですが、リーマン以降、国政をも含み、全てにおいて縮小縮小が叫ばれている中、ご多分に漏れず、会員権相場(価値)はバブル時期に比べ大幅に安くなっています(デフレ)が、戻って来ない名変料や年会費だけが逆にインフレなら、皆さんの会員権の購買意欲が薄れ出しても致し方ないかもしれません。
 このままでは、数年したら、ゴルファーはいても会員権を買ってまでというゴルファーはいなくなる恐れがあります。そうなると、メンバーコースとしては危機的状況となるのではないでしょうか。

 しかし、ここに来て、危機感を感じた(であろう)ゴルフ場は、名変料を下げるコースがポツラポツラ出て参りました。私は、こういう動きが各ゴルフ場に波及し、ゴルファーが会員権を買いやすい環境になる事を心から祈っております。

 以上、今週の独りごとでした。