2006年11月2日
アコーディアが上場
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 今週も会員権の足は止まったまま、全く動く兆しは見えてきません。無論、商い件数は少ないままであります。これだけ会員権市況の売り買いが少ないのは久し振りではないでしょうか。どうやら今年いっぱいにかけては、薄商いの中推移して行きそうです。ゴルフ場には人が大勢入場しているのですがねー。
 このような状況の場合には、特色あるコースのみが活発な商いを見せていくでしょう。

 11月1日、アコーディア・ゴルフが東証一部に上場されました。
 ゴルフ場再生ビジネスに参入して、わずか5年の歳月でありました。売り出し価格が19万5千円で、発行株数の約半分である52万8千株を売り出した訳ですから約1000億円のキャッシュを生み出した計算になりますね。
 今ではゴルフ場の売買金額が安く取引されることはなくなりましたが、2000年頃のゴルフ場の売買金額は今思うとたいそう安かった。今と違い、当時、ゴルフ場を買う人は大変珍しかったものです。人々はゴルフにお金をかけなく(ゴルフに行かない)し、練習場はなくなるし、とにかくゴルフ場は儲からないよーとゴルフ場関係者も思っていたであろう時期です。
 そんなゴルフ場暗黒な中、千葉県のアクアヒルズ(旧キッツ)を買い取られた木庭清氏と茨城県のガーデンを買い取られた横田誠氏は、法人ではなく個人で買い取ったと私は記憶しておりますが、先見の明があったと言えるでしょう。
 その両コースは現在カナリヤガーデンとアスレチックとそれぞれ名称を変更し今日に至っております。会員権相場は共に堅調に推移しており、きっとメンバー様も喜んでおられる事と思われます。
 ゴルフ場に預託金という重石が取れた時、利益を上げ堅実に経営していくことは可能であることを世に示しました。
 そんな時、登場してきたのがローンスター(LS)とゴールドマンサックス(GS)の両外資ファンドでした。ハゲタカと揶揄されながらも、両ファンドはお互いに凌ぎを削り、これでもかこれでもかとコースの買収を続け、そして今や100コースを所有する両雄となったのです。
 そして、両雄はゴルフ場経営者が誰もなし得なかったゴルフ場運営会社としての東証一部上場を果たしました。
 今日、両者を外資とは呼んでもハゲタカと呼ぶ人はほとんどいなくなりました。
 両雄が取ってきた路線は、とにかくフィールドを整備しハード面を充実させることから始めて行きました。つまりは、人を呼べる状態にすることからスタートしたわけです。また、ネットゴルファーの取り込みを熱心に行い、集客に繋げて行きました。
 また、様々な要素をデータベース化することにより、ビジター料金を日毎に設定しなおし、人が集まり難い日でもゴルフ場来場者を増やしても来ました。
 更に、名変料の設定もその時その時に臨機応変に対応するなど、今までのゴルフ業界の常識を覆し、斬新なアイデアを駆使しながら発展を続けております。
 
 最近、各ゴルフ場において平日もキャンセル待ちが出ているのは、日本経済の復興も大きいわけですが、両雄がゴルフ場に投資をした事に他ならないでしょう。ゴルフ場再生ビジネスは「いける」と思った経営者は多くなり、今日のゴルフ場復興の基になっています。
 言うならば、両外資ファンドの積極的な展開がゴルフ場に活性化を促したと云えるでしょう。

 ゴルフ場再生に成功した両上場会社には、今後はハード面だけではなく、メンバーさんが快適に楽しめるようなソフト面の充実をより一層考えたクラブ運営をお願い申し上げたいと切に願っております。

 以上、今週の独りごとでした。