2006年1月20日
昭和48年以降の会員権の動き
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 今年に入って、皆様が本格的に始動し始めた途端に、会員権はエアポケットに入ってしまった。市場に売り物があったと思えばあっという間に売れてしまっている状態です。返事が遅い方、連絡が取りづらい方の場合は成約が難しくなって参りました。名門コースには、もはや売りが全く市場から姿を消しました。中堅林間コースも気配値を飛ばしています。(ちなみに鶴舞は1ヶ月で45パーセント約100万円アップ)
 大変仕事がしづらい環境になっておりますが、会員権の性格上仕方がないのかもしれません。
 ライブドアに強制捜査が入って株式市況は騒然としておりますが、その影響で会員権に売り物が出てくるならば(出てこないと思いますが)、今会員権を狙っている人ならば積極的に動いて行きたい局面だと思われます。

1月18日の日経金融新聞にゴルフ会員権のことが載っていました。(J.Kさん情報にて知る)
 損益通算の話です。
 紙面には、
今回も廃止観測が出されたが結局見送られた。これは金持ち優遇そのものだと言うのです。今回見送られたのも税理士や税務署員の間では、「政治家が沢山会員権を持っているからだろう」と囁かれていたそうです。
 しかし、最近安値で会員権を買った高額所得者の間では、分離課税を望む声が出始めたらしいのです。そうです、会員権相場が回復し始めたからです。利益が出始めたら分離課税のほうが高額所得者には有利になるからです。このまま会員権相場が本格的に上昇してきたところで分離課税に変われば、金持ち優遇のストーリーは完結すると結んでいました。
 会員権は、『上がらない』から『上昇する』に世の中の雰囲気が変わってきているという事なのでしょう。

 さて、今週は昭和48年以降の会員権の推移と世の中の動きをリンクしてみたいと思います。

昭和48年5月にはゴルフ会員権は、全銘柄においてほぼ過去最高値(昭和48年までにおいて)をつけました。この時期はゴルフの大ブームの時だったようで、E(茨城県の林間27ホールゴルフ場)カントリーを例に取ると年間来場者が開業以来一番多い年(72300人)なのであります。市場も買い一色となり、急騰相場への不安と高値警戒感が強まります。
そして、10月に入り第一次オイルショックとなります。5月の高値から急転直下で売り物続出で、下降の一途を辿ります。世間では、トイレットペーパーの大量買いからパニック現象が起きていました。(私も、ノートの買いだめをしたのを覚えています。)
昭和49年には、新設ゴルフ場の開場前の倒産が相次ぎ、ゴルフ会員権離れ現象が起きます。会員権相場の低迷は続きます。が、不思議と既設ゴルフ場への来場者は減っていなかった模様です。
そして、その後も相場は回復せず、昭和51年9月にはゴルフ会員権立会い交換会も廃止されました。しかし、10月には各組合員宛のゴルフ会員権気配表第1号が発行され、毎日刊行された。これにより、関東ゴルフ会員権取引業協同組合は会員権の価格形成に大きく貢献するようになる。オイルショック以降5年間、会員権相場は下げ続けた。結局、昭和52年12月が最も安かった。ちなみにこの時の東京都の15銘柄単純平均値は570万円である。
昭和53年に入ると下降相場はようやく底を打つ。この頃にはゴルフ会員権は、社会的にも経済的にも取り上げられることが多くなり、関東ゴルフ会員権協同組合は裁判所或いは税務所等からゴルフ会員権の公的立場としての評価依頼を常時受けるようになり公事に協力し出す。
昭和54年から昭和56年4月まではずっと会員権は上がり続ける。この時の東京都の15銘柄単純平均値は1355万円である。約3年半で2.3倍に上昇した。
昭和56年4月から昭和57年の1月までは、会員権相場は一進一退を繰り広げる。相場の大幅変動はなし。
昭和57年2月から会員権相場は再度動き始める。この時の東京都の単純平均値は1456万円。カーボンヘッドのドライバーが誕生し、ボールも糸巻きからツーピース時代に変化し始める。会員権は右肩上がりを昭和62年1月までの丸々5年間続ける。東京都の単純平均値は5234万円。この5年間で会員権は更に3.6倍になった。
昭和61年と言えば、NTT株フィーバーで日本列島が揺れ動いた年であり、昭和62年10月には株のブラックマンデーが起きた年であります。
昭和62年夏ごろ、会員権は一旦ピークを迎えます。この時東京都の単純平均値は6746万円を指します。会員権はこのブラックマンデーより前のこの夏から徐々に下がり始め、昭和63年の1月まで下がります。東京都の単純平均値はこの時4947万円です。そして、昭和63年2月から再度浮上し始めます。
昭和63年12月には東京都の単純平均値は5465万円です。昭和63年と言えば、ソウル五輪があった年、また政府が税収過去最高と発表し、企業の交際費は史上空前の4億円を突破した年であります。
そして、昭和64年1月7日昭和天皇が崩御されました。平成のスタートです。
平成元年1月には、東京都の単純平均値は5533万円になっています。更に、平成元年は会員権はとどまるところを知らず上がり続け、12月にはとうとう8302万円を付けたのです。平成元年と言えば、消費税が導入された年であり、組合としては会員権を内税方式にて取引し始めた年でありました。
平成2年、株価は大発会の翌日から低迷を始めました。呼応するように会員権も下がり出すのであります。そして、2月に東京都の単純平均値は史上最高の8646万円をピークに多少の上げ下げはあるものの会員権はずっと低迷時期に入り暴落に次ぐ暴落を見せていったのです。
最近の価格(ドライバーより安い)まで会員権が下がるとは誰も考えなかったでありましょう。しかし、現実に起こったのです。下がりに下がった会員権は額面を割り始め、大手であった日東工業がついに平成9年12月25日に和議申請を出し、事実上破綻いたしました。その後、平成16年の富士カントリー特別清算に至るまで多くの専業ゴルフ場が破綻し、大手専業ゴルフ場は全て姿を消し、外資をはじめとする運営会社に変わって行ったのです。
では、今の東京都の単純平均値はどれくらいか?平成18年1月20日現在で894万円であります。これは平成16年の最安値より上昇しておりますが、まだこの価格なのです。なんと昭和54年の5月の相場値であります。

ゴルフ会員権は、このように上がり下がりを繰り返します。こう見てきますと、やはり何年かは上昇していくだろうとの予測は成り立ちます。

先に登場したEカントリーを例に取ると昭和48年から50年までが年間来場者70000人を越えております。そして、昭和57年からの平成4年までが年間来場者数ほぼ70000人でありました。が、平成16年まではずっと来場者数は減少を見せておりました。が、昨年から改善の動きが見られるようになってきたのであります。今後暫く、ゴルフ場が人の賑わいを見せるのは間違いなさそうです。

あっそうそう、最近各ゴルフ場の支配人さんとお話しますが、皆さんが異口同音に仰っているのは、接待の件数が見る見るうちに増えてきたと言うことです。ゴルフというのは最も景気に左右されるスポーツなのでしょう。

 さて、昭和48年以降の会員権はこのように動いてきたわけです。皆様、いかがでしたでしょうか。
 何故だか、ちょっと私は疲れてしまいました。

 最後に加賀屋杯(100万ラウンド記念)は3月9日(木)に開催を致すことに致しました。募集人数は80名と致します。皆様、宜しくお願い申し上げます。

 以上、今週の独りごとでした。