独りごと

似非会員制倶楽部の崩壊が始まり、本物が評価される時代

2010年02月05日

 今年に入り、上にも下にもそう大きく触れなかった株価でしたが、今週末はダウを始め世界同時に大幅安の展開をみせ、今日現在では、ダウが辛うじて1万ドル、日経平均株価が1万円ギリギリと、またまた予断が出来ずと申しますか、目が離せずといった感じであります。

 会員権に目を移すと、2月に入り、ジワッジワッと優良ゴルフ場の会員権には売り物がなくなってきました。
 今後に期待が高まる倶楽部には、市場における買い物も多くなってきております。例えば、弊社HPでもご案内しております取手国際などがそうであります。
 取手国際は、ご存知のように昭和33年開場と歴史も古く、また、松林からなる関東有数のワイドさを誇る芝付きの良い林間コースです。そして、このコースのワイドさはコースだけではなく、ハウス、例えばレストランやお風呂場(脱衣場を含む)などオールワイドなコースでもあります。
 また、特徴としてスタッフの挨拶の素晴らしさは、これまた関東一の呼び声が高く、スタッフの方々からの爽やかな挨拶には思わず、私など気持ちイイ〜という思いで来場しております。
 更には、取手国際は、年会費が無料というメンバーさんにはありがたーいコースとなっています。預託金制ゴルフ場であり、近隣の大利根や筑波といった株主会員制ゴルフ場ではありませんが、経営は無借金で磐石経営との誉が高いコースです。
 これまで、このコースの弱点の一つには、練習場のチープさがありましたが、このコースの最大の弱点である練習場の補強に乗り出そうとしている今、会員権が上昇しようとしているのも合点が行きます。
 今の会員権はまず何を持って現在の相場が形成されているのか??的なものが多くあります。
 我々は相場は正直という話をしますが、会員制倶楽部を立派に維持しているのに、何故か評価がされず、会員権価格が埋もれてしまっている歴史あるコースもございます。
 先週もこの独りごとで触れましたが、これからは、今まで以上に、当該ゴルフ場が果たして会員制倶楽部を維持しているんだろうかをまず見極め、それからゴルフ場も持つ諸般の背景等を鑑み、そして評価していかねばなりません。

 そんな中、デフレが更に加速しそうな中、先週も触れましたが、今年からの年会費を増額するコースも出始めました。では、どういう意図で各ゴルフ場は年会費を上げるのでしょうか?

 年会費を高くして、休眠会員やあまり利用していない会員をこの機会に退会に追い込む!?。
 一昔前なら、これにより、大量にいた会員数を労せずして減らすことが出来ると経営陣は大喜びしたかも知れないが、今はメンバーにどんどんプレーに来て欲しいと経営者が願う時代であろうから逆であろう。
 しかし、この際、メンバーは退会に次ぐ退会でいなくなってもらい、パブリックで運営した方が単価が上がりナイスなんじゃないの?と考える読者の方もいるかもしれないが、実際そういう考えのオーナーもいるかもしれない(私個人としてはこういう考えの経営者はいないと思うが)。

 では、ビジターには頼らず高負担・高福祉を目指すので、暫く辛抱して協力して欲しいという考え?なんだろうか!
 先週も書いたが、そういう倶楽部も当然あろう、が、これまで値上げをしたゴルフ場の多くは恐らく違うだろう、なぜなら高負担・高福祉を目指しますからと年会費を値上げしたいとメンバーに訴えることなく値上げに踏み切っているコースが多いからである。昨年から鶴舞の年会費が上がったが、これはメンバーに『あれを新しくします!これも変えます!そして今まで以上にメンバーを優遇します!』という熱意は少なくとも私には伝わったから、私もそう文句は言わなかったし、会員権相場もある程度の価格は維持してくれているものと推察します。例→中山で現時点では下がっていない。
 だが、もし、年会費の増額で大幅に相場が下がる倶楽部があるなら、会員は高負担になるだけで高福祉になると思っていないから下がるのに他ならない。例→富里で現時点では下がっている。

 では、どうして年会費を上げるのでしょうか?
 私には、コースには何の考えもなく、ただ、経営が苦しいので会員からの年会費を増額しているだけなんじゃないかと思えてならないのだが、皆さんの考えはどうだろうか?
 確かに一番手っ取り早い手法であることだけは間違いがない。が、会員権価格より年会費の方が高いコースの場合、プレーに行かれている方ならば良いが、あまり行かない方々はそのコースのメンバーに留まる人は極少数になるだろう。
 すると、市場に売り物が出てくる。が、その大幅に安くなった会員権にさえ買い物が集まらない。なぜなら、会員権価格より年会費が高い、更にはその数倍もの名変料も徴収されるとなれば、購入者は少なくなるだろう。ましてや、そのコースは高い金を払って会員にならなくてもインターネットなどで誰でも予約が取れるコースなのだから。
 となると会員は市場で売れないのだから仕方なくコースに会員をやめる旨を伝えて退会することになるだろう。さすれば、これまでより間違いなくコースに入る年会費収入も減ってこよう。

 年会費を上げることで一時的な凌ぎは出来るかも知れない、が、そこに会員を納得させる大義名分がないようなら、その倶楽部は会員制倶楽部としては崩壊する可能性がある。いや、既に崩壊しているコースも多いのかもしれない。

 そんなコースもあれば、前出した通り、このような経済状況においても、年会費も無料でありながらキチンとメンバーシップ(会員じゃないと予約が出来ない)を維持し、更には練習設備を改良しようとしているコースもある訳です。
 これから我々は、こうした会員を第一に考えているコースをキチッとユーザーに伝え、各会員制ゴルフ場が持つ本来の実力を今以上に正当に評価せねばなりません。
 これからは、会員からじゃないと予約が出来ないコース、預託金を返しているコース、毎年決算をキチンと発表しているコース、名簿を発行しているコース、休憩が40分のコース、大体が2時間15分以内のコース、フリーでも受け付けてくれるコース、練習場が整備されているコース、そういうコースをユーザーにしっかりと伝え、ちゃんと評価してもらう事が大事となるでしょう。

 以上、今週の独りごとでした。