2007年2月23日
虎ノ門債権回収主催の会員説明会(東京国際)に出席して
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 今週は事務所にいる時間が特に少ない週であった。月曜日は約3時間、火曜日は約1時間、水曜日は約4時間、木曜日は会社にいたが時間あまりなし、金曜日は現在で約3時間である。
 直接商売には結びつかない用事が多かったが、これを引き受けるのも何かの縁、きっと神様もそのうち微笑んでくれるだろうと信じている。

 会員権はというと、相変わらずの薄商いの中での推移は変わっていない。また、人気コースとそうでないコースとの色分けがはっきり出ている展開となっている。少しずつ買いの手も増えてはいるが、まだ山を動かすまでには少し時間がかかりそうである。但し、車輪がわずかだが動き出したキライあり。動き出したら早いかも知れない。

 日銀が利上げに踏み切ったが、経済に疎い私が語ることではないですが、私はこれはこれで良かったのではないかと思っています。
 今回は以前のような景気後退になるとは私個人では思っておらず、また、株式市況が好調のこの時期を逃せばずっと金利を上げることは出来ないように感じるからです。これだけ長きに渡っての超低金利政策は不自然ですし、これがまだまだ続けば本当の意味での経済成長を妨げる要因になるとも感じるからです。
 先の事は誰にも解りませんが、経済復興がこれからも軌道に乗って行ってもらいたいと願っていますし、日銀の独自性がようやく出せたことを私は評価したいと思っています。

 さて、先週の続きを今週はやると書きましたが、冒頭でも述べましたとおり調査する時間が持てませんでした。ということで、今週は21日(水)に行われた東京国際の虎ノ門債権回収主催の会員説明会に出席し、その時私が感じたことをお話しましょう。
 
 13時半から説明会は始まる。

 まずは加々美弁護士による管財人案の説明と疑問点についてが30分強続く。途中、ある出席者から「管財人案の話を聞きに来た訳ではないから、虎ノ門の話をしてくれ」と要請が入るが、別の出席者より「話を聞きたいから続けてくれ」の要望もあり、加々美弁護士は話を続行。
 加々美弁護士の話を要約すれば下記の通りとなる。

1、まず、管財人の唱えるメンバーによる自主運営は会員制ゴルフ場の理想であり、そうなったら最高だと話し始めた。その場合、会社を一旦消滅させ、メンバーはそれぞれの金額を出資しメンバー登録となる。その際、転換社債で55億円の資金を支援企業から出してもらい、継承会社は1億6500万円を毎年返済して行く。その額を毎年返済しても償還期日の10年後には38億5000万円を一括返済しなければならない計算となる。もし、一括返済が不可能の場合、支援企業が債券を株に転換してしまう恐れがある。そうなればメンバーのメンバーによるメンバーの為の運営が崩れることも予想される。

2、その際の転換社債の利率が4.8%は高くないだろうか?また、その際1億1000万円を支援企業に支払うというのは如何か?

 の2点だったと思います。

 続いて、パシフィックゴルフプロパティーズ(PGP)代表取締役、草深多計志氏の今後の運営指針が述べられた。概要を掻い摘むと下記の8点に要約されるようであった。

@一切の追加資金負担なくプレー権の保障。A退会・継続会員ともに弁済率は32パーセント。B日曜日のプレーに関しては従来どおりメンバーオンリー。C月例を始めとする各種競技やイベントは従来どおり
D理事の構成に着いては半数以上をメンバーより選出し、理事長はそのメンバー理事の中から選出するE更生計画認可決定後であっても、新たな会員募集はしない。但し、退会会員が多数にのぼった場合は除くが、退会会員数を上回らない人数で、且つ発行口数などは理事会に相談した上決定する。F年会費や会員プレー料金は最低5年間は据え置く。G認可決定後、速やかに名変を再開し、その場合の名変料も25%減額し、財産権を高める。

