2008年12月19日

今年1年の会員権総括

 今年もあと10日余りとなってしまいました。今週は、経済界にとって最悪だった今年を振り返って見たいと思います。2008年はホント、経済界には大きな陰を落とした一年でしたね。
 このコーナーでの7月4日号で、『サブプライム問題に端を発した経済市場の悪化は、原油の異常なまでの高騰と食料品といった我々の生活に直結するモノの相次ぐ値上げにより、消費意欲を確実に減退させている模様です。ここ数年の会員権市場は、買い手が少なくても売り手もそう多くはなかった訳ですが、ここに来て売り手の件数は明らかに増えて来ています。この動きを見る限り、景気後退の波は確実に来ていると考えてよろしいでしょう。但し、景気が悪くなろうとも、ゴルフがある限り、必ず会員権の需要はあるはずです。
 と書いたのですが、まさしく景気後退の波はすさまじく、それから暫くしての会員権価格の下落振りはまさに目を覆うばかりであり、弊社としても会員権の需要はあるはずと信じて頑張っても頑張っても、営業数値は悪化する一方でした。

 では今週は、今年の総括として、激動の2008年の会員権価格を各都県別に追って見ましょう。

【東京都】全体的な下落率が一番大きい。価格に変動がなかったのは、9月に名変預託金を減額した武蔵野ただ一つであり、青梅・小金井・GMG八王子・多摩(8月末までは善戦していたのに、、、)・東京よみうりでは、なんと年初の半値以下となっている。

【神奈川県】東京同様、やはり大幅に下落した。相場的に善戦したのは伊勢原・清川・相模湖の3コース。小田原湯本・鎌倉・湘南シーサイド・大厚木・大相模・津久井湖・長竹・中津川・葉山国際・レインボーで、年初価格の半値以下となっている。

【埼玉県】勿論、下がってはいるが、東京や神奈川より相場下落が顕著になっていない。そして、児玉や美里の市川造園グループでは年初に比べむしろ会員権価格が上がっている。また、東都埼玉・秩父・飯能といった償還が出来ている東都自動車グループのコースも当然堅調である。その他、浦和・大宮G・越生・川越・鴻巣・越谷・埼玉G・飯能パーク・富貴が底堅い動きを見せたが、川越グリーンクロス・東松山・鳩山・武蔵の杜・嵐山は年初の価格から半値以下となる。

【千葉県】ゴルフ場王国で相場が立っているコース数も他県よりずっと多いが、他県に比べ会員権価格は大変堅調である。千葉でもかずさだけは年初より価格が上昇しております。市原京急・エンゼル・大多喜・勝浦東急・ザ鹿野山・上総モナーク・香取・千葉廣済堂・千葉新日本の価格は、年初とほとんど変わらず状態となっている。逆に下落が激しく、半値以下になったのは、鎌ケ谷・木更津・京・京葉・キングフィールズ・長太郎・習志野であり、なぜか“か行”しかも頭に“き”が付く(きさらづ、きょう、けいよう、きんぐ)コースの下落が目立った。その他、このコーナーでも取り上げた千葉カン、袖ヶ浦・平川とといった千葉市内の林間コースにも半値まではいかないが、かなりの下落が見られました。

【茨城県】茨城も他県に比べ下げが目立ちにくい。茨城も年初より上昇したコースがあり、アスレチックが年初より高い相場を示している。堅調な動きのコース名を列記すると、麻生・白帆・セベバレステロス・ダイヤグリーン・利根パーク・富士OGM出島・フレンドシップとなる。半値以下になったコースは、阿見・霞台・国際桜・宍戸ヒルズ・ジェイ霞ヶ浦・セゴビア・セントラル・静ヒルズ・龍ヶ崎。そして、半値まではいかないが、茨城・江戸崎・金乃台の林間3コースにもかなりの下落が見られました。

【栃木県】とにかく売買気配そのものの数が大変薄くなっている。コースの数が多く、ゴルフ場王国の一つだが100万円を越えるコースが少ない中、レイクランドは年初価格より上昇している。が、栃木では高い部類の日光や皆川城の2コースが半値以下コースになっている。県全体としては、価格が元々安いので、価格の変動も見受けられない。

【群馬県】群馬も栃木同様、売買気配そのものの数が薄い。関東では相場が一番安定している県であると云えよう。だからか、列記するほど目立ったコースはないようです。

【山梨県】東京同様、かなり下げが目立つ。が、上野原を除いて、半値以下になったコースはない。が、山梨のプライスリーダーのメイプルポイントや河口湖、甲斐芙蓉、都留、富士レイクなど、ほとんどの銘柄が弱含みであった。

【静岡県】全体的に下げてはいるものの、そう大きな下げを見せているコースも少ない。山梨より下げは緩やかです。半値以下になったコースは、愛鷹シックス・東富士・富士国際の3コース。

 今年の会員権総括として、前回上昇時には目立って上昇した東京、神奈川の相場が他県に比べ弱い事が判明しております。各県ともに、下げている銘柄には高額コースが目立ち、善戦しているコースは総じて名変料が安いコースである。つまり、8月29日号でも書いていますが、下げ相場の時は“入会諸費用が高く感ずるコースの相場は弱い”現象が、今回も相場にハッキリと現れています。
 関東に相場が立っているコースは結構ありますが、今年の年初より上昇したコースは5コースのみでした。
 今年の会員権市況を一言で云うなら『とにかく、未曾有の状況であった』それがピッタリの年でありました。

 今年の独りごとも来週の26日号が最終となります。さあ、皆さん、暗い顔は捨て去り、残り少ない今年を頑張って参りましょう!