2007年10月5日
会員権相場にも平均の法則あり
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 10月に入り、先日までもの猛暑がウソのようにすっかり秋めいてきた気候になってまいりました。
 会員権の動きについては、9月14日号で触れましたように、今年はずっと模様眺めであった展開から動きが見られ、売り方からのアプローチが増えてまいりました。その為、会員権相場は弱含みの展開となっております。

 今週の独りごとは、久し振りに会員権相場について書いてみましょう。
 過去5年間での会員権相場を語るに外せない分岐点である2003年6月と2005年11月、そして2007年10月現在の会員権相場を比較してみましょう。
 ここに各都県の各価格帯の代表コースを選定(破綻コースを除いて勝手に私がチョイスしたもの)し、価格を羅列してみました。

  2003年6月 2005年11月 2007年10月  
東京都
小金井 3500万円 5300万円 10000万円 2.9倍
多摩 330万円 860万円 1060万円 3.2倍
青梅 1万円 57万円 170万円 170倍
武蔵野 4万円 45万円 115万円 29倍
東京五日市 65万円 12万円 75万円 1.2倍
神奈川県
戸塚 1680万円 3070万円 3050万円 1.8倍
横浜 10万円 470万円 1000万円 100倍
厚木国際 700万円 820万円 900万円 1.3倍
レインボー 250万円 310万円 520万円 2.1倍
鎌倉 80万円 65万円 70万円 0.9倍
埼玉県
武蔵 1000万円 1400万円 1400万円 1.4倍
日高 590万円 510万円 700万円 1.2倍
嵐山 240万円 75万円 180万円 0.8倍
川越 2万円 70万円 120万円 60倍
越生 2万円 17万円 70万円 35倍
千葉県
鷹之台 1700万円 3100万円 3100万円 1.8倍
藤ヶ谷 830万円 960万円 1020万円 1.2倍
中山 550万円 600万円 600万円 1.1倍
鶴舞 190万円 190万円 350万円 1.8倍
姉ヶ崎 150万円 140万円 170万円 1.1倍
八幡 20万円 7万円 20万円 1倍
茨城県
大利根 1250万円 1320万円 1750万円 1.4倍
龍ヶ崎 600万円 770万円 900万円 1.5倍
取手国際 230万円 385万円 420万円 1.8倍
江戸崎 190万円 210万円 305万円 1.6倍
セベバレステロス 80万円 60万円 80万円 1倍
栃木県
小山 720万円 600万円 830万円 1.2倍
日光 430万円 300万円 350万円 0.8倍
唐沢 190万円 150万円 160万円 0.8倍
新宇都宮 15万円 3万円 5万円 0.3倍
群馬県
桐生 160万円 160万円 120万円 0.8倍
伊香保 120万円 130万円 120万円 1倍
太田双葉 40万円 22万円 24万円 0.6倍
静岡県
葛城 500万円 580万円 560万円 1.1倍
伊豆大仁 215万円 230万円 200万円 0.9倍
伊豆スカイライン 40万円 25万円 35万円 0.9倍
山梨県
メイプルポイント 300万円 420万円 560万円 1.9倍
富士レイク 40万円 60万円 100万円 2.5倍
秋山 17万円 23万円 20万円 1.2倍

 となっています。

 まず、赤字はドン・ドン・ドンと上昇したコースを表しています。
 各都県を見てみますと、栃木県、群馬県の相場低迷がまずは目に付きます。ここ数年の分岐点値からほとんど変化が見られず、逆に2003年6月の分岐点である大概のコースのバブル期以降の最下点値よりむしろ、価格が下がっているのが判ります。
 また、静岡県もほぼ横ばいで推移しています。
 しかし、山梨県は違います。実はこれを調べるまで、私自身に認識不足な点があり、山梨にはあまり注目していなかったのですが、山梨県は他の首都圏地域と同じように高額コースから中堅コース、更には大衆コースに至るまで相場は上昇しておりました。

 私の意識としては、富士の麓の両県を比較した時、山梨県より静岡県の方が相場は強いものと言う感覚があったのですが、大きな認識の誤りを今回は感じさせられた次第です。
 幕張に住んでいる私は滅多に中央高速を利用することはありません。その為の認識のズレからだと思いますが、実は武蔵野地区や多摩地区の方々からだと中央道の上野原辺りまでは随分と近い(最近ようやく私も気が付きました)のです。その地区にお住まいの方が、本当なら東京都のコースを買いたいのだがすでに高くなっているから少し先のインターのコースへ変更と考えられるのは当然でありましょう。まして、静岡県と比べ、コースそのものの数が断然少ないときている。なのに、ウーン、またまた勉強不足を露呈してしまっていますな。

 一方、首都圏地域に目を移しますと、青梅、武蔵野、横浜、川越、越生のように信じられない上昇度を見せたコースもありますが、これは、購入希望者が、その時の対ゴルフ場心理バランスから入会預託金を取っているコースを一斉に敬遠したからであり、今となっては、あまり参考数値にはなりません。
 それより、小金井と多摩を除くと、東京都を囲む3県のプライスリーダーの価格推移には大変似通った動きがある事が分ります。戸塚、武蔵、鷹之台はいずれも『2005年11月の会員権が動き出した!』と言われ出す直前の価格に戻ってしまったのが解ります。
 倍率数値も東京都を囲む3県のプライスリーダー価格(戸塚・武蔵・鷹之台)と茨城県のプライスリーダー価格(大利根)の倍率数値は1.4倍から1.8倍で、ほぼ横並びであり、いわゆる平均の法則が働いております。
 しかしながら、レインボーや日高などの準高額コースや鶴舞、取手国際、江戸崎の中堅コースは2005年の11月の分岐点時より高い価格相場となっています。
 では、上記のコースもプライスリーダーと同じ様に戻るのでしょうか?私の答えはノーです。
 プライスリーダーコースと比べ、これらのコースはこの数年でプライスリーダーコースに比べ過剰反応をしなかったからであります。つまり、首都圏のある程度のコースは1.4倍から1.8倍が平均値であり、プライスリーダーコースや準高額、中堅どころの数値が現在は同じになったと言うことを表していると云えるでしょう。これも平均の法則ですね。

 しかし、低額コースはと言うと、どのエリアでも上昇していない事が分かります。数年前から二極化という言葉がゴルフ会員権業界では飛び交ってきておりましたが、本当にその通りとなりました。どうやら、低額コースでは平均の法則は当てはまらないようです。
 しかし、会員権を取得する目的はなにも利殖の為ではありません。現実に、低額コースに入会され、ここ数年ゴルフライフを非常にエンジョイされておられる(友達を爆発的に増やされたり、競技の楽しさを知った)方々も大勢いるのが実情です。

 上記のように、バブル崩壊以降、今日にかけて、エリアによる価格変動のバラツキはかなりのものとなっていますが、これから数年の後も同じように推移する事が考えられます。さすれば、これからも首都圏から行き帰りの往復が至便な地域には絶対に人気が出るのは必定です。
 ゴルフに行く時は大概、行きは良い良い、帰りは怖いの言葉どおり、行きよりも帰りに時間が掛かります。場合によっては2倍以上の時間が掛かる時もあるでしょう。
 しかし、首都圏エリアでそのタイムラグがほとんどないエリアもあります。
 そのエリアとは?そう、アクアライン利用地区であります。
 そして、その中でもインターから近く、更にはコースそのものに魅力のある(特色のある)コースがより注目されていくでしょう。
 この2点にズバリ該当すると私が思うコースが、いよいよ15年の眠りから目覚めます。
 私が注目するこのコースは、バブル期大変高額で売買がされていたコースで、その頃、私自身が大いなる羨望の眼差しで見ていた当時の高嶺の華コースでありました。
 来週は私が注目するこのコースについて書いてみます。

 以上、今週の独りごとでした。