 その後数名の質疑応答がなされたが、私には少し意地悪な質問と映ったものが多かった。質問の一つに「損金計上の際の文言『損金計上が出来ると思われる』という表現はいささか責任がない表現ではあるまいか?」という質問があった。しかし、弁護士といえども税務署ではない。また、現時点では認められていても未来永劫まで認められる保証がないものに『間違いなく出来ます』と誰が言えるのだろうと私の目には映った。

 15時40分過ぎ、閉会。

 以下は私の感想文である。

 私は管財人主催の説明会には出ていないので、あくまで漏れ聞いた話によるが、管財人説明会では虎ノ門案はすべて悪であり、話を全く聞こうとしないとお聞きした。が、今回の虎ノ門側説明会での加々美弁護士の説明では、むろん会員主導の再建が一番望ましいがと述べた後、だが、実際は難しいのでは?とクエスチョンを付ける事から始まったのは聞いていた私に爽やかな印象を与えた。
 支援企業に返済をしていくには、まずはゴルフ場自体が収益を上げなければならない。では、ゴルフ場の主な収益内容にはどのようなものがあるか?
 まずは、日々のプレー代金である。そして年会費収益、そして名変料収益の3つであろう。快適なゴルフライフというとメンバーがいつでも予約が取れプレーが出来るが最たるものかと思われる。だが、ガラガラのゴルフ場では日々の収支はガタガタになる。では収支を上げるには来場者数を増やさねばなるまい。しかし一日に入る客数には限度がある。では、単価を上げるか?とすればビジターの来場者数を増やす?ではメンバーの優先権を侵害しかねない。じゃーメンバーのプレー代金を上げるか?
 日々の売り上げに限度があれば、年会費を上げるか?うーん、これも・・・・。
 じゃー、コストの削減を考えようじゃないか!何を削る?人件費か?すればサービスの低下を招かないか?メンテナンス費用を削減する?これも問題ありだ!
 となれば、経営者の今まで培ってきた英知で乗り切る?じゃー社長は誰がするのか?優秀な経営者だったならどうして破綻という憂き目に・・・?

 と考えるとゴルフ場単体が大幅な黒字を出して、尚且つ、支援企業への借入金返済していくのには無理がないだろうか?というのが私の率直な感想である。同様に、例え、PGPが経営しても大幅に利益を上げるのは難しいでしょう。両者に違いがあるとすれば、PGPの場合はスケールメリットという大きな武器による大幅なコストの削減が出来ることだろう。更に、ここ数年で編み出してきた集客ノウハウもある。たった二つだが、この二つは私にはとても大きいように感じる。
 PGPの場合、確かに外資がという憂いはなくなりはしないが、少なくとも2次倒産の可能性は少ないと見る。

 説明会に出席して思ったことは、このコースの場合他のコースの説明会に比べ大変出席者の年齢が高かったことである。おそらくメンバーさんの平均年齢も相当高いと想像される。現時点では、志しが高いメンバーさんも10年経った時に果たしてその志しを高く保てるのか?との疑問が残る。
 冷静に判断すると、今や一部上場企業であるPGPグループが@からGまでの約束をキッチリしたのであれば、よもやその約束を反故にすることはないであろうと思われる。

 そして税金面で申し上げるなら、安く入会した個人メンバーにはあまり関係ないかもしれないが、一旦会社を清算して100万円を出資し入りなおす場合、例え1500万円で入会した個人メンバーであっても売却したわけではないから、この場合損金としては認められない。更に、売価した時に利益が出ると思われるが、その利益には逆に当然税金がかかるだろう。しかし、虎ノ門案の場合、仮に1500万円で入会した個人メンバーが500万円で売却すれば、現時点ではと注釈をつけるが、1000万円は損金として税務処理が出来るのである。
 先々週の独りごとでも軽く触れたが、私はこの税務問題における公平感も非常に大事だと思っています。

 上記が私の個人的な感想です。

 3月には3案のうち、どれになるのかはっきりするでしょうが、各方面からの綱引きがこれからより活発になると観ています。

 以上、今週の独りごとでした。