2007年4月6日
総武都市開発が民事再生法申請
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 桜の開花は早かったが、すぐに葉桜になる木が多く見受けられ、今年の桜を美しく感じないのは私だけではないだろう。その為、通年であればこの時期各ゴルフ場の桜は見事なまでに満開になり思わずビューティフルを連発したくなるのだったが、今年それはなかった。

 今年前半の会員権の値動きを検証してみると、1月、2月は売り・買いともに低調状況続いた。が3月に入り売り物が活発化した為、物件成約率は高くなった。が、昨年のような上昇基調による活発さではない。4月になってもこの基調に変化があるとは思われず、逆に3月より売り物件は減少するであろうから成約率が悪くなることが予想される。となると、商いして何ぼの弊社としては苦しくなる。

 会員権の二極化という言葉が使われ出して久しいが、ここに来て一気にその色分けが加速し出し、1000万円超の会員権とそれ以外との色分けが更に鮮明になってきた。
 また、これまで同一視されていた大衆コースにおいても色分け(分類)が見られ始めた。大衆コースの要素しかないゴルフ場でもその中の雄となりつつあるコースもあれば、大衆コースより全然上の要素なのに、いつの間にか大衆コースに分類され始め、今やその大衆コースの中の落ちこぼれになりつつあるゴルフ場もある。
 コース側の努力の跡が見えるコースとそうでないコースとで線引きがされ、生意気を言わせてもらうと私にはここに来てそのシルエットがくっきりと見えるようになって来ました。

 今週はいよいよマスターズウィークと楽しみにしていた矢先の4月3日(火)10時過ぎ、総武都市開発が民事再生法申請のニュースが飛び込んできた。
 総武などは3月末まで500万円を越えた金額で売買されており、売り買いとも大変活発に展開されていたコースだけに、驚きもひとしおであった。また、自身が入会している中山も関連コースだけに、決して他人事ではないのだが、自身特別慌てている様子もない。また、同様に市場はいたって静かである。
 
 どうしてだろうか?

 その原因は何と言っても破綻という言葉に皆が麻痺しているというのが一番の理由でしょう。
 また、これまでの数年の動きを見ていて破綻したからといってゴルフ場がなくなる訳でもなく、プレーは続けられ、一時的には買いがなくなり、一旦相場は下がりますがやがて、資産的(会員権価格)にも変動がないことが予測されるというのも大きな理由でしょう。
 今回、この40年以上の歴史を持つ富澤誠造氏設計のチャンピオンコース総武のスポンサーはすでにPGMグループに決まっているようです。今回の破綻は総武がPGMグループ、そして森泉がリゾートトラストと受け皿会社となる支援先を決めておいての民事再生ですからプレパッケージ型再生で行うという事のようです。
 3月にこのコーナーで数回に渡り東京国際の事について触れましたが、結局PGMグループは敗れてしまいました。東京国際事件では最大債権者であるPGMグループは裁判所に異議申し立てをしようと思えば出来たはずですが、今回はあっさり諦めています。
 勢力を伸ばしたいこの時期、PGMグループとしては東京国際も取れればそれに越したことはないですが、私が思うに(私の穿った見方かもしれませんが)、東京国際関連2コースで資金を使うより総武都市開発を取り再生した方がGOODと思ったのかもしれません。

 東京国際事件における3月のPGM(PGP)グループの債権者説明会時、会員の一人が「あなた方は100コース持ってるらしいが、一番高い会員権価格をつけているコースは何処で、そのコースの相場は幾らなんですか?募集しているコースはダメですよ」と聞かれた時に代表の草深氏はちょっと困った顔で「募集しているコースを除いてですか、、、。京カントリークラブ、、、、、プレステージ、、、、」と答えられたのが今でも鮮明に私の脳裏に焼きついています。ここで京カンの名前が出て来るのか、、、というのが私の正直な思いでした。
 京カントリークラブは弊社が大々的に推奨しているコースであり、私自身大変素晴しいコースであると信じておりますが、このコースはメンバー数的に見ても相場金額から見てもやはり大衆銘柄でありましょう。倶楽部対抗にも出場しておらず、クラブ会報も出していないコースが一流コースのわけがありません。誤解してほしくないのですが、私はだからといって京カントリーがダメコースと申しているのではありません。あの会員権価格でアクセス抜群で、お風呂を含めたリラクゼーションが完璧で、メンテナンスがまずまずで、スタッフがフレンドリーで、多くのメンバーが愛情を注いでいるコースは他にそうないのではないでしょうか。
 あっ、いかんいかん、今日は京カンの話ではなかったんだ。
 あの時、きっと感じたであろう草深代表の忸怩たる思い。もし、あの時総武をPGMが持っていたなら、草深代表は迷わず「総武カントリークラブで○○○万円」と仰ったでしょう。
 PGMのライバル、アコーディアはすでに習志野という超一流ハードを持っています。更にセントラル東西という過去に日本オープンを開催したハードも持っています。
 しかし、残念ながらPGMは確かに光るいくつかのハードを持ってはいるが、歴史と風格を併せ持つ林間コースをこれまで持っていなかったのです。
 アコーディアを最大のライバルとおそらく思っているPGMは、アコーディアの習志野より会員権価格がずっと高かった総武を今後はPGMグループのフラッグシップコースと考え、おそらく総武を大事に大事に運営していくと私は見ています。そして、あの時忸怩たる思いをしたであろう草深代表でしたが、今度同じ質問をされたら今度は草深代表も胸を張って答えるだろうなと思います。

 破綻したわけですから、当然多くのメンバーが今後総武を去っていく事と思います。しかし何年か後、名門総武が破綻した時はビックリしたが、PGMは立派に総武を再生してくれたと残ったメンバーから言われる再生をPGMグループに期待しています。

 以上、今週の独りごとでした